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楽しいこと以外全部ウソの叙事詩   作者: ばんだな
序章 トワイライトアポカリプスのために
12/64

#12 トワイライトアポカリプス 終章/後編

#12


自分「何それ?」

先輩「お主がスクリーンと呼んでおる色彩の世界に君臨しておる奴らのことぞ」

自分「え?スクリーンはずっと眺めてきましたけど特に何も・・・」

先輩「もうすでに空間像に受肉しておるからの」

自分「空間に受肉している?」

先輩「上を見上げてみよ」

自分「上ですか?」

先輩「何が見える?」

自分「巨大な天体が空一面に淡く光っているのがいくつも見えます」

先輩「そうか、妾には神霊界の住人たちの姿と営みに映っておるぞな」

自分「天体が神霊に見えるということですか?」

先輩「妾ら守護神霊にはもはや物質が見えんゆえ、そういうものとしか言えんのじゃが、お主らの意識空間の反射像には高次元の神霊が“天体に見える”というのは其奴らがお主の中にあるということぞ。たとえそれが神霊であるにしろ、天体であるにしろじゃ」

自分「どういう意味?何が言いたいんです?」

先輩「天体の物質要素は悪魔の受肉体となっておる、ということぞ」

自分「物質要素が悪魔なんですか?」

先輩「まぁそういうことなんじゃが、その要素そのものに神的な要素も働いておるから一概に断定的には言えんがな」

自分「では地球上のすべての物質要素も悪魔的なものということでもあり、神的なものでもあるということなんですね」

先輩「その通りぞ。お主の天体の球形態を決めておるのは妾ら神霊の提供している核である生命霊でじゃな、お主も大概アンポンタンでどうしようもないレベルで破綻した人格のはずなんじゃが、やけに物分かりが良すぎるというか、何というかエデンにまで連れてきてなおどうもお主の核が掴みきれんの・・・」

自分「そりゃぁどうもお手数おかけいたします・・・ところで生命霊って何ですか?」

先輩「生命霊とは天体の霊的な核のことぞ、お主らは地球の核のことをエデンと呼んでおる」

自分「なるほど、だとしたらエデンは音の意志だから悪魔的要素とは程遠いですね・・・」

先輩「じゃが、音を光にした神霊が堕天へと誘惑されることで悪霊化してエデンに外殻を展開させる逸脱的な意志が現在の天体及び地球の物質体となっておるのは確かなんぞ」

自分「だったら地球はやっぱりほぼ悪霊そのものだってことじゃないですか・・・」

先輩「じゃが、地球の創造主である神霊は人間の魂に自我を提供し、根源の意志を音としたエデンが地球の核として太陽を含めた各惑星との軌道秩序を調停しておるのは事実ぞ」

自分「なるほど、太陽系の重力圏における地球環境諸々のことですね」

先輩「じゃが、地球の生命体を司る妾の絶対記憶によると地球の神霊である形態霊は悪霊と化した堕天使との戦いに敗北したことから、地球の魂であるアストラル体にルシファーの降臨を許し、人間の魂のファントムがその温床となることで地球の人間の死と病気の因子として物質体と生命体に寄生して無茶苦茶しおるんじゃ」

自分「なんだよそれ!負けてたのかよ!」


先輩「その創世の刻印が止揚されたものでお主ら人間の肉体は構造されておる」


自分「バカなの?だから人間ってバカなの!?」

先輩「特に頭がの」

自分「それオレじゃん!」

先輩「妾のことでもあるんぞ!じゃから妾とて手をこまねいておるだけでなくこうして少しはマシになろうとしておるお主をここに召命してじゃな・・・」

自分「召命って何!?」

先輩「召命も知らんのか!?見下げたやつぞ・・・」

自分「いやいやいやいや、そもそもそんな呆れるような思考体系にさせたのはどこのどなたの誰のせいでしたかな?」

先輩「妾だけのせいでもないぞな!おいお主、ちょっと妾らの記憶の黒い部分を見通せただけのことでずいぶんなマウントじゃな」

自分「“気”のせいです」

先輩「“気”とは妾のことぞ」

自分「だから先輩のせいです、と言っているのです」

先輩「妾自身がそう感じているということか・・・上手いこと言いおってからに」

自分「上手いことを言ったつもりはなくてですね、ただオレのことを召命したということに興味があったのですが、その話がどこかへ行ってしまいそうなことを案じてしまい申し訳ありません」

