5試合目
『さあさあやって参りました第5試合目です。 今大会の唯一現地民のリオンさんです! 種族は鬼人で扱う武器種はオルガ選手と同じく己の拳と足だそうです! 1回戦目で盛り上げたハク選手の従者だそうです!』
あらあら、そんなことまでガッツリ紹介されちゃうのね。
リオンは色んな武器を試したいって言ってたけどこのイベントでは素手で挑みたいって言ってたもんな。
元々武器なしがリオンの戦うスタイルだったからそれだけでこのイベントにどれだけ本気なのか分かってくるよね。
『対する相手はこの方。 1回戦目で戦った【黄金姫】イールさん所属【幻想郷】の副ギルドマスターのサビリオンさんです。 強さもありつつギルドの裏側から色々支えてるその姿はもう1人のギルドマスターと言ってもいいでしょう!』
「ウチのあれは初戦負けですからね……まったく」
全く聞こえない声量で何かぶつくさ言いながら出てきたサビリオン。
持っている武器は槍か。
リーチで勝負する感じかな。
『勝負スタート!!』
リオンは堂々とサビリオンに向かって歩く。
サビリオンは壁にくっついたり壁伝いに歩いてしっかりとリオンとの距離を空けてる。
投げナイフを投げたりしてるが……全部リオンの手によって落とされてて意味が無い。
罠を張ったり色々小細工してるようだけど……それも意味がなく終わる。
「化け物か」
罠や投げ物は意味が無いと判断したのか上手く背後に回った。
「【二突き】」
槍を速く2回突くスキル、マインが教えてくれた。
だが、簡単に避けて蹴りをお見舞するリオン。
サビリオンは簡単に吹き飛んだ。
「なんじゃ、手応えがない。 もうちっと楽しめると思ったんじゃがのう」
「【集中】【クイック】【急所突】」
リオンの顔を狙った速い突きなんだろうけど、狙いが分かったらあとは……ねぇ?
「所詮は小童か……ふん!」
リオンは顔の位置をずらすだけでサビリオンの突きを避けてから足を後ろから蹴ることで体制を崩す。
【鬼人】スキル使って2.3発殴ったら終わったよ。
呆気ないけど……仕方ないよね、正直他が弱すぎる。
決勝は俺かマインかリオンだな〜。
そして今アナウンスが入ったんだけど、2回戦目出場者は全員で5人いるらしい。
くじを引いてシード枠を決める。
だから今第5試合目が終わった段階で次に行く出場者達の目の前にくじ引きが現れた。
「適当に引いとけばなんとかなるでしょ」
サッと引いたら先端が赤く光っていた。
これはシード枠が決まったっぽいな。
『くじを引いてシード枠を手にしたのはハク選手です!! そしてこのシード枠は次の試合ではなく決勝までのシード枠なのです!!』
……え、戦えないの?
「残念じゃったのう、主」
「リオン……試合おつかれ」
「なんも疲れとらんわい、手応えが無さすぎて儂はあくびが出そうじゃった」
『リーグ表はこちらになります!』
第6試合目
リオンvsオルガ
第7試合目
マインvsリュート
シード枠
ハク
「あの小僧か……ちと痛い目見せんとな」
「やりすぎるなよ、リオン」
「僕はあの勇者くんか〜」
「不安か?」
「ううん……大丈夫! 応援してね」
「当たり前だ、大事な仲間だぞ?」
「だ、だいじ!? そ、そうだよね……」
リオンは殺る気を出していて、マインは顔が赤くなってた。
よく分からん。
次の試合は10分休憩を挟んでからスタートするらしいから、リオンと俺とマインはとりあえず屋台の飯を食べた。
だってこの後は仲間が試合だし、それ終わったら決勝で時間が無いから……仕方ないよね。
リオンが俺の食べ物をつまみ食いしていたからケツを蹴ってやった。
お待たせして申し訳ない
はい、どぞー