運営からふんだくってやろうと思います
「それでギルドハウスに来たわけだけど、今回の事はバグなのかな……ハク君」
「実は……」
ギルドハウスに帰ってきた俺たちは広間に全員座って俺の話を聞くことになった。
ゲーム開始からのことを。
もちろん、サクヤのこと……いなくなったこと……ステータスのことも。
「今までの事は分かったけど、今回のことに繋がるかな?」
シーンが顔を傾げて質問をしてきた。
アルカさんは分かった顔をしていたが他のみんなはそれでもまだ分からないままだった。
「多分だけど……タイミングだよね」
アルカさんが俺が答える前にそう言った。
「俺もそう思います。 何かのミスかトラブルでそうなったかの2択ではありますけど」
「そうだね……ってこれだとまだみんな分からないよね。 説明してあげよう!!」
アルカさんがドヤ顔をしてみんなに説明を始める。
「まずサクヤさんのこと。 誰にでもチャンスはあったけど誰もがしなかった事をハク君は行った。 その結果がサクヤ様な訳だ。 サクヤ様に関して色々不思議なことがちょっとあるけどそれは置いておいて、サクヤ様はコミュニケーションを取ってくれたハク君に嬉しさを感じてそのお返しに加護や助言をくれたけど、それを運営は許さなかった……というより運営の上が許さなかったんだろうね、気に食わなかったかなんかで……そしてサクヤ様と関わることを禁じ加護も取り消した。 それからは放っておいたけど第1回イベントで優勝してしまった……それも圧倒的な差でね。 ここが運営の上にとってはよくなかったんだろうね。 だから何処かのタイミングでステータスをただの99の値まで引き下げたんだろう……こんなところかな」
「多分そうですね」
本当にそんな所だろう……ハルも全力で何回も頷いてるし……かわい。
マイルはその話を聞いて頬を膨らませて怒っていた。
リオンも呆れ顔をしていた。
ジークは分かりやすくイライラしていたし他のみんなも同じことだった。
「落ち込んでもしゃーないか。 アカウントを消されなかっただけでも良かったと思えば……アルカさん」
「んー?」
「切り替えてはいるんですけど、流石にお詫びとかって」
その言葉を聞いてアルカさんはすぐににやけ顔をしていた。
「ふんだくってやろうか」
「その時は頼みますよ」
ーピピピッ!!
プレイヤー・ハクを転送します。
10・9・8・……
「って、言ったそばから……アルカさん!」
「はいさっと」
アルカさんが近くに寄ってきて急いで手を繋ぐ。
この行為がどうなるか分からないけど、上手くいって欲しい。
ー……・2・1・転送開始
そして視界が白くなった。
目を開けばそこは真っ白い空間だった。
隣を確認すればちゃんとアルカさんがいた。
「成功だね」
ニシシッと笑いながらアルカさんはそう言って嬉しそうにしていた。
多分これから俺たちの目の前に来るのは運営の誰かで、今回のことで何かしら説明等があるんだと思う。
数分経てば目の前に黒い扉が現れた。
そこから2人の人物が出てきた。
「この度はこちらの都合でプレイヤー・ハク様に多大なるご迷惑をお掛けした事でお詫びしにまいりました。 誠に申し訳ございません」
1人がそうやって謝りもう1人は謝らずにムスッとした感じでそこに立っていた。
仕方ないよね、やるだけのことやっちゃったんだし……当然の報いだと思います!