リオンの相手にはまだ足りません
「えいっ!」
ーパチンッ。
マイルが指を鳴らすとドラゴの周りにソフトボール位の大きさのモヤっとした何かがいくつも現れた。
「【魔雨】」
マイルが人差し指と親指を立てて銃を構えるようにして……。
「ブートアップ」
そう唱えた。
次の瞬間ドラゴの周りに現れた球体から様々な属性の雨のようなものがドラゴに向かって降り注いだ。
その間10何秒か。
凄まじい音が鳴り響いた。
音が止んでドラゴを見ると、もう虫の息だった。
そしてマインは最後に片腕を上に向けて手を開くと、その上には大きい雷の槍があった。
マイルが腕を下に振ると同時に雷の槍はドラゴに猛スピードで向かった。
もちろん雷の槍を食らったドラゴは消滅した。
パーティ全員にそれぞれ経験値を分配され!ドロップ品もいくつか出たところで戦闘終了。
マイルの方を見ると俺に向かって笑顔でピースサインをしていた。
「マイル、あれはすごいな」
「でしょでしょ!!」
「マイルよ」
「なーに、リオン」
「あれはどのくらい継続して出せるもんなんじゃ?」
「魔力が続く限りだよ、威力とか調整すると時間は短くなったり長くなったりもするけどね」
「そ、そうか……」
それを聞くとリオンは冷や汗を流していた。
リオンの横を通ってセシルがマイルに近寄る。
「マイル〜これ飲むでしょ〜」
「うん、ありがとね!」
そう言ってマイルはセシルから渡されたMPポーションを飲んだ。
「この先の坂を下って少ししたらエリアボスなんだっけか」
「そうだよ! 次も僕が」
「まてい! 次は儂の出番じゃぞ!」
「えぇー」
「えーじゃないわ! さっきの魔物はマイルが倒したのじゃから次の魔物は儂じゃろうて!」
「分かったよー。 でも危なそうだったら助けてあげるね」
「ぬかせ!」
「はいはい、次行くよ」
言い合いしてる2人を宥めて奥に向かう。
生産職チームはゆっくり休んでもらいながらも観戦して何か学べることがないかって探ってる。
ドラゴのエリアの奥には横幅1人通れるくらいの坂がある。
先頭はリオンその次にマイル、ルイン、ハル、アルカさん、セシル、ジーク、俺の順番に入っていった。
そして奥の広間には蛇型の龍がいた。
名前は蛇龍とそのまんまだった。
大きさは直径10メートルくらいだな。
だがそんなに太すぎず、どちらかと言うと細身では無いかと思うくらいだ。
ただ蛇龍からは弱い雰囲気は感じ取れず、密度が高い筋肉質な感じがした。
蛇龍の表面には見てわかるようなとても硬そうな鱗がビッチリ並んでいて矢などは傷をつけてからでないと意味をなさないだろうと思う。
そして蛇龍には鋭利な細かな歯がちょこちょこ並んでいてその中でも2本とても鋭く大きな歯がある。
あれに噛まれたら抜け出すのは厳しいだろう。
「あれれ、リオンいけるのー?」
「蛇はいくら大きくなっても蛇じゃ」
「主、ちょっと行ってくる」
「リオン、やったれ」
「あいわかった」
蛇龍へ向かったリオンは早速【獣化】と【鬼人】【鬼の舞】を使って蛇龍の顔下に移動した。
ちなみにさっき蛇龍の表面には硬そうな鱗が……って言ったけどリオンには関係ないんだよね。
だってリオンの使う【掌底波】は内部破壊だからね。
それに今のリオンはSTRがぶっ飛んでるから硬くても殴れる。
案の定顔下から掌底波を打たれた蛇龍は大きく仰け反ることになった。
しかしリオンは攻撃を止めない。
そのまま仰け反ってこちらを向いたお腹を思いきり蹴って蛇龍をくの字にした。
次に蛇龍の尻尾を掴んで投げ飛ばした。
本当にやることが規格外というか……。
蛇龍も一応エリアボスなので何とか反撃しようととぐろを巻いて勢いをつけて突進したけど……失敗。
リオンはその突進を受け止めて掌底波を2.3発打ち込んだ。
そこで蛇龍は倒れた。
一応パーティの俺含めてみんなにもドロップ品が配られて戦闘終了。
「おつかれさま、リオン」
獣化も解かれたリオンがこっちに戻ってきたからお疲れ様と言った。
「なーんも疲れとらんし、暴れたりんよ」
「これから面白いことが沢山起きたらいいな」
「そうじゃなぁ」
やばいぞ、今めちゃ書ける期間入ったぞ!
おいおいおいおい!!
書いちゃうぞ