決勝戦
『さぁ皆様、第一回イベントの最後の試合となりました。 決勝です!! 先ほどはマイン選手のとてつもない魔法、隕石をなんと破壊したリオン選手!! 対するはまだまだ未知のハク選手です!!」
「主よ、儂は再び主と戦えることが嬉しくて嬉しくてたまらんぞ」
「最初に会った時以来か」
「そうじゃのう、あれから儂は主の従者となり色々あったわい」
「最初は戦いじゃなくて運び屋でせっせと荷物運んだもんな」
「本当に人使い荒いんじゃよ、主は」
「頼りにしてんだから仕方ないだろ」
ー3・2・1・スタート!!
「全力で行くぞ、主」
「早くきやがれ、リオン」
リオンはひと蹴りで俺の目の前まで来て左足で俺の顔目掛けて横振りをしたが体勢を低くすることによって避けた。
すぐに右足で蹴りを入れられたが腕を十字に組んで防ぐ。
蹴りの勢いは殺せずに後ろの壁に激突した。
壁2枚ぶち抜いたがすぐに体制を整えた。
そして一瞬でリオンはまた俺の前に来て右手で殴りかかろうとしていたので受け流す。
受け流して体制を崩したリオンの腹を思い切り蹴り飛ばす。
リオンは俺と同じように吹っ飛ばされた。
勢いを殺してすぐに俺の方へと走り出したリオン。
俺もすぐにリオンへ走り出す。
俺が走ってきたことを目視したリオンは俺の腹に掌底を打ち込もうと腕を伸ばしていたので足で上に蹴り飛ばした。
蹴り飛ばした勢いを使って体を回転させたリオンは左手でジャブを繰り出した。
しかし俺は腕を上に蹴り飛ばした時点で間合いの外に行っていたから食らわずにいた。
「腕を上げたか、リオン?」
「防いでおいて言ってくれるのう」
「次は俺から仕掛けるよ」
リオンへと全力で走って飛び蹴りをした。
もちろんリオンは腕でしっかり防いだ。
その状態で膝を折り曲げてリオンの腕を蹴って空中で一回転しながら少し後ろに飛び、地面に着地すると同時に前に走ってリオンの腹に蹴りを放った。
リオンはそれを見破って俺の足を掴んでニヤリと笑った。
「捕まえたぞ主」
「お前それで俺を捕まえたと思ってんの?」
一度脱力して一気に力を入れてリオンに蹴りを放った。
そうするとリオンは俺の足を離し吹っ飛ばされた。
「クハハハ! 本当に面白い!」
「考え方があまちゃんになっちゃってるんじゃないの」
「そうかもしれんのう」
リオンは堂々と歩いてきて俺の胸元を掴むとすぐに投げ飛ばした。
投げられた俺はバク転をする感じで勢いを殺していった。
前の方に視線をやるとすぐそこにはリオンがいた。
リオンは投げ飛ばした後にすぐ走り出して追撃を喰らわせようと考えていたのだろう。
投げられた勢いを殺して俺はちょうど低姿勢だったためリオンが蹴り飛ばすにはちょうどいい高さだった。
そう、つまり俺はリオンに蹴り飛ばされた。
今度はうまく体勢を立て直すことができずに何度か地面とぶつかっていった。
「しっかりと追撃すること徹底してんな」
「当たり前じゃ、主は強いからのう」
俺は倒れた状態から跳ね起きてリオンの前まで歩く。
リオンは俺に右手で殴ろうと構えた。
そしてリオンの拳が飛んできた。
頭を傾げることで紙一重で躱してリオンの顔を思い切り殴った。
もちろんリオンは少しよろめいたが俺はガラ空きになった腹を殴った右腕を引っ込めてもう一度殴った。
「ぐあぁ」
「リオンさんや、まだまだですな」
「そうじゃな、儂はまだまだじゃな……せい!!」
リオンはすぐ飛び起きて掌底を打ち込んできた。
俺はまた蹴り上げようとした。
しかしそれはできなかった。
「儂も少しは学習するんじゃよ、主」
リオンは俺が蹴り上げようとした足を体をずらして回避してしっかりと空いた腹に掌底を打ち込んだ。
よろめいた俺に更に右、左と拳を放って最後は力任せに右足で俺のことを蹴り飛ばした。
「あぁ、いてぇな」
「どうじゃった、主」
「いい判断だよ、でもまだ本気じゃないだろ」
「そうじゃな、そろそろ本気で行くするわい」
「こいよ、お前の本気を受けてやる。 そして絶望しろ、俺に勝つなんてまだまだだと」
リオンは強いよね
でもこちとら主人公ですから!!
20時にもう1話投稿するよん