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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
ニューゲーム開始
8/200

7 外へ

ジェリーの迷宮から外へ出ると辺りは真っ暗だった。



「マジかよ。」



辺りは月明かりに照らされて真っ暗闇という訳ではなく比較的明るかったが、迷宮内よりも大分暗かった。

迷宮内は壁がほんのり光っていて、明るかったのだ。

そのため時間の感覚がなく、どれくらい迷宮内をうろついていたのかよく分からないが相当な時間が過ぎていたことが予想できた。



「まあ、ルームでどれくらい時間が経っていたのかも分からないけどな。」


とそう呟いて俺は迷宮に逆戻りした。

だって暗いんだもん。



男が言ってもかわいくないと言う誰かのツッコミが聞こえた気がした。

12歳の男の子ならオッケーという誰かのツッコミも聞こえた気がした。



気のせいだろう。きっと。








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








夜が明けて俺を探索を開始した。

迷宮のすぐ近くにはリコの木がたくさん茂っていた。

花が咲いていた。実はない。

おなか空いた。

鑑定眼で辺りを片っ端から鑑定してみたが、食用の植物が見つからない。



名前:シビラス草

種類:薬草

等級:普通

品質:普通

属性:土

説明:弱毒。痺れ薬の材料になる。

食べると痺れて動けなくなる。


名前:メトロケ草

種類:薬草

等級:普通

品質:普通

属性:土

説明:弱毒。毒薬の材料になる。

食べると弱毒で苦しんだ後に死ぬ。



食べられない物しか目に付かない・・・。

というか毒ばっかり。



俺は歩くしかなかった。

歩いている間、動物にも出会わなかった。

遠くで鳥の鳴き声が聞こえただけだ。

どこまで言っても森だった。

普通の森だ。

ちょっと紫色の葉っぱがチラつくが普通の森だ。

どこまでもどこまでも・・・







◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇








目が覚めると知らない天井だった。


おお、こんな経験したこと、、、何度もあったな。学校時代に。

...悲しくなってきた。



よし、切り替えよう。

まずここはどこだ?

確か空腹の中で歩きつかれて意識を失った、はずだ。

誰かが助けてくれたのか。

きっと助けてくれたのは、心優しい娘さんだな。きっと。



「お。起きたんか。」



その声と共に現れたのは、ヒゲもじゃのおっさんだった。

夢は破れた。

夢見がちのスキル効果かもしれない。

だったら何かいやだな。

失礼なことを考えてしまった。

反省しよう。



「はい。すみません。助けていただいてありがとうございます。」


「いんや。森で倒れてたから放置すんのも寝覚めがわりぃからな。気にすんな。ガハハ」


豪快に笑うヒゲだ。いやおっさんだ。


「はら減ってるだろう。これでも食え。」


渡されたのはスープだった。

でかい肉入り。というか肉しか入っていない。

肉スープだった。

俺は受け取ってすぐむさぼった。

肉の味が美味かった、と思う。

正直なところ味は覚えていないが生き返る思いだった。


「ガハハ。いい食いっぷりだな!もっとあるぞ。もっと食え。ガハハ」


明るい人だった。

誘惑に負けて3杯も食べてしまった。

ご馳走様です。




一息ついて


「ありがとうございまいました。生き返りました。何日もろくに食べてなかったので助かりました。」


「そうかい。まだ本調子じゃねえだろうし、何もないところだがゆっくりしてけや。」


「すみません。」


「ガハハ。気にすんな。」






ヒゲがすごいがいい人だった。

助かった。




ここはカリオ村という人口50人くらいの小さな村だ。

ヒゲのおっさんはゴートさん51歳、職業は狩人。

周辺の森で動物や魔物を狩ったり、木を切ったりして暮らしているらしい。

一人暮らしだ。

ゴートさんは筋骨隆々と言うわけではないがしっかりと鍛えられた筋肉をしている。

昔は傭兵をやっていた時期もあったが、肩を壊した影響で引退したと言っていた。

他にも何かあったっぽいが、にごされた。

仲良くなったら話してくれるのかな。



俺についても細かくは突っ込んでは来なかった。

魔物に襲われて、逃げている内に迷って死にかけたと説明したらあっさり信じていた。

この辺りでは弱い魔物しか出ないらしく、かなり遠くから流れてきたんだろうと言っていた。

驚いたのは、カリオ村は俺が元いた場所とかなり離れていた。

というか国が違った。

元いた国から2つほど先のトローラ王国という国だ。

結構な距離を転移したみたいだ。

この国はいわゆる中立国だ。

どことも戦争状態ではないかわりに、これといった特徴もない小国だ。

周辺国の中でも規模の小さい国で、貧乏だが安定したいい国といえた。



俺はしばらくゴートさんのところで世話になることになった。

行く宛てがないと言ったら、ここにいたらいいと言ってくれた。

仕事は手伝えよと言う事だったが、世話になるんだから当然だ。

問題は俺のレベルが今のところまだ2だと言うことだ。

歩いている間に上がったんだと思うが、それでも低い。


レベルは、農民でも5はあり、一般兵で12~15、15以上で一人前、30以上で熟練者、60以上は達人、100以上で英雄と言われている。

レベルの上限は不明で、人類史上最高はレベル100の英雄といわれている。実際の英雄はレベル130だったらしい。

普通に生活していても10歳頃にはレベル4になる。

以降は狩りや魔物討伐、訓練をしないと中々あがらないが、訓練すればレベル7くらいにはすぐにあがる。

狩りに出るにはせめてレベル7はないと簡単に死んでしまう可能性がある。

つまり今の俺は役立たずだ。

とは言え、普通に生活していれば上がっていくだろう。


とりあえず、筋トレから始めて恩返ししよう。


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