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楽しいこと以外全部ウソの叙事詩   作者: ばんだな
第五章 オリジン オブ シビリゼイションのために
53/64

オリジン オブ シビリゼイション#5 アカシックレコード:地球紀アトランティス人編(インディアンの祖としてのトラヴァトリ種族)

#53


約300万年前の地球のアトランティス時空にはルモアハルス種族がアトランティス人特有の権能である絶対記憶と水と空気を司る生命操作の“生きた意志”を継承していた。

ルモアハルス人はその生きた意志である生命操作を言霊によって駆使していた。

しかし、思考力を持たなかった彼らは自然を操り、動物と会話し、植物を自在に成長させる現象を神的な自然が自分たちを祝福してくれているものだと考えていたため、与えられていた権能現象を自分たち自身の力であるとは思っていなかった。

別の言い方をすると、彼らルモアハルス人は生きた意志の主である神霊の声と権能に従い、地球の自然と一体化した神々の使いとしての人間のモデルだった。

彼らは自らの血液を通じてエーテルの世界を垣間見ることによって、その絶対的な記憶の中で神々と交流している夢のような意識の中で、彼らは地球の生活を“もうすでにあったことだけを信じた”思い出に基づいて穏やかに暮らしていた。


そのムードはルモアハルス種族に続く人種が早くも覆してくる。


レムリアとアトランティスの時空には進化の領域というものが存在した。

レムリア時代の晩年にあたる第七亜人類種であるキツネザルのような青白い見た目をした人間がインド洋からアフリカ大陸にかけての土地を植民地として生息していた。

それが現在のナイジェリアの西付近からガーナのアシャンティ海岸までにかけてを含有する大陸をレムリア人たちの進化の場として導かれていた。

進化の場にはレムリア大陸北西部の赤道下の地域が選ばれていた。

その領域はレムリア大陸の崩壊と破綻を免れながら約500〜400万年前までレムリア人の名残を残した動物人間や柔らかい土地と蠢く動物に近い植物などが生息していた。

そして、それらの特徴が大陸の変形と移動を誘発させていた。

また魔術を操ったレムリア人の末裔にして転生体である動物人間たちは世界三大銘木にも数えられるマホガニーに似た黒色を肌としてその身長は300〜360センチもあった。


レムリアの黒い部族は巨人の末裔でもあった。


彼らはその巨躯を以ってして消滅しつつあったレムリアの大陸から氷を伝ってアトランティス時空の進化の領域の場である大陸に出現するようになる。

アトランティス時空初期から中期の約500万年前の大陸はまだ柔らかく、大きさもまだ全盛期の約100万年前の規模には達しておらず、地球の大地は依然として天変地異が繰り返される天地創造の時代の最中にあった。

そのことでアトランティス大陸のスケールは各時代ごとに大きく変わっていった。

その天変地異の一つに3万年ごとの氷河期と10万年ごとの大氷河期があった。

大西洋上から始まったアトランティス大陸はその永久凍土が大地の基礎となる。

すでにグリーンランドはレムリアの時代から存在していたが、そこに立ち入るようになった最初の人種がルモアハルス人だった。


ルモアハルス人は300年万年前の大氷河期を終えた時期に地上の現れる。


彼らはグリーンランドから今でいうアイスランド、アイスランドからスカンジナビアを経てアトランティス大陸を南下し、レムリア人の末裔である黒い部族と遭遇しては戦争となっては北に退いたり、大陸の南の海岸にまで移住地を広げた種族もいた。

ルモアハルスの衰退期は短頭で円頭をした種族となっていた。

彼らは残存者であり末裔が現代のラプランド人である。

別名サーミ人の文献上の履歴は最も古くて紀元前一世紀であることから彼らの本当の歴史を知る者はほとんどいないが、『サーガ』と呼ばれる様々な説話や逸話の叙事詩の中に古代の彼らの来歴が記されているものもある。

それらはサーミ人の精霊信仰の象徴のシャーマンのノアイデが精霊を通じて太陽による大地と森羅万象の変化の原因を知る過程で自分たちのルーツが有史の中には存在しないことの伝承を物語にしたものである。

まらサーミ人の遺伝子の分類はコーカソイドに属しているがウラル語族とモンゴロイド系がかなりの割合を占めていることからアトランティスの進化系列をその血が示していることがわかるのだ。

