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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
85/200

83 吸血樹【変異】

名前:吸血樹(ヴァンパイアトレント)【変異】

レベル:28

種族:トレント族

属性:水

称号:堕落

スキル:堕落

説明:吸血樹(ヴァンパイアトレント)の変異種。

幾多の動物の生き血を啜り、進化したトレント種。

その身は紅く染まり、燃えているようだが火属性ではない。




-- スキル【鑑定眼】が成長限界に達しました

-- スキル【検索】が派生しました




「お!」

「ソーマ様。どうしました?」

「あ、いや、シロが言ってたやつを見つけたんだけどね。ついでと言うか、同時にスキルを取得できたみたいで声出ちゃった。」

「そうなんですか!おめでとうございます!」


イチはそう言って腕に抱きついて来た。

女の子に抱きつかれるのは幾つになっても嬉しいものだよね。


「ありがと。でもとりあえずスキルのことは置いといて魔物の方だね。」

「そやそや。どうなん?」


ドーラはそう言いつつ、イチを俺から引き剥がして話を進める。

もうちょっとそのままでも・・・。

いや何でもないです。


俺は見つけた魔物:吸血樹(ヴァンパイアトレント)の変異種についてみんないに伝えた。


「変異種って何や?」

「俺もよく分かってないんだけど、他の同レベルの魔物よりも随分と強くなるってことだけは確かだよ。」

「そうなんや。変異種なんて聞いたことないけどなぁ。」

「まあ、鑑定しないと分からないしね。ちなみにゼンとイチと出会った時にいたゴブリンライダーも変異種だったよ。」

「・・・!あの時の。」

「一応まだそのまま死体は保存、というか隔離して取ってあるんだけどね。素材として出すのも躊躇われて。」


というか、めんどくさくて放置してたんだけど。

あの数のウルフ種を捌くのに時間かかったし、その後も色々倒していたから、態々変なものを出す必要なかったしね。


「へー。でもウルフ種の素材だったら、別に無くてもええか。」

「ドーラちゃん、素材のことばっかりだね。」

「そりゃそうや。世の中には素材になるもんとならんもんしかないんや!」

「はいはい。あほなこと言ってないで、戦闘準備してー。」

「「はーい。」」


それぞれ自分の得物を準備する。


「あ、なあなあ兄ちゃん。あれ試してみいひん?」

「ああ、そうだなぁ。」

「どれくらい使えるかは試してみんことには分からんやろ?」

「とは言っても初めて会う魔物だし、どれくらいの強さかも分かってないからな。」

「ちょっとだけやんかー。」

「しょーがないなー。隙を見て、だよ?」

「やったー。結果が楽しみやねー。」

「まったく。」

「何の話ですか?」

「ああ、新兵器の話だよ。新武器、かな。」

「それを試す?」

「様子を見ながらだけどね。みんな準備は?」

「大丈夫だよ!」

「わたしも大丈夫です。」

「うちもー!」

「にゃー。」

「じゃあ、先制攻撃するよ。」

「「「はい!」」」





体表が真っ赤に染まった吸血樹に高速で接近する。

吸血樹は変わらずその場で静かに佇み、こちらに気付いているのかいないのか分からない。

まずはゼンとシロがそれぞれ剣と爪で斬りつける。


ゼンとシロが吸血樹の幹に斬りつけようかというタイミングで真っ赤な枝が動いた。

真っ赤な枝は鞭のように勢いよく振り回され、ゼンとシロの右側から襲いかかった。


「おっと。シールド!」


右側にいたゼンがシールドを張り、枝の一撃はゼンの張ったシールドに阻まれ2人には届かない。

ゼンとシロはそのまま吸血樹の幹を斬りつけ、更にもう一度斬りつけようとする。


「ゼン!」

「!」


シールドに阻まれた枝がシールドを回りこんでゼンとシロに向かっていた。

ゼンとシロは攻撃を切り上げ、一旦離れる。

離れ際に枝を切りつけるのを忘れない。

だが、斬撃を受けた枝は傷を負いはしたが、切断されること無く再び2人を追う。


「このっ!!」


パン!


小さな破裂音と共に吸血樹の枝が弾け飛んだ。

ドーラの練成銃の一撃だ。

動き回る枝を正確に打ち抜く程に熟達した射撃の腕だ。

いい腕してる。


ドーラの作った隙を見逃さず、イチと俺は吸血樹に接近していく。

ゼンとシロも別方向から接近する。

近づいてくる俺たちを振り払うように無数の真っ赤な枝が襲い掛かる。

3人と1匹はそれぞれ闘気を纏って、枝を迎撃し、弾き返し、切り払う。

イチが吸血樹の幹に到達し、雷を纏った強力な一撃をお見舞いした。


ドゴン!!バチバチバチィ!!!


激しい打撃音と雷撃が吸血樹を襲ったが、幹への攻撃を無数の枝で防いでいた。

枝が黒く焦げ、バキバキに折れていたが、幹への攻撃はぎりぎりで防がれたようだ。


だが、まだ終わりじゃない。


「イチ!」


イチが俺の声で飛び退く。

俺は手に持った魔法武器に魔力を注ぎ、勢いよく振り抜く。

注がれた魔力によって不可視の魔力剣(マジックブレード)が生み出され、俺の意思によってその長さを変える。

長く薄く鋭く強く作り出された魔力剣(マジックブレード)が吸血樹の幹を通過する。

魔力剣(マジックブレード)は吸血樹の枝諸共に幹を切断した。

切断されたことに気付いていない吸血樹が枝を振り回すと、その拍子にバランスを崩し、吸血樹の根(足?)と幹は離れ、ドスンという音と共に倒れこんだ。


え?終わり?

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