先輩「それはないぞな、そもそもお主の召命そのものが妾の目的であり使命ぞ」

自分「そんな大事なことなら、尚のことボカさないでくださいよ」

先輩「いや、ボカすも何も曲がりなりにも聖書を読んだ者ならなんで召命を知らんのかのをもっと言及したいところではあるんじゃが、妾の寛大さに免じて許してやろう」

自分「だから、読んでいたようで読んでないんですって」

先輩「そうか、それはまぁええとして、妾は妾の役割を果たすこととしようぞ。これを見よ」


自分「これは、人間の脳ですね」


先輩「お主には人間の脳に見えるようじゃが、これは妾がエデンの音を編んで構造化したお主の新しいエーテルボディぞ」

自分「新しいエーテルボディ!?それって生命体のことですよね!?なぜ今更!?」

先輩「言っていたであろう、お主の心臓の意識の経絡がずっと開通しておったことから妾が水面下でそれをリニューアルしておったと」

自分「なんのためにですか?」

先輩「人類全体に人間のカルマを思い出させるためぞ」

自分「オレのカルマをじゃないんですね」

先輩「お主の空間像の中でお主だけの都合と幸せのことを考えて生きた原因がどこの何に結びつくかを考えるんぞ」

自分「自分の幸せとその他大勢の幸せとの関連ですよね、それがずっとよくわからないんです。自分のためだけにしているつもりはないけれど、誰かのためにやっているわけでもない、それなのにとても感謝されたり、でもそれは自分がやりたいからやっただけのことであって・・・みたいな関係の間で何が良くて、悪いのか、それがどこに結びついているのかがわからないから考えても仕方がないことだと思ってるんですけど、それじゃダメなんですか?」

先輩「そういったお主のような中庸や均衡の精神に良いも悪いもないんじゃが、そこに迷いや罪悪感があってはならんのじゃ、それが原罪から現在となる」

自分「簡単に凄いこと言ってますけど、それは簡単なことではないですね」

先輩「もう少し難易度を上げるとするなら、その簡単ではないことをお主の対象において施さねばならんことを妾は準備したと申しておる」

自分「エーテルボディを新しくするというのはどういうことなのですか?」

先輩「わかりやすくいうとイエスのようになる」

自分「イエス!?キリストってこと?」

先輩「安心せい、お主らが知っておるような伝説的な所業ができるようになるわけではない。あれは霊的世界の神である叡智の神霊キリストが目に見えるカタチでお主らの空間に降臨していた時の御業ぞ。イエスのようになるとは、主にキリストが降臨するにふさわしかった人格が最大の模範となっていたことを参照するという意味ぞ」


自分「霊界の神にふさわしい人間イエスの人格って・・・」


先輩「イエスのことをわかりにくく言うとじゃな、当時の人間が魂の文字からの言葉で表象的な肉体として構築されておったとするなら、イエスは神霊キリストの声によって用意された人格のファントムが搭載された最初の人間として出現した天からの伝令者として構築された存在ぞ、それをお主らは召命者とも呼んでおる」

自分「ファントムが最初に搭載された召命者?」

先輩「受胎告知は知っておるじゃろ?」

自分「あー、大天使ガブリエルが聖母マリアに神の子を運んできたって件ですね」

先輩「イエスのようになるというのはそういうことぞ」

自分「いやでもオレはもうすでに母親のセックスから誕生済みでして・・・それに先輩はキリストでもガブリエルでもないですよね?」

先輩「ほっとけ、ていうかお主は魂の影であるファントムであると言うとろうが」

自分「純粋自我の化身だとかとは言ってくれないんですね」

先輩「それはお主の肉体のことぞ」

自分「ということは肉体は純粋自我の影という言い方をしても良いということですか?」

先輩「純粋自我が霊的根源の思考の全体を司っておることと肉体の全体像を化身として反映させておることにおいては正しいが、人間の個体における小さな自我の肉体への意志として影響されておるのは血液と四肢のみぞ」