なぜならアトランティス大陸の進化の領域は中期の大西洋から晩期にはユーラシア大陸のゴビ砂漠を超えた中央アジアのモンゴルにまで及び、その過程で多くの戦争による人種と人種による混血の歴史がアトランティス時空の宿命であり名残となって現代人の血液に遺伝子として流れているからだ。

そういった移住と放浪と遊牧の文化は厳しい冬の氷と他民族及び黒の部族である巨人たちとの闘争と侵略によるもの。


そして、ルモアハルス種族を衰退に追いやったのはトラヴァトリ種族だった。


トラヴァトリ種族は大西洋上のアトランティス大陸の西海岸に起こった、皮膚は赤褐色をした民族意識を強く抱いて出現したルモアハルス種族に続く第二の種族がトラヴァトリ人である。

トラヴァトリ人はルモアハルス人にはなかった野心という名誉欲を有していた。

彼らは共通の思い出によって結ばれた特別な人間集団をその血縁においてのみ共有していた。

共有された主な思い出には偉大なことを成した死者への追憶が生まれ、強烈な祖先崇拝に基づいた社会集団が形成されていた。

そのことからトラヴァトリ人たちは偉大な祖先がさながら世界を救ったヒーローのような存在として夢に現れていたこともあり、誰もが人々の記憶に留められることを願うようになる名誉欲という感情を抱くようになっていた。

彼らの感情に尊厳というプライドへの価値が生じたことによって人間に序列が生まれた。

その精神を司った指導者は共同の事業を行うにあたって特定数の人を集めることが可能となり、その指導者の牽引と恩恵を得た立場のトラヴァトリ人の英雄ともされる功績や達成を行った者は個人の価値の最上位とも言える“王者の尊厳”をその精神に抱くようになる。


その事業の中でも最も華々しかったイベントが戦争だった。


死者である祖先にも及ぶ記憶力の共有が血縁の結びつきに現れていた彼らは自分たちと記憶の共有ができない他の共同体の民族とは例外なく対立し、異種族や人間以外の存在ともなれば交渉の余地なく交戦に至るほどに激しく争い、その戦争の勝ち負けによってその共同体の植民地の規模は拡大と縮小を繰り返していた。

グリーンランドから南に氷期を逃れてきたルモアハルス種族はこの西からのトラヴァトリ種族によって北へと押し返され、他種族とみなされたルモアハルス人は植民地の中でトラヴァトリ人との混血が進むことなく淘汰されていった。

そういった有史以前の歴史を持つルモアハルス人たちの遺跡は中央ヨーロッパからスカンジナビアにかけての第4層に見られ、そこから発掘されるクロマニヨン人が持つドリチョ頭症はルモアハルス人たちの退廃時の平均タイプの痕跡である。

トラヴァトリ人たちは北の民族を淘汰していく一方、東に拡大していた植民地では黒い部族であるレムリア人の末裔たちを奴隷のような関係性を築くことで、村単位だった集団から町規模の社会集団がアトランティス大陸の各地に出現するようになる。

この大西洋上の全域を覆う大陸がのちのポセイドニスという帝国の首都となる。

これより数百万年と数十万年の悠久の時の中でアトランティス大陸も増減し、周辺の大陸も移動していたことに合わせてアトランティスの人間たちの植民活動も拡大されていったのだ。

また氷期の影響もあって大陸の西側である現代のアメリカ大陸となる東海岸にも諸島を通じて大西洋上のアトランティス大陸と繋がっていたことからトラヴァトリ種族の野心の手は伸び、果てはリオデジャネイロの南の海岸にも達していた。


彼らが現代のアメリカ大陸の先住民インディアンとインディオの祖である。


トラヴァトリ種族の末裔がコロンブスが出会ったアメリカ原住民にあたる。

その事実はラコタ・インディアンと呼ばれるスー族の口伝伝承に残されている。

彼らは文字を持たなかったが、「指言葉」によってなに不自由なく他部族と会話をし、また絵文字を渦巻き上にバッファローの皮に記すなどして“冬数え”という年代記をラコタのスー族は自らの伝説の一端を現代にまで残している。

スー族は多くの支族を有しているがラコタの意味を指す“友人、同盟者”という彼らを繋ぐ契りは、彼らの崇拝する大精霊「ワンカ(神秘)タンカ(大いなる)」のもとに預けられており、その使いである白いバッファローを崇め、天井に住まう大自然の主は万物に精霊として宿っている旨を信仰している。

