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02.真夜中の訪問

本日2話目です

とある日。


真夜中に孤児たちは叩き起こされた。なんでも、お金持ちの人が身請けをしに訪ねてきたらしい。慈善事業の一貫だから選ばれた孤児は裕福な暮らしを得られる。その事もあって孤児たちは歓喜にわなないていた。


その中でも黒髪の少女を連日痛めつけていた青年、そう「ムハイ」は自分が引き取られるのだと息巻いていた。たしかに彼の透き通るような白髪は美しく、顔のバランスも綺麗だ。すでにいくつかの所から身請け話も来ていたが、自分に釣り合わないと断っていた。


しばらくして、1列に並ばされた孤児たちのまえにそのお客がやってきた。女職員が思わずほぅ…//とため息をつく。それ程までに彼は美形だった。


首の後ろで緩く結ばれた、壊れかけの孤児院の電灯の光を反射してきらきらと光っている豊かな金髪。

見たものを虜にする少し長い前髪に隠れた蒼玉のような青い目。涼し気な目元。

病弱さを感じさせる長身で細い体つきだが、そうでないことを示す彼のピンと伸びた背中。

所々に金の刺繍がしてあることから裕福な暮らしなのが見て取れる黒を纏った衣服。

それらの事から彼が来ただけで大きな反響をよんだ。


惚けていた職員は我に返ると慌ててムハイを彼の前に立たせた。


「お客様、こちらの彼はどうですか?」

「………他に、居ないのか。」


ホッと見惚れる程の美声に誰しもが息を飲む。

その一瞬の静寂を押しのけてムハイは叫んだ。


「はぁ?!俺はいろんな所から引く手あまたな人材なんだぞ?!顔もいいし頭もキレる!なんで俺を選ばないんだよ!!」


「………」


「お、おい!誰かアイツを奥に連れて行け!」


ムハイの言葉に眉を潜めた客を見て職員がムハイを奥の部屋へと連れ去った。

その間も、客は一人一人孤児を物色している。

その視線は、1人の少女で止まった。


「君、こっちに来てくれるかい?」


「は、はい…!」


奥の方に目立たないように立たされていた少女は体を強ばらせながら客の前に立った。


「名前を教えてくれない?」


「あ、えっと…ハルア、です。」


小さい声ながらもしっかりと客の問いに答えを返した少女ーーーハルアの黒髪を客は優しく撫でると、職員に向けて言い放った。


「この子を引き取るよ。」

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