今日どうしたんだ?
久川さんとLINを交換した翌日。俺はいつも通り教室に向かう為踏みなれている渡り廊下を歩く。
「……?」
俺は違和感を抱く。いつもならこのくらいのタイミングで久川さんが後ろから声を掛けてくるはずなんだけど。俺はスマホを取り出しLINを起動してトーク一覧から久川さんの名前の欄をタップする。
LINを交換した昨日。さっそく彼女から連絡が来た事に昨日は驚いた。タップして内容を見てさらに驚く。
こんばんは。早速連絡しちゃった♡
今日はなにも情報入らなかったけど
めげずに明日また頑張ろう。ファイ
トー(^^)/ じゃあ(つ∀-)オヤスミー
本当に驚いた。まさか久川さんが絵文字を使うなんて。しかもハ、ハートマークとか。昨日この文面を見てどれだけドギマギした事か。取り敢えず、当たり障りのないよう、『はい。明日も頑張りましょう。それではおやすみなさい』とだけ打っておいた。
流石に失礼だったかな。と後悔した。絵文字が無いと素っ気ないな。今度から俺も絵文字を使おう。流石にハートマークは無理だけど……。
「……本当に今日どうしたんだ?」
俺は教室の前に辿り着き俺はそう呟く。こんな事初めてだ。遅刻、もしくは休みか? 俺はもう1度スマホを取り出してLINを起動させる。そして久川さんとのトークを開く。開いたのはいいけど、ここからどうすんだよ俺? 『来てないみたいだけど、今日休み?』って聞くのか? いやいや俺ただウザいだけだろ。友達とはいえ相手は女の子だ。好きでもない男に聞かれても不快感を与えるだけだろ。
俺は文章を打つのを諦め俺は教室の扉を開けて中に入る。教室に入って俺は辺りを見回す。もしかしたら久川さんが先に来てるかもしれないと思ったからだ。だけど、いくら見回しても彼女の姿が見当たらない。
「今日は休みなのかもな……」
俺は少しばかり寂しいと感じながら自席へと向かう。そして始業のチャイムが鳴り響く。暫くして教師の金田が入ってくる。
「皆おはよう。と、なんだ……今日は久川がいないか。連絡来てないな。最近の子は全く……」
その後も金田はブツブツと呟いていたが、俺はそれどころじゃなかった。久川さんが学校に来てなくてしかも連絡も怠ってる。そんな事あり得るだろうか? まぁまだ寝坊という線もあるけど。などと俺が思っていると、黒板側の出入り口の扉が勢いよく開かれる。
「――っ」
見るとそこには鬼原が余裕のない様子で立っていた。
「鬼原。お前珍しく朝から登校か……」
金田は鬼原の顔色を窺いながら言う。対する鬼原は金田を血走っている目で睨み付ける。
「おい。奈津から連絡あったか?」
金田は鬼原の問い掛けに身を縮み上がらせると、首を左右に振る。
「そうか……ん?」
鬼原はそう言って周りに目を向けた。そして俺と目が合うと
「おい。あ~、名前なんつったっけか?」
「蓮本、龍……だけど」
「おい蓮本、ちょっと来い」
鬼原はそう言うと教室から出ていく。俺も席を立ち上がり教室から出ていく。




