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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
ニューゲーム開始
34/200

33 ゴブリンの迷宮1

練成台の作製を始めてから1週間が経った。

試作練成台は5号まで作ったが、あまり進展はなかった。

魔法溶液の材料を変えるとちょっと良くなったりもしたが、根本解決にはならなかった。

毎回「魔法記述の品質が悪く、全てを台無しにしている。」となってしまう。

俺、文字ヘタクソなのかも。


今日は気分を変えて冒険に来ている。

ギルドの依頼票の中に迷宮ゴブリンの間引きと言うのがあったのでこれに参加している。

普通の依頼はバッティングしないように依頼と受ける人は1対1だが、この依頼は複数人が受けることができる。

もちろん人数制限はあるが、それほど美味しい依頼という訳でもないので殺到することも無く、低ランク冒険者が単独もしくはパーティで受ける。

と言うか討伐依頼は多くはパーティ単位で受ける。

単独で受ける方が少ないらしい。

一人だと荷物は全て自分で持たないといけないし、周囲の索敵やら、監視やらの諸々も一人でやるため、ちょっと遠出が必要な場合は非常に大変だ。


まあ俺一人だけど。

正確には一人と一匹だけど。

荷物はストレージリングの中だし、索敵・監視はシロが寝ながらやっている。

何気にシロがハイスペックで森の中でも周囲200mくらいまでなら索敵ができる。

流石の野生の力だ。


生まれてから野生に居たこと無いけど。

ちなみに今のステータスはこんな感じ。



名前:ソーマ

レベル:12

性別:男

年齢:13歳

種族:人間(魔人)

職業:冒険者、練成師

属性:無

罪科:なし

称号:(無敵無双)、(挑戦王)、(竜殺し)

スキル:

 鑑定Lv10 max

 鑑定眼Lv9

エクストラスキル

 竜殺し

ユニークスキル

 1回強くてニューゲーム-使用済

 高速思考

 全言語理解(フルリンガル)

 夢見がち

説明:

享年12歳(仮)。スキルにより復活を果たすと同時に前世の記憶が蘇える。

英雄に認められた次代の英雄候補。

魔人の血が入るも未覚醒状態。血の提供者は■■■■



名前:シロ

レベル:10

性別:男

種族:幻猫種

属性:炎

称号:(無敵無双)

スキル:陽炎

説明:ファントムキャットの子供。

死を迎えると同時に新たな命が生まれる幻獣の一種。

記憶や知識は受け継がれないが、生まれたばかりでも幻影を使い身を守る。

普段は森の奥でひっそりと暮らしているが、時たま人里に下りてきては人々に幻を見せて遊ぶ。



俺はレベルが1up、シロは7upしている。

急激な上昇はこの辺りの魔物のレベルが軒並み10を超えているからだ。

ゴブリンも7~10レベルくらいあるので、魔物の間引き依頼を適当にこなすだけでレベル10くらいにはなる。

問題はここからで、一人前レベルと言われる15レベルを超えるには相応の危険が伴う。

自分よりレベルの高い魔物の討伐や相当厳しい訓練を経ないとここから先のレベルには至れない。

力が強かったり、素早かったり、硬かったりと特徴のある魔物が出現し始め、これを倒すにはどうしても技術がいる。

その個人技術を補うため、冒険者たちはパーティを組むのだ。

誘ってくれるパーティもあったが、俺は中々踏ん切りが付かなかった。

現状困っていなかったと言うのもあるし、既存のグループの中に飛び込むのは中々勇気がいる。

誘ってくれるパーティの人は大抵がフレンドリーでどんどんこちらの領域に踏み込んでくる。

できれば放置していて欲しい。

そう思うこともある。

そんなこんなで未だに俺は一人だ。

逃げているだけとも言う。

分かってはいるんだ。分かっては。






集合時間に迷宮の入り口に行くと他の参加者が既にいて、ギルドの帽子をかぶった職員さんがいた。

迷宮ゴブリンの間引き依頼は他に5組のパーティが受けたようだ。

2人~3人のパーティで、みんな20歳以下だ。

レベルも10前後で、飛びぬけた人はいないが、低くも無い。

ゴブリン相手なら、余程の大群か、油断しなければ大丈夫だろう。

勝手に鑑定しました。

安全確認は大事だよね。


依頼内容は単純でゴブリン迷宮内のゴブリンを各30匹討伐して討伐証明を持ってくることだ。

中々多いが今は間引きが必要とされているくらいだから、ゴブリンが多く迷宮内にいると言うことだろう。

逆に大群に囲まれないように注意が必要だろう。


依頼内容を思い出していると、冒険者の一人がギルド職員に質問をしていた。


「なあ。魔石はこっちの取り分にしてもいいんだよな?」

「はい。討伐証明を持ってきてもらえればいいです。30匹以上討伐した場合は超えた分は通常の買取価格よりも高く買取いたしますよ。魔石は通常通りです。」


おいおい。そんなこと言っていいのかよ。


「よし!狩って狩って狩りまくるぞ。」

「「おー!」」


うーん。大丈夫か?

まあ、3人ともレベル10を超えているから、ちゃんと連携すれば大抵の場合は大丈夫か。

死亡フラグかな?

まあこんな世の中だ。自己責任ですよね。




今回挑む迷宮はゴブリン迷宮と呼ばれる迷宮だ。

平均レベルは10くらいで、ボスも14くらいらしい。

出てくるのはもちろんゴブリン種で、その多くは3匹くらいまでの集団らしい。

素材も角と小さい魔石だけで、まともな武器も持っていない。

罠も特になく、踏み外さない限りは通路でダメージを食うことも無い。