King&King
設定なぞ死んでしまえ!!!!
King&King通称【キンキン】。
剣士・魔法使い・ヒーラーの3人1組のバトロワ。
キャラメイクは自由自在に性別を変えることも出来る(声帯は無理)。
表示されるステータスは2つだけ。
体力を表すHPバーと自分の得物を使う際に消費されるSPバー。
剣士なら剣を振るった時、魔法使いなら魔法を撃った時、ヒーラーならヒールした時と武器で攻撃した時。
SPバーを管理しながら戦うバトルロイヤルである。
マップは3種類。
西洋の城下町・森林・高層ビル。
ゲームモードは3人1組のトリオモードか1人のソロモードの2つのみ。
ーKing&Kingを起動します。
機械音が頭の中に響く。
目を閉じてもう一度開けばそこはキンキンのロビーだった。
FWに長くいたからキンキンは久しぶりだ。
おっさんみたいなアバターも久々だな。
「早速やりますか……ソロモードで片手剣の剣士っと」
ーマッチングしました。
ー開始まで3・2・1スタートです。
そうしてロビーにいた俺の体は転送された。
「今回のマップは森林か」
「出たな【遊び人】! 俺と勝負だ!」
右から片手剣を持って突撃してくるやつが現れた。
「やめてくれよ、その二つ名……恥ずかしいよ」
相手からの攻撃を受け流した後すぐさま首を切る。
「グハッ」
相手はポリゴンになって消え去った。
「次は俺だ!」
「いや、俺だぜ!」
「一気に攻めちまえ!」
次々に俺の周りから姿を現してくる人達。
King&Kingのソロモード。
トリオモードと同じマップの広さがありつつ人数変わらず60人。
スポーンもある程度間隔あけなきゃいけないのでこうやって音を立てたり声をあげれば次々襲いかかってくる奴らが現れる。
「皆の者であえであえー」
「であえじゃねえだろうーー!」
ぞろぞろと集まってはみんなで剣を振り回す。
俺の事を集中的に狙ってくる集団……ここぞとポイント稼ぎで暴れる奴もいるしコソコソと首だけを狙う奴もいる。
「ズドーーン!!!」
俺の横に大きな火の玉が着弾した。
「やべーぞ! 魔法使いだ! 殺せ殺せ!!!」
「「「殺っちまえ!!」」」
ここに魔法使いvs脳筋剣士の戦いが始まった。
キンキンのソロモードにこもってる奴らは異常だという認識が俺の中にある。
無駄に陣形組んで戦ったりしてくる節がある。
その上SP管理が上手すぎてあんまり隙がない。
魔法も魔法で的確に狙ってくるし脳筋剣士共は猛者だよ。
剣で戦うことに費やしすぎて普通の人よりも数段強いんだよな……ソロモードは本当に荒れてるよ。
「おらぁ!! いくぞ! ばん○い!!」
「やられてたまるか! 極○魔法!!」
言っても意味ないこと言ってるし……魔法使いの中で風使いは結構厄介だって言われてるんだよな。
風を発生させることが出来るんだけど、その風を刃としても扱うことが出来るし移動時の際も使ったりできるからちゃんと扱える人は結構少ないらしい。
え、なんでいきなり風魔法の話をするんだよって思ったそこのあなた……今まさにおそわれてるからですよ!!
「やっと会えた〜【遊び人】くん」
緑の髪色をした女性が俺の事を執拗に狙ってくる。
「俺は会いたくもないかな〜なんて言っちゃったり……」
ーズサンッ。
俺の頬を風の刃が通った。
「アカネちゃんはずっと会いたかったんだけどな……そんなこと言うとは思わなかったよ」
こうして言ってる間にも2つの風刃が俺に向かってきたので剣で受けきる。
「お前に狙われたかねえよ! じゃあな!」
そう言ってすぐにその場を去る。
アイツも魔法使いだから脳筋剣士共に狙われるから俺の事をすぐにおってくることなんて出来ないだろうに。
「地獄に落ちろ【魔女】」
1人の脳筋剣士が隙を見て飛び出したが……。
「アカネちゃんは天国ですよっと」
風刃が放たれた。
そうしてまた1人の脳筋剣士がポリゴンとなって散った。
「全くどいつもこいつも何にも変わってないんだから面白いよな」
「うんうん、確かに本当に面白いゲームだと思う」
俺は今木に登って上から観察してる。
「いつこのゲームに戻ってきたの? 【遊び人】君」
「今日だよ」
「そうだったのか……ところでそろそろ戦わない?」
「ちょっと無理かも」
木から飛び降りてすぐさま逃げる。
さっきはアカネちゃんという【魔女】に会ったし今度は【隠者】に出会うって何事よ。
明るい紫の髪をしたユウというプレイヤー。
軽い身のこなしで忍者と名付けそうだったが片手剣で急所を狙って相手を殺す事から暗殺者とも言える事から【隠者】と名付けられたプレイヤーだ。
さっきの魔女もそうだし二つ名持ちプレイヤーはこのゲームだと珍しい筈なんだけどな……なんで俺がやった日に限っているんだよ。
走って逃げてる訳なんだけれども……どこに行こうかな。
「ねぇ、どこに行くのさ。 僕とも遊んでよね【遊び人】君」
気づけば横に並行してる【隠者】がいた。
横薙ぎが来たからなんとか一回転半捻りを成功させてもう一度走ろうとした矢先に大柄な男が目の前にいた。
「おらぁ!!」
二振りの剣を片手剣で受け止めたけど勢いは消せずにそのまま吹っ飛ばされた。
【隠者】は普通に避けきってたよ。どうなってんだアイツは。
「久々だなぁ【遊び人】よ!! 【隠者】もいたから纏めてなんて思ったが無理だったか」
「軽トラでぶつかられた気分だよ【野猪】」
「 グハハハ!! いい気分だろう!」
「なわけあるか。 でもまぁ戻ってきたなっていう感じはするよ」
「もうー僕も入れてよね」
会話だけ聞くと暖かいようにも聞こえるけど、音がやばい。
剣と剣がぶつかり合ってる金属音に周りでは魔法が飛び交ってる爆発音やらなにやらで騒々しい。
「まあ楽しくなってきたじゃんか!」
「そうだぜ! やりあ」
そこまで言って【野猪】はポリゴンになって消えた。
「アカメちゃんの事仲間外れにしたらいけないんだぞ〜」
「僕もいるんだけどな」
何故か2人がかりで俺は相手をしてる。
「お前ら相手じゃ疲れるだろうが!」
「楽しくないって言うの?」
「え〜アカメちゃんショックなんだけど」
ここは引くしかない!
「あ、でっかい鳥が」
顔を風刃でやられました。
1回暗くなってロビーに戻った。
久々のマッチでアイツらと会うと思わなかったよ。
また会うと面倒だから次のマッチにさっさと行こうかな。
あーーーーストックないよ、でも更新止まらないよ……指が指がァァァァァァァァ