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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
ニューゲーム開始
58/200

57 2人のランクアップ試験

2人が竜殺しの称号を得たのは更に2日ほどかかった。

無事2人のステータスも上がり、レベルも初心者とは思えないくらいになった。



名前:ゼン

レベル:10

性別:男

年齢:9歳

種族:狐人

職業:奴隷、冒険者

属性:雷

所有者:ソーマ

罪科:なし

称号:(無敵無双)、(竜殺し)

スキル:

エクストラスキル

 竜殺し

説明:狐の獣人。双子の兄。

山奥で暮らしていたが、攫われて奴隷落ち。

天孤へと至る可能性を秘めている。



名前:イチ

レベル:10

性別:女

年齢:9歳

種族:狐人

職業:奴隷、冒険者

属性:雷

所有者:ソーマ

罪科:なし

称号:(無敵無双)、(竜殺し)

スキル:料理

エクストラスキル

 竜殺し

説明:狐の獣人。双子の妹。

山奥で暮らしていたが、攫われて奴隷落ち。

天孤へと至る可能性を秘めている。




一気に4レベルアップした。

町の大人すらボコせる強さだ。

ゴブリンなら高レベルの個体でも倒せるだろう。

高くてもレベル15くらいのはずだし。

ただ、一気にレベルを上げたため、頭と体が付いてきてないときがあった。

俺はそこまで急激な変化がなかったから見落としていたが、レベルアップにステータス2.5倍が一度に重なって訪れたら混乱もする。

そのため、更に3日かけて、体を慣らしていった。

一番変わったのはイチだ。

何が変わったかといえば、武器だ。

イチは始めは槍を持っていた。

近づくのが怖いというもあって選んだのだが、刺す、切ると言うのにも忌避感があったらしい。

料理の際の食材を捌いたり、動物の解体などは割り切れるようだが、生きているものに対してするのは怖いようだ。

どっちも怖いような気がするが、イチの感性なので仕方がない。

というわけで武器を変えた。

イチが選んだのはメイスだった。

そう、いわゆる鈍器だ。

木の棒の先に鋼鉄が付いているシンプルな武器だ。

棍棒に近い。

魔法使いの杖みたいなのもあるよ、と言ったがこれがしっくりくるらしい。

魔法少女より撲殺少女の方がお好みらしい。

どちらにしても中二心を刺激するよね。

そういえば今ちょうど中二だな。

意味違うけど。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



ある程度武器とステータスに慣れたため、2人の冒険者ランクを上げて、依頼を受けようと思う。

と言うことで、冒険者ギルドにやってきた。


「キサラさん、こんにちは。」

「あら、ソーマくん、いらっしゃい。今日はどうしたの?」

「2人のランクアップをお願いしようと思って。」

「大丈夫?まだ1週間くらいしか経ってないけど。」

「大丈夫だと思います。ある程度は訓練したのでちゃんと動けますし、強めの動物でも狩れるようになりましたから。」

「そう?じゃあソーマくんの言葉を信じて、ソーマくん推薦でFランクへの試験の許可をだしましょう。ちょっと待ってね。試験官の手が空いてるか確認してくるから。」

「はい。お願いします。」



秘書子さんことキサラさんが奥へ引っ込んだところで、イチがふぅとため息を吐いた。


「どーした?イチ。緊張してるのか?」

「あ、いえ、美人な人だなーって。」

「そうかな?なんかきつそうな感じがするけど。」

「ゼン兄は見る目がないなー。もう。」

「そんなこと言われてもな。」



イチもきっと美人になると思うんだが。

というか、秘書子さんって美人は美人だけど、目つきとかメガネの影響できつそうな印象を与えるから、美人よりきつそうって印象の方が強いんだよね。

あの人を美人と見抜くイチの感性はどうなっているんだろう。




キサラさんが戻ってきて、すぐに試験を受けられることになった。

俺のときと同様に戦闘試験だ。

まだ攻撃魔法は教えていないので仕方ない。

試験は動けるかどうかを見るものなので、問題ない。

俺のときの本気試合が例外なのだ。やりすぎた。


訓練場に移動すると試験官がすでに腕を組んで待っていた。

見たことのない人だ。

ガタイがよく、身長は2mを超え、腕や足が丸太みたいに太いムキムキマッチョメンだ。


「よーし!!来たなー!!」


声がデカイ。


「「よ、よろしくお願いします。」」


2人が緊張しつつもあいさつをした。


「声がちいさーい!!もっと元気よくー!!もう一回!!」

「「よろしくお願いします!!」」

「よろしーい!!では早速試験を開始する!!」


あ、暑苦しい。


声の大きい大男は、あいさつもそこそこにすぐに試験を始めるという。

すでに手には刃をつぶした大剣を用意していた。


「え、えっと。武器はどうしたら。」

「もう持ってるじゃないか。さあ2人同時に来い!!」

「え、えっと。」


動揺している2人がこちらを伺うように見てきたので、言う通りにかかって行くように伝える。


「かかって来いって言ってるんだから、いいんだよ。胸を借りると思って思いっきりいきな。」

「「はい!」」


2人の試験が始まった。

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