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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
ニューゲーム開始
42/200

41 狐人

ビックリされて少し落ち込んだシロのフォローを軽くしてから、俺は残っていた檻と、狼たちの死骸を手当たり次第にストレージに回収していった。

届く範囲は走って近寄り回収。

届かない崖の下はエナジーウィップを伸ばして回収。

ものの数分で回収作業は終了だ。

今回の収穫は、

ウェアウルフ 17匹

グレイウルフ 14匹

ジャックウルフ 8匹

ジャックウルフ【変異】 1匹

ゴブリンライダー【変異】 1匹

[羨望]の瘴珠 2個

死体 4体

馬車 1個

檻 1個

40匹を超える大収穫だ。

その他厄介なものも入っているが、まあよしとする。

・・・・どーしよ。






「よしよし。」

「にゃーん。」

「よしよし。」

「にゃぅー。」

「・・・かわいい。」



おお。すでに懐柔しておる。

流石です!シロさん!


戻ってみると大分落ち着いたのかシロを撫でて遊んでいた。

まだ顔が固いような気がするが、死体がごろごろしていたし、仕方がないか。



「元気が戻ったみたいだね。よかった。」

「あ。はい・・・。」

「あ、あの・・・。た、助けてくれてありがとうございます・・・。」

「どういたしまして。君たちだけでも助けられてよかったよ。」

「はい・・・。」

「それで、君たちは何者なの?獣人だよね?」

「はい。奴隷です。」

「・・・えーと。」


何の獣人かを聞きたかっただけなんだけど、やっぱり奴隷だったのか。

てことは、馬車の中で死んでた商人は奴隷商人?もしくは主人?


「君達と一緒に居た人たちは?」

「商人さんです。僕らを、買った・・・。」

「そうか。・・・」


どちらかと言うと奴隷商人の方かな。

この後どうしよう。

この子達は町に連れて行ってもいいのだろうか?

確か奴隷は物扱いで検閲されるはず。

いや、それはナンブラ王国の話だ。

このトローラ王国でどうなのかはよく知らないな。

でも奴隷を禁止はしていなかったはずだから、同じ扱いになるのかな?

同じ扱いになるのだとしたら、主人のいないこの子達は町に着いたら物扱い?

うーん。

そもそもさっきの商人が主人でいいのか?

主人が死んだら奴隷紋はどうなるんだ?



「ねえ、君たちの紋はどこにあるの?ちょっと調べてもいいかな?」

「はい。背中にあります。」

「背中だね。」


そういって二人は徐に服を脱ぎだした。


「いやいや!脱がなくていいから!背中をめくるだけでいいから!」

「だけど、服は汚れているので・・・。」

「いいから!大丈夫だから!」


あー、びっくりした。

まだ子供だけど、女の子だったら大変だ。


二人の背中を見て、奴隷紋が消えていないことを確認した。

ついでに鑑定をさせてもらった。



名前:ゼン

レベル:6

性別:男

年齢:9歳

種族:狐人

職業:奴隷

属性:雷

所有者:なし

罪科:なし

称号:なし

スキル:なし

説明:狐の獣人。双子の兄。

山奥で暮らしていたが、攫われて奴隷落ち。

天孤へと至る可能性を秘めている。


名前:イチ

レベル:6

性別:女

年齢:9歳

種族:狐人

職業:奴隷

属性:雷

所有者:なし

罪科:なし

称号:なし

スキル:料理

説明:狐の獣人。双子の妹。

山奥で暮らしていたが、攫われて奴隷落ち。

天孤へと至る可能性を秘めている。



職業が奴隷で、所有者はなし。

珍しい属性なのと料理スキルを持っているが特筆すべき能力があるわけではない。

おそらく種族特有と思われる銀髪と耳、尻尾と双子であることで好事家にでも売られることになっていただろう。

この国は、国柄的にのんびりしてるから、酷い扱いはしなさそうだが、他の国では分からないな。

さてどうしたものか。

この世界では、町の外での拾得物は普通は拾得した人間のものになる。

魔物が至るところに住んでいて、町の生活圏外までは管理しきれないからだ。

今回の場合、所有者と思われる一団は全員が死亡している。

なので、物の場合、馬車とか檻とかは俺のものだ。

だが、この子達は人だ。

物と一緒の扱いになるかよく分からない。

奴隷は物扱いとは言うが、そうは言ってもなぁ。

考えても結論は出なさそうなので、とりあえず町に戻るか。



「町に戻ろうと思うんだが、君たちはどうする?ついてくるかい?」


しばらく二人は見つめ合った後、こちらを向いて頷いた。


「よし。じゃあ行くけど、歩けるかい?あ、靴がないね。服はサイズがアレだからローブでも羽織っておくかな。」


俺はお古のローブと小さくなって自分では履け無くなっていた靴を2足取り出して渡した。

できればもう少しちゃんとしたものを渡してあげたいけど、そこまでストックしてないからな。

ローブと靴を渡すと二人は大きく目を開き、首を横に振る。


「僕らは奴隷で、もうこんないい服なんて着れない・・・。」

「いいから着なさい。サイズが合ってないから動きずらいかもしれないけどそれは我慢してね。さあ早く着る!ほらほら!」


俺は少しきつめに急かしてローブと靴を付けさせて、さっさと出発することにした。

問答は無用だ。

こういう時はどんどん話を進めた方がいい。

さあ出発だ。

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