人には人の戦い方
グラスに水をめっちゃ入れる。
表面張力させて、葉っぱ1枚入れる。
私自分の能力が気になるんです!
修行よ修行
北の山の探索を途中でやめた次の日は疲れていたのか起きたのが午前10時になっちゃったよ。
「また朝早くに起きて山登りもいいなって考えてたんだけどな……どんまい」
パパっと朝ごはんやら歯磨きやらを終わらせてFWにログインする。
だけど、目覚めたのはサクヤさんの部屋だった。
「あれ、どうしたんですか?」
「1つお告げをしようかなって思いまして……山の頂上を登る事もいいですが、山をよく見て回ってください。 ハクさんにとっていい出会いとなることでしょう」
「……分かりました。 登ることだけじゃなくて探索もしてみます」
「はい、それでは頑張ってください」
サクヤさんにそう言われて意識が遠のく。
意識が戻ってきたと思えば北の山の安全地域だった。
まずやるべき事はサクヤさんが言ってた山の探索だな。いい出会いって言ってたから誰かがいるんだろうな。
「やること決まれば早速出陣じゃ」
走っては赤ゴブリン達を倒してを繰り返すこと1時間、山の崖部分にたどり着いた。
目を凝らして観察してると途中で洞窟みたいな穴がある。
「これ頑張って登るしかないけど……ロッククライミングってやつだな」
途中何度か掴んだ岩が崩れて落ちたりしたから買った回復ポーションを飲んでは挑戦してやっとたどり着いた。
洞窟は一本道で奥まで行くと大きな空間に繋がってた。
その奥には1つの祠みたいなものがあってその前に大きな魔物がいた。
「これはこれは、久方ぶりのお客さんか。 どれ、相手でもするとしよう」
大きな魔物はこちらを向いたと思ったら動かない。
「どうしたの?」
「いや、この体じゃお互い戦いにくいじゃろうて……ちと待っとれよ」
大きな魔物はそう言うと赤いオーラを発した。
しばらく経つと大きな魔物はどんどん体が小さくなって遂には普通の人と同じくらいになった。
「どうじゃ、これでまともに戦えるじゃろ。 どれ、殺りあおうぞ」
目の前にいる魔物からとてつもない殺気が放たれた。
「そうだな、殺りあおう……俺の名前はハク」
「儂の名は無く……ただ長く生きてしまったサイクロプスじゃ。 それでは参る」
サイクロプスの武器はなく素手が得物。
ならばこちらが取る構えは取り敢えず……。
「【流水】」
サイクロプスの右手が飛んできたが紙一重で受け流す。
「やるのぉ、儂の拳を受け流すとは……」
近づかれてから左の拳が飛んできたけどそれもなんとか受け流す。
受け流した左腕が静止してそのまま裏拳が来た。
しゃがんで躱したけど少しだけかすった。
今のでHPが1になった。
【運】だ。
このゲームは稀に1残って耐える事があるらしい。
もう1発すら掠れない。
型を変えよう。
本気だ。本気を出すしかない。
「【無】」
右手で飛んできたが棒を真っ直ぐに当てる。
すると起こる事はただ止まった拳と棒が触れてるだけ。
「む……なんじゃこれは」
右足が飛んできたが1番力が入りつつ勢いがあるところに棒を当てる。
また止まる。
「儂の攻撃が相殺されているのか」
「大正解。 爺ちゃんとの修業中にね、身につけたんだよ」
「厄介じゃのう。 なら速さ重視で行こうかのう」
そこから激しい攻防が始まった。
何分、何十分……果てには1時間は経った。
蹴りが飛び、拳が飛び、受け流し、相殺し、躱し……。
楽しいよ。この時間が楽しい。
「戦うのが楽しいか! 小童!」
「あぁ、楽しいよ! こんなにも楽しいとは思わなくてね」
「そうじゃな、儂も楽しくたまらんのう!」
「でも流石にそろそろ終止符を打とう……【不達】」
これは相手の攻撃が俺には届かない型。
右手が飛んできたが手首を棒で突く。
左足の蹴りが来れば下から掬い払う。
時には肩の関節を狙って……膝裏や肘裏を突いて足を払い、距離をとるため薙ぎ払う。
STRが低い俺の攻撃力は当然低いけどクリティカルを出し続け、それを何分も何十分もやっていくとサイクロプスの体力はどんどん減っていく。
そして遂には止めの一撃となった。
「儂がやられるとはおもわなんだ……楽しかったわい」
「俺と一緒に行こう。 こんなに楽しかった時間は久々だよ」
「確かにそうじゃな、儂もここに引きこもってもう何年も経つ……儂に勝ったお主に仕えるのも悪くないのう……我が主よ、儂に名を与えてくだされ」
……名前か。
「お前の名は【リオン】」
「【リオン】。 確かに名を承りました。 これよりこのリオン、貴方様を主とし仕える事を誓います」
リオンがそう言うと、俺とリオンが繋がった感覚ができた。
ーー特殊魔物の【リオン】を従えました。
頭に機械音が流れた。
「よろしくね、リオン」
「よろしくお願いします、我が主よ」
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