そして、彼らは自分たちの祖先は星からやってきたと信じている。

現代考古学の諸説では彼らの祖先は数万年前のモンゴロイドにあって、ユーラシア大陸の東端であるベーリング海峡の凍結期を利用して、アラスカからアメリカ大陸全域を彼らは開拓していった、というのが有力であるとされているが、それは仮説に過ぎない。

ダーウィンの進化論やニュートンの万有引力同様に正しい部分もあるが地球と人間と宇宙の現象の全体を説明するのには根本的な言及が不足していることをラコタ・インディアンの口伝は自らの起源の神話を有している。


「我々は七つの星からやってきて、ブラックヒル(紀元前からの聖地)の中に置かれた」

「昔、自分たちは星に住んでいた」

「それは純粋で、高貴だった。そして地球にきて、血肉を持つようになった」

「自分たちは元々天上からこの地に下り、血肉を得た」

「先祖たちが地上に浮上してこの世界にやっていきとき、先祖たちはこの地上にすでに神が住んでいるのを発見し、その神を暗闇の神と名付けた」


彼らの先祖はレムリアの司祭に相当する神と会話をしていたのである。


アトランティス時空には七つの惑星領域から地球に転生してきた人種に関連して、七種の神託の場が大陸の各所に点在し、そこには現代で秘儀参入者と呼ばれる人間の姿をしているが神々の世界を行き来し、この世を支配する運命の掟を神々から知らされた秘儀と啓示の数々を神託として伝えることのできる超人間的な資質を有した指導者がいた。

アトランティスの人間が陸に上陸して数十万年間の思考はまだ準備段階だった。

まだ自分の思考内容を自分のものだと思うことのできないアトランティス初期の人種たちは、自分よりも高次にして高級な存在から与えられるロゴスを自然からの思考内容だと信じて、彼らは自分たちの意志を自然と秘儀参入を果たしていた神託の指導者に委ねていた。

だからルモアハルス人の時代にも宗教というか信仰は存在していた。

ただ、その信仰はロゴスの名残を通じた神懸った自然崇拝への畏敬に基づいたものであり、狂信的で人為的なバイアスの存在しない純粋な神への祈りと願いが彼らの生活と結びついた天然にして原始的な信仰だったため私たちの知る宗教とは言えない。

いわば無意識の信仰による無宗教である。


そして、トラヴァトリ種族の社会秩序に地球上で初めて太陽信仰が始まる。


アトランティスのトラヴァトリ人もまた人間的な魂が転生してきた当初に予め存在していた秘儀参入者に導かれるままに神的人間による外的な指示に従う形で、当時のマジョリティを占めていたトラヴァトリ種族よりも遥かに高い能力を持つ指導者にその行動を支配されていた。

彼らは依然として強力な記憶力に基づいた行動原則を人間仕様としていたことから、自分たちに意志と思考を提供してくれる秘儀参入者のより多くを体験し、想起することのできる存在を権威者とすることで一定の年齢と経験を積むまでトラヴァトリ種族はどんな人間でも重要な要件について決定を下そうなどとは思わなかった。

アトランティスの指導者である秘儀参入者はそれほど圧倒的な記憶を有していた。

トラヴァトリ種族は彼らの提供する記憶に基づいた叡智を太陽のように信仰した。

彼らトラヴァトリ人たちは長い人生を回顧するだけでなく、それまでの転生を経てきたことの輪廻の事実さえも知る秘儀参入者の叡智の深さであるその古さに畏怖さえも抱きながら全幅の信頼を寄せていた。

彼らトラヴァトリ人たちはその信頼に応えることを名誉とし始めたのである。

次第にその思い込みの思念と欲望が祖先崇拝の記憶と自らの行動指針と差し替えられていく過程で、少しずつ個人の経歴や功績から初めてそれぞれの人間の性格というものがトラヴァトリ人の認識の中で評価されるようになっていったのである。

そして、その過程と同時に人間や対象物である自然の背後に存在している霊的な現象である生命力からの“生きた意志”の働きかけを自らの魂の認識で行えなくなっていった。


なぜなら、彼らに神託としてたのは悪神アーリマンだったからである。

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