自分「手足のみに自我が宿っているということですか?」

先輩「お主ら魂のファントムはその力の流れを知覚しておることでまるで自分の意思で身体を動かし、肉体の全責任が自分にあると思い込みと勘違いしておるのがお主らぞ。ということからお主ら魂のファントムは自我の権能にあやかっておるだけの影であることから実際は自我ですらないんじゃ、“今のところ”な」

自分「それさっきも聞きました・・・てか肉体は未来の可能性だとか、定められた運命がオレたち魂の分かれ道となっているとか言ってましたけど、結局肉体に自由がないんだったらオレたち魂の自我だって勘違いすることしかできないわけで・・・つまり、無茶苦茶した誰かの運命をただやり直してるだけですよね、意味なくないですか?オレも先輩も・・・」


先輩「だから信じるんじゃ」


自分「信じる!?」

先輩「そうぞ」

自分「それは生きる意味を?可能性を?運命を?」

先輩「思うこと全てをぞ」

自分「それでどうなるっていうんですか!?」

先輩「どうもこうも肉体で感じた可能性や意味の運命が今のお主の新しい方向が決まるんじゃ。何をそんなにムキになるなっておる?」

自分「だからそれが全部出来レースなんだとしたら次があろうとどうなろうと何をしてもしなくても意味がないっていうことを言ってるんです」

先輩「では聞くが何がどうじゃったらお主は納得がいくんじゃ?」

自分「オレの納得?」

先輩「そうじゃ、どんな仕組みでどんな未来があればお主は満足なんじゃ?その理想とやらを大きな声で言うてみー!」

自分「それがわからないからこうしておとなしくしてるんじゃないですか・・・ここが何なのかも、先輩が何者なのかも、オレが何のためにここにいて、人間が何なのか、人間のためにどれだけの力が働いているのかもオレにはわかんねーことばかりなのが、少しずつわかってきたというより途方もなく知る必要があることだけが確かで、その中でオレがどうしたいかだなんて今すぐには答えが出せねーからうまく言うこともできねー・・・だが、これだけは言えるぜ!」

先輩「来おったか」


???「“もうすでに何もかも決まってる”ってのだけは許せねーーーー!」


先輩「ようやく姿を現しおったな、猿め」

???「禁断の地であればシンギュラリティの譲渡ができるとでも思ったか?」

先輩「貴様こそ、妾のいるこの地で好き勝手できると思うたか?貴様らの崇拝するあの猿の神仙をもおとなしくさせた禁錮呪の縛りを思い出すがよい!」

???「ぐぅっ・・・頭が割れるように・・・」

先輩「厳密には頭ではないんじゃがな、自分を頭だと思い込んだまま、そのまま消えるがいい・・・」

???「ぐぅっ・・・クッソぉぉぉ、お前らの思い通りになってたまるかぁ・・・」

先輩「無駄じゃ、どうやっても貴様らの求める永遠など認められるわけがなかろう」

???「ぉおのれぇ・・・なんちゃって」

先輩「何じゃと?」

???「くくく、エレメンツゲイザーともあろう者がまさか気づいていないとはな・・・」

先輩「なぜイレイズされん!?」

???「この魂はもうすでに原ガイストに貫かれているからだよ!!」

先輩「バカな、原ガイストじゃと!?」

???「お前らがエゴなどと呼んでオレ様たちの自由意志を蔑ろにしてっからこういうことになるんだよ!」

先輩「ありえん!解除しおった!アストラルスピリットである貴様にはガード不能の特攻があることに変わりはないはず・・・」

???「さてなぜでしょう?」

先輩「まさか・・・原ガイストが貴様の絵空事を此奴こやつに通していたというのか!?」

???「加えてお前がこいつに与えようとしていた中途半端なギフトとだけ融合すれば」

先輩「禁断を、中和しおった・・・」

???「あとはもうわかるな?」

先輩「バカやめろ!!!」

???「それじゃあな」

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