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FreedomWorld  作者: 豚野郎
23/115

ギルドメンバーのいつも

ーガラガラ。

「やあやあ、ハク君。 今日ものんびりしてるね」

「お、アルカさんじゃん。 どうかしたんですか?」

「これはなーんだ?」

そう言ってアルカさんが見せたものは1枚の葉っぱだった。

「そ、それは……」

「緑茶を作れる茶葉だよ」

「生産できるようになったんですか!?」

「たまたま素材を売りに来たプレイヤーさんが拾ったらしくて買い取ったんだよ。 ハルちゃんに量産出来ないかって相談してやってみたらやっと採取できるまでに育ってね……数は多く出せないから私たち【高天原】だけで楽しもうかってなったの」

「なるほど……いいですね。 ハルにもお礼言っておこうかな」

「うんうん、ハルちゃん喜んでたからいっぱい褒めてあげて」

「アルカさん最近調子どうですか」

「やっとのことで商会を更に大きく出来そうだよ」

「それはいいですね。 頑張ってくださいね」

「任せてよ」

「それじゃあ俺はハルの所に行ってきます」

「私は急須作ってくれる鍛冶屋ないか探してくるよ」



俺はアルカさんにヤラバさんの所に行くといいよとだけ言ってハルの畑に向かった。

「おぉ〜緑1面だ」

広大な畑を歩いてると前方から白髪の美少女がこっちに走ってきてるのを見た。

「ハ、ハク……はぁはぁ」

「そんな急いでこなくてよかったのに」

「お、お礼を言いたくて……」

「お礼?」

「うん、畑をたくさん増やしてくれてありがとう。 ハクのおかげで量産ができるようになったよ」

「俺は畑を買っただけだよ。 それを管理してるのもぜーんぶハルなんだから……それと緑茶の茶葉ありがとう」

「ハクなら飲むかなって思って……」

「めちゃめちゃ欲しくて助かるよ!! ありがとな」

ついつい嬉しくてハルの頭を撫でてしまった。



「あ……ごめんね」

「う、ううん……嬉しかったよ。 わたし一人っ子だし友達もいなかったから、【高天原】に入ってアルカさんにジークさん、セシルさんにハクくんと出会えて凄く嬉しい。 畑の事やってて喜んでくれる人が身近にいるんだもん、嬉しくないわけないよ」

「そう言ってもらえて嬉しいよ。 ハルはなんだか妹みたいだからな」

「わたし……妹?」

「俺も一人っ子だから分かんないけどね。 いつでも頼ってね」

「うん、頼る! ハクお兄ちゃん」

「こそばゆいね」

頭に手を当て恥ずかしがる俺だった。

その後ハルと一緒に畑を見て回ることにした。

今は畑数がかなり増えてる状態で1人で回しているが、これよりも増やすことになったら少し厳しい状態になるかもしれない。なので農業ギルドでNPCを雇ってもいいかどうか相談してくれたけど、全然いいよって言っといた。

ハルが品質を他の人よりも高くしてる理由としては腐葉土を使ってるらしい。ただの腐葉土じゃなくてハル独自が開発した新しい腐葉土らしくて作るのには結構な時間がかかったとか。



あとは畑に与える水なんだけど、そこは井戸を買った。これで汲みあげれば水の心配は無いのと同時に井戸で試してみたい事があるって言われたので見てたら、ハルがアイテムを投入してた。

「今のは?」

「わたしの開発したアイテムを投入してみた。 ただの水を良水といってただの水より1ランク上の水に変えるアイテム。 井戸だとどうなるか心配だったけどちゃんと汲み上げる水が良水に変わってたから良かった」

「それは凄いね。 スプリンクラーとかあればいいんだけどね」

「農業ギルドのランクを上げると買えるみたいだからその時頼んでもいい?」

「全然いいよ」

その後ちょっとしてまた自室に引きこもった俺だった。



ーガラガラ。

「ハク飯食べようぜー」

「オッケー」

「また寝てたのか? 好きだな」

寝ていた体を起こす。

「やかましいわ。 この和室は最強だから」

起こしに来たジークと一緒に下に降りてリビング的なところに行くとみんな集まってた。

なんでも今現在の報告をしたいらしくて集まってるんだって。

「報告って誰に?」

「一応ハクは俺たちのギルドマスターだからな、ギルドメンバーの現状を知っておくべきだ」

「なるほど、一理ある」

「じゃあまとめたから話していくよ。 まずはハルちゃんの畑に関して、新たにNPCを雇ったから効率よく量産できてる。ちゃんと安定化してきたよ。 次にセシルは調薬が上手くいってて効果も他のより良い。 私の所で扱ってる商品になってて売上もかなり伸びてるから回復ポーションだけでもまだやっていけるよ。 ジークさんのお店も比較的安い値段で美味しい料理を提供してるからプレイヤーからは結構人気を出してるね。 アプデで空腹値が追加されたから今までよりも更に人気出てくると思う……こんな感じかな」

