探索がどれだけ大変か知ってっか?
「いやーよく寝たー」
「あらあら〜おはよう、ハク」
「あれ、セシルが本邸の方にいるなんて珍しいね」
「ここでゆっくりする時もあるのよ〜」
そういえばセシルの事を呼び捨てだったりするのは仲間なんだからっていう理由だよ。
アルカさんはって?
アルカさんは最初の方からお世話になってたからなー今更って感じするしさ、いいんだよ。
アルカさんも気にしてないしね。
「みんなは?」
「アルカはお仕事、ジークはお店でハルは畑。 ルインは鍛治場に籠ってるわ〜」
「みんなよくやるね〜」
「ハクは少し寝すぎなのよ〜」
「だって自室がめちゃめちゃ気持ちいいんだよね〜」
「分からなくはないわね。 ワタシもそろそろ調薬室に戻るわね」
「あ、そうだ。 今日は探索の気分だからなんかいいアイテムあったら持ってくるよ」
「それは助かるわ〜」
というわけで今日は探索ですよっと。
始まりの街から順番に端から端まで探してみていいアイテムがあれば回収って形だね。
始まりの街を左に行くと草原エリアだが、ここはアイテムが取れなくてチュートリアルマップみたいなものだと公式から発表されてるらしい。
てことはその奥の森エリアだね。
実はこの森エリア一直線に突っ切って第二の街に行くだけだったらまあまあの時間で行けるけど、端から端まで探索するとなったらかなり時間を食う。
簡単に見つけられるもんなのかと思ったらそうでも無くて見分けが全然つかないのね。
そうして探すこと約2時間。
ースキル【薬草知識】を獲得しました。
ん……どれどれ。
ー【薬草知識】ー
薬草の違いが分かるようになる。
ふむふむ。これは美味しいスキルだね。
じゃあもう1回最初から探索して拾える限り拾ってみようかな。
そして再スタートの位置について探すこと数分。
「おぉ、めっちゃ分かるぞ。 雑草は普通だけど濃い緑色をした葉っぱのもあるな。 これは薬草なのかな……わからんけど取っておくか」
探しておくと結構あるんだな……お、またあった。
そうやって採取しておくこと数十分、濃い緑をした薬草とは違う色の下薬草を見つけた。
「これは黄色い花の薬草か……おぉ、群生地か知らないけどいっぱいあるな。 取っておこう」
ちょっとずつテンションが上がり始めてブチブチと薬草をちぎっていくのに夢中になってた俺はふと時間を見たら夕飯の時間が迫っていたので一旦夕飯を食べにログアウトする。
パパっと夕飯を食べて風呂に入ってまたログインする。
「さ、つづきをやりますか……お、また黄色い花があるな。 むしり取ろう」
夜の森はかなり見にくい。
だから見逃してはいけないと思って匍匐前進してるかのようなスピードで、牛歩でもしてるかのようなスピードで進む。
「ウルルルル」
俺がゆっくり歩いてると前からウルフがやってきた。
確かこの森夜になるとウルフが出現するらしい。
「とはいえ今更ウルフが来てもなぁ……裏拳からの蹴っ飛ばしで終わりっと」
つづきつづき。
お、紫の花だ……これも新しいな。
よく分からないど色々あるから楽しい……そういえば今時間大丈夫かな。
げ……もうこんな時間か。
取り敢えずマップに探索済みの印つけてセシルの所に行ってアイテムを渡したらいい時間かな?
そんな訳でギルドホームに一旦戻ってセシルの調薬室に行く。
ーコンコン。
「入って大丈夫よ〜」
「セシル、今日の探索で手に入れたアイテム渡しに来たよ」
「あらあら〜」
ー薬草×99
ー薬草×99
ー薬草×99
ー麻痺草×25
ー毒草×5
「あら、麻痺草に毒草なんて初めて見たわ〜」
「めっちゃ探索したらあったよ」
「それに薬草もかなりの量ね。 もうすぐで在庫尽きそうだったから良かったわ〜」
「在庫尽きるってハルが薬草育てたりしてるんじゃなかった?」
「それもそうなんだけどね〜ちょっと効果高めのポーション作ろうと思ってて色々実験してるのよ〜。 そうするとすぐに在庫が尽きそうになっちゃうのよ」
「実験には大量のアイテムが必要だもんね、仕方ない」
「でも本当にありがたいわ〜。 毒草と麻痺草に関してはハルに渡してもらった方がいいかもしれないわ〜」
「確かに、上手くいけば増やせるからね。 渡してくるよ」
そう言って調薬室から出てギルドホーム裏の畑に足を運んだ。
探索は地味だよ、でもおもろいのよ
誤字報告してくれた人まじサンキュー!!
ぽまえら大好きだぞ