4.イライラですが、なにか。
「私で女の子に慣れるってのはどう?
学校には黙ってて貰う代わりに」
彼は頭を抱えて私を観てくる。
ムカつく。
「いや、黙るも何も、未遂だろ……?
言う気ないぞ?」
と、本気で困っている士道君。
確かに言いそうにないが、先生に聞かれたら真面目に答えそうだ。
それは回避しなければらならない。
「取引しない相手を信用できるほど、私は甘くないの。
しどーくん、良く考えてみて?」
彼の胸に人差し指をあてながらクリクリとする。
そして、上目遣いで見てあげる。
女の武器は使いようである。
「このまま士道君は女の子に免疫がないまま過ごしていくの?
経験がないと悪い女の子につかまっちゃう未来しか見えないんだぞ?
食べられて、旨い事搾り取られちゃうって寸法よね」
「君みたいにか?」
内心イラッと来た。
だから、観られないようにタオルの中に隠しといた携帯を弄る。
「私はボランティアよ、ボランティア。
ただ、黙ってて貰えれば、女の子の事を教えてあげるって訳」
「それはボランティアとはいわないだろ……」
「良い案だと思うけど?
ほら女の子のや柔らかい所、触る?」
私のは大きい方だ。
クラスの方では二番目ぐらいある筈だ。
一位は規格外なので、実質一位である。
「だから、自分を大事にしろと……!
って、て!」
「ほら柔らかいでしょ?」
「や、やめろよ!」
彼の手をもって右手で持ってタオルの上から押し付けてやる。
赤くなって手を放そうとするが、押さえつけてやる。
そして、
パシャッ!
写メを取ってやった。
ツーショットだ。
「はい、不純異性交遊」
「な!」
「ほら、悪い女の子につかまっちゃった。
これどーしよーかなー、ふふー。
バレたら退学だね、お互いに」
ニヤニヤ。
ちょっとイラつかせてくれた意図返しだ。
大人しく私の提案に従っていれば、こんなことなんかしなかったのに。
「大人しく女の子を教えられなさいって。
そうすればお互いに退学しなくて済むんだぞ?
士道君は得しかないでしょ?」
「く」
彼は苦い顔をして、
「はい……」
と述べてくれた。
やったぜ。
「女の子って柔らかいでしょ?」
「……あぁ」
っと、意識させる。
だが緊張しているのか手が固い。
マジメガネすぎる。
「女の子触ったことないってマジなのねー」
「嘘つくわけないだろ、自分が……」
「ほら、もんでみ?
ほらほら」
が、ピクリとも動かない。
私の魅力が足りないのかと、少し自信が無くなる。
「揉めって言ってんだよおおおおお!」
流石に切れて良いと思う。
女に恥をかかせる男は最低だと思う。
「はぁはぁ……。
女に恥をかかすなああああああああああああ!
私が許可してんだよおおおお!」
重要なことで二度叫ぶ。
「なんだか、ごめん……
初音さんは慣れてるのか?」
謝られて毒気を抜かれる。
「そりゃビッチですし?」
「自分でビッチっていうのはどうなんだ?」
「べつにー、じじつだしー」
揉んでも減るモノではない。しかもタオルの上からだ。
ちゃんと揉んでくれれば気持ちいいし、プラスだ。
女の子だってちゃんとしてくれれば気持ちいのだ。
「やっぱり、少しずつ慣れた方がいいわよー。
ちょっと動かしてみ?」
「では」
モソっと動いた。
小さな動きだが、彼にとって大きい一歩だ。
「どう?」
「何というか、凄く柔らかい。
マシュマロみたいだ」
改めて言われると、ちょっと恥ずかしくなる。
そんなわけで、私の彼の歪な関係はこんなことで始まったのだ。
と言っても、それ以上、動き一つ何も進展なかった訳だが。
マジメガネすぎる。
「あぁ、もうじっとしてろ!
マッサージしてあげる!
女の子という奴を脳裏に叩き込んであげるわよ!」
っと、イライラしてきたので彼の下に手をはわせる。
「お、結構大きいじゃない……」
というか今までで一番大きい気がする。
「や、やめろ!」
「といいつつ、息が途絶えてきたわよー、ふふふー。
こう裏に手をはわせると気持ちいーでしょ」
ビッチにかかれば童貞など、敵ではないのだ。