赤……ゴブ……くん?
放たれた弓を宙で横回転して躱す。
手斧を持って勢いよく突っ込んできたレッドゴブリンの喉を突く。
そのまま後ろにいるレッドゴブリンの足を払う。
転ばせた赤ゴブの頭を突こうかと思ったら横から矢が飛んできたのでバク転をしながら回避する。
目の前にいる赤ゴブの頭を横殴りして後ろの赤ゴブを棒で突く。
飛んできた矢を腰を反らして避けては近くの赤ゴブの頭を蹴る。
剣を振り下ろされれば受け流して後ろの赤ゴブに剣を当てるようにする。
弓矢がちょくちょく飛んでくるのがウザったいので包囲網を抜けて弓を持ってる赤ゴブを速攻で倒しに行く。
途中で剣や斧を振られるが無視して回避しつつ前に前に抜けていく。
そうして辿り着いた弓矢持ち赤ゴブを頭を棒で殴っては突いてをして倒す。
弓矢持ちを最優先で倒していけば残りは近接のみ。
次から次へと出てくる赤ゴブから繰り出される剣や斧の振り下ろしや横払い、斜め切りなどを避けて避けて隙を突く。
回避、回避、回避、突く、回避、払う、回避、殴打、回避、突く、突く、突く……これを2時間続けた頃には赤ゴブの数は1桁になっていた。
「グ、グギャ!!」
「ラスイチ」
最後の赤ゴブの頭を突く。
最後の赤ゴブがポリゴンとなって散った。
「いや、流石に疲れたな〜」
そういえば刀みたいな剣も使ってみたいからちょっと頑張ってみよう。
「色々な使い方してみたけど、結構いい感じだね、あとは明日に備えて寝ておくか」
あとはマインやリオンがどんな手札を持ってくるかってとこだな……リオンは格闘でマインは魔法か……格闘は心得があるとしても魔法はどうしたらいいのかな……避けれるもんなのかどうか分からないな。
それにマインとリオン以外にも強い人がいるかもしれない、そっちはそっちで対策したいけど相手がどんな武器を使うかどうか分からないから考えても仕方ないな。
予選はルインに渡された刀のような剣……反りがなくただ真っ直ぐで片刃……で頑張るとして、本戦は棒で幻術をガチガチ使っていこう。
アイテムも持っていける。 回復ポーション、MPポーションは1試合5個ずつ。 その他アイテムは1ストック、99個まで。
矢に関しては幾らでも持ち込めるらしい。
矢は攻撃手段であるからして、例えば50本しか持ち込めないとするなら剣を持つ奴も50回しか振れないようしろだとかなんだとかでクレームを入れた奴がいるらしいんだが、運営はそれに対して納得したのか何本でも持ち込めるようにしたんだとか。
「よし、寝るとするか」
「グギャ」
「いやいや、読んでないんだけどな……赤ゴブ君」
「グギャギャ?」
「ん?」
「グギャ?」
「なぁ、赤ゴブ君」
「グギャ」
「もしかすると……言葉わかる?」
「グギャギャ」
赤ゴブ君は俺の言葉を理解しているのか、顔を大きく上下に動かし頷いていた。
「グギャギャ」
「うーん……言葉分からないし、眠たいんだよな、取り敢えず握手でもしておこうかな」
俺が手を差し出すと赤ゴブ君も俺の手を握り返してくれた。
ーレッドゴブリンを従えました。
………………え?
タイトルはそゆことや
あぁーーーーー新しい仲間なんて考えてなかったのにーーーやっちまった