「みんな上手くいってて何よりだね。 掲示板をちょっと覗いて見たけどジークの飯屋もアルカさんの商店も凄い人気なんだね……ジークの飯はいつも食べてるけどアルカさんの商店ってどんな感じなんですか?」

「私の所は幅広く商品を扱ってるからね……セシルの作ったポーション等、ジークさんの簡易料理、プレイヤー達から買い取ってる素材を工夫して売ってみたり……最近だと私の所で武器や防具を売ってくれって言われててね」



なんでも自分たちが作った武器や防具を売るなら人気のアルカ商会でっていうことらしいんだけど……。

「選定がなかなか難しいんだよね。 あまりパッとしない性能ばっかだから店で出しても売れるかどうか……」

「まあ焦らずにゆっくりやっていきましょうよ。 セシルさんは調子どうですか」

「さっきアルカが言ってたけれどワタシは順調よ〜。 ポーションの売れたお金が何割か私の元にも入ってくるからそのお金で設備をランクアップしているわ〜」

「よかったよかった。 みんなが楽しそうにしてるのを見るのが1番だよ」

「まずは腹ごしらえだな」

ジークが作ってくれたご飯がテーブルに次々置かれる。



「角うさぎのステーキだ、今回のも美味いぞ」

色々みんなから話を聞いていると共通点があった。

料理も調薬も少しの加減で品質だったり効果や美味さが変わってくるらしい。

今回のステーキも食べてみるととても美味くてがっついた。

「めっちゃ美味いこれ!」

「焼き加減が絶妙でな、0.1秒違うだけでも変わってくるんだぜ。 それにな塩もちょっとの量で一気にしょっぱくなるもんだから簡単な料理に見えて結構難しい。 でも俺の料理を食べて喜んでる顔が俺にとっては最高の喜びだよ」

「私もジークさんのご飯が大好きだよ。 この味は何度も食べたくなるよね!」

「ワタシもジークさんのご飯がこのゲームでの楽しみの一つになってるわ〜」

「わ、わたしも好き」

「そう言ってくれてありがとな!! アルカ嬢、おにぎりだ。 持っていってくれ」

「んー! 助かるよ。 あんまり無理しすぎちゃダメなんだぞー」

「空いてる時間で作ってるから大丈夫だよ。 最近はハルちゃんに農業教えてもらっててな、これが楽しいのなんのってな」

「あら、それって1番端っこの畑のことですか〜?」

「そうだぜ。 俺の料理で使う物が気になってな。 ちょっとずつ教えてもらってんだ」

そうやって5人が集まってワイワイする時間が幸せな一時でもある。



ーガラガラ。

「主、今いいかのう?」

「リオン、どうかしたの?」

最近リオンは自由行動をするようになった。

俺がこの部屋に引きこもってるせいでもあるんだけどさ……。

各種エリアや運び屋の依頼等やってくれてる訳だが、そんなリオンが面白い話を持ってきた。

始まりの街で久しぶりに運び屋ギルドの依頼をやっていたところヤラバさんの鍛冶屋に行くことになったそうだ。

そこでヤラバさんと他愛もない話をしていたらしいんだけど……ヤラバさんに弟子が出来たらしい。

その弟子は基礎的な部分から吸収させているがそろそろ1人修行をやらせたいとのこと。

そこでウチで使ってくれないかという話をされたらしい。

「ヤラバさんが俺たちにか……うーん」

「その小童異界人らしいぞ」

「え、そうなの?」

「うむ」

「じゃあリオン迎えに行ってくれる? ギルドに入れるよう許可しておくのとみんなに一報入れておくね」

「感謝するぞ、主」

そう言ってすぐ俺の部屋から出ていったリオンだったけど、なんであんなに笑顔だったんだろう……気になるな。

あとあと聞きました。

リオンはヤラバさんと気が合うらしくて今ではお酒を飲む良き友人らしい。

俺の所にいたらそら酒は飲めんか……ははーん。

会った時にリオンのケツを2発蹴っておきました。

ほのぼのした感じのVRMMORPGもいいよな

てか、戦闘だけがゲームじゃねえぞってな!!

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