冬の色
地に木枯らしが吹き渡り
空に垂れ込め雲厚く
命は深くその息を潜め
景色に漠と寂が挿す
気は澄み渡り色薄く
風は鋭く寒を帯び
舞い散り踊る
白一つ
小さく軽く
色を呼ぶ
過ぎるは薄片
続くは冷涼
地に滲みて跡
呼んでまた跡
地を覆い跡
なお振り積み白
地をなお冷まし
その色を置く
天を覆いて
宙に花咲き
風を彩り
地の色を埋め
景色染め抜き
なお宙に舞う
群れては白く
踊りて白く
舞い散り白く
地に降り白く
染めて冬色
覆いて冬色
覇して冬色
ただ冬の色
其を雪と呼ぶ
一つ色の中
赤が一輪、寒椿