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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
86/200

84 【検索】の威力

魔力剣(マジックブレード)で吸血樹の枝諸共に幹を切断した。

あっけに取られる程、簡単に倒してしまったが、これでいいのか?



「やりましたね!ソーマ様!」

「えー、終わりかよー。」

「何や余裕やったなー。魔力剣(マジックブレード)のお披露目なのにこれじゃあどれくらいの威力なんか分からんやんか。」

「でもすごい切れ味だったよ!闘気は纏ってなかったみたいだし!シュパーンって!」

「そうやろそうやろ。うちと兄ちゃんの力作やもんな!」

「にゃー。」

「あ、ああ。」


え、ほんとに?


気になった俺は倒れ伏した吸血樹を視てみる。



名前:吸血樹(ヴァンパイアトレント)【変異】

種類:トレント

等級:普通

品質:高

属性:水

説明:吸血樹(ヴァンパイアトレント)変異種の亡骸。

多くの魔力を含んだ非常に柔軟性のある木材。

吸収の特性を持つ特殊な素材。




見事に素材表示になっている。

レベルも高いし、変異種だからと身構えていたが、みんながいれば余裕を持って倒せるのか。

それとも魔力剣(マジックブレード)の威力が高かったからか?


「どうやらほんとにこれで終わりみたい。もう素材表示になってるよ。」

「お!そうなん?どないな?」

「『多くの魔力を含んだ非常に柔軟性のある木材、吸収の特性を持つ特殊な素材』ってなってる。」

「おお!特殊きたー!」

「まあ後で調べてみようね。」




思いの他、吸血樹(ヴァンパイアトレント)を簡単に倒すことが出来た。

変異種だから何か変な効果が出ないとも限らないから慎重に調べていこう。

そういえば、調べると言えば新しく派生したスキルが【検索】って名前だったな。


ピロ!


は?


電子音の様な効果音が頭の中に聞こえたと同時に横長長方形のウィンドウが表示された。

ストレージリングの中身も似たようなウィンドウで表示したり、操作したりするが、今回表示されたウィンドウには何も書かれていない。

いや、左端に縦棒が点滅している。

これは・・・、あれか?

俺の想像通りなら、キーボードがいるが・・・、出ない!

【検索】スキルのことを考えたら表示されたから、それだと思ったのだが。

と思ったら、ウィンドウに「検索スキル」と表示された。

表示と言うか打ち込まれた。

文字が表示されたら、今度は右端に虫眼鏡が表示された。

正に「検索バー」である。

しかも恐らく思考操作型だ。

早速調べてみる。


ピコ!


「検索スキル」

検索結果:

言語検索、周辺検索が行えるスキル。

レベルによって検索範囲が成長する。

該当:1件▼



おおおお!今まで推測するしかなかったスキルの詳細が分かるぞ。

周辺検索に該当があるかまで分かる。

件数の隣の▼はなんだ?

何となく想像が付くが・・・。

▼に意識を向けるとなんと周辺マップが開いた。

たぶん。



範囲が俺を中心に1mしかないけども。

マップの中心に点がついている。

【検索】スキルを持っているのが俺だから当たり前なのだが。

試しに「闘気」を検索したら、1m範囲内にいたイチとドーラの点が付いた。



「闘気」

検索結果:

魔力を纏い力にすることができるものが持つスキル。及びその現象。

身体強化、属性付与、放出、限界突破などの派生がある。

該当:3件▼



しかも、派生についても説明があった。

限界突破ってなんだ!?


後は・・・



「吸血樹」

検索結果:

別名ヴァンパイアトレント。

幾多の動物の生き血を啜り、進化したトレント種の魔物。

及びその素材。

該当:3件▼



え、3件!?



「吸血樹 素材」

検索結果:

幾多の動物の生き血を啜り、進化したトレント種の素材。

該当:2件▼



検索条件を変えたら2件になった。

と、言うことは・・・。

1件は?


残り1件の方向に視線を向けるとそこにあったのは切り株だ。

吸血樹の切り株。

というか足?

こいつはまだ生きている。

俺が視線を向けていることに気付いたのか真っ赤な切り株が地面から根を這い出して蠢き出した。



「下がれ!!」


俺が叫ぶのと同時に吸血樹の切り株が地面から飛び出し近くにいたイチに襲い掛かった。


「イチ!!」


「はい!!」


え、返事ってなんで!?


ドゴッ!!


イチは俺に返事を返すと同時に持っていたハンマーを一振りし、襲い掛かってきた吸血樹の切り株を弾き飛ばした。

弾き飛ばされた切り株は真っ直ぐゼンに向かって飛んでいく。


向かってきた切り株とゼンとシロが交差する。


闘気を纏った双剣は吸血樹の切り株を見事に4分割した。

シロの足元には紅い玉が転がっている。

何だあれ?



は!


「イチ!大丈夫か!?」

「はい!大丈夫です!」

「そうか。ゼンは?」

「だいじょうぶー。」

「シロ。それなんだ?」

「にゃあ?」

「中にあった?」

「にゃあ。」




名前:血核

種類:核

等級:希少

品質:中

属性:なし

説明:幾多の血液から力を吸収して出来た力の塊。

吸血樹(ヴァンパイアトレント)変異種の体内で生成された。




なんだかよく分からないけど、希少なものみたいだ。

説明が物々しいが魔石と同じようなものだろうか?

「力の塊」というのは魔力とは違うのか?

血液の力?

これも要検証だな。



ゼンに4分割された切り株を視てみたが全て素材に変わっていた。

今度こそちゃんと討伐が完了したようだ。

みんなに集めてもらった吸血樹の切り払った枝等の素材をストレージリングの格納する。

周辺を少し調べてみると吸血樹の犠牲になったと思われる動物や魔物の骨が転がっていた。

どの骨もボロボロで素材として使えそうなものは無かった。

人間と思しき骨も無かったのは幸いだ。

吸血樹がいた場所にはウェイブも生息しておらず、開けた場所だったため、今日はここで野営することにする。

まだ、しばらく森を抜けるのには時間がかかりそうだ。

今回は油断があったな。

次はしっかりと調べるようにしよう。

同じ失敗をしないようねな。

それでも同じ失敗をしてしまうのが、人間ってもんなんだろうけどね。

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