闘技場イベント
「ええええええええ………」
「どうかしたか、ヌシ!」
「いや、え……なんで俺の従者に?」
「あんな凄い戦いしてるヌシを見たらもういてもたってもいられなくてさ!」
「あ、ありがと」
「俺っちにも戦い方を教えてくれ〜」
ーレッドゴブリンに名前をつけてください。
名前か……それもそうだよな、レッドゴブリンは種族名なだけであって個体名じゃない。
俺は琥珀っていう個体名を持っているが、種族は人間だ。
人間と呼ばれてあまりいい気はしないだろうし、早速つけちゃおう。
「お前の名前はフェイだ、よろしくな」
「フェイ!! ありがと〜」
「そして戦い方とかは教えてやれる時間がないから適当に武器を置いてく。 色々使ってみて使いやすい武器を選んでこの山でひたすら戦闘しろ。 死ぬな、これが命令だ」
「実践でしこたま戦って成長しろよってことか! いいなー!」
「これは回復ポーションだ。 HPがマズいと思ったらすぐ使え、出し惜しみは絶対にするな。 この山で最強を掴み取るんだ、いいな」
「うし、分かったぞ! がんばってくるーーー」
そう言って大量の武器を持って走り去ったフェイの背中を見つつ、すぐ始まりの街に帰ってログアウトをする。
「ただいま〜」
「おかえりなさいませ」
「ノアさん、ただいま」
今日も学校が終わって無事家に帰宅。
本当に舞音が居てくれて助かることが多いよ。
骨折してるから不便すぎるんだよな。
まだ利き腕じゃないから食事とかはフォーク使ったりスプーン使えば大丈夫なんだけど、移動教室の時とか荷物持たなきゃだしな……舞音は舞音で自分が悪いと思ってるのか色々やってくれてるけど本当に助かるわ〜。
でも舞音のせいじゃないんだけどね、あんまり責任感とか感じなくていいのに……今度言ってあげようかな。
そもそもあの時って舞音のことを襲おうとしたあのバカが悪いだけであって、そこにたまたま舞音がいてたまたま舞音が襲われたのを見かけた俺がたまたまその場にいたので何とか助けに行こうとして間に合ったわけだからこそ、この結果に繋がった。
別にこれが舞音のせいだとは誰も思わないんだけどね、舞音が同じ学校になってから同じギルドになってから結構な時間を一緒に過ごしてるけど、結構責任感とか強そうなんだよな……それで抱え込みすぎて精神的に倒れなきゃいいけどな。
ちょっとだけFWやって時間が来たからご飯を食べて休憩後もう一度FWにログインする。
ー21時になりました、これより第1回闘技場イベントを開催します。
ールール説明を行います。
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よし、長いルール説明が終わっていざ始まる。
参加を希望したプレイヤー、NPCは青い光が身体中に放たれて転移する。
目を開けると縦横30メートルの何も障害物が無い所……ドラゴ〇ボールの武道会ステージみたいな。
初戦の相手は……西洋の剣か。
ー3……2……1……start。
まずは相手に向かって走り出す。
上から振り下ろすフィントをかけて一気に膝を曲げて姿勢を超低くする。
がら空きになった喉に向かって剣を振る。
試合結果10秒。
勝者、ハク。
「こんなもんかー」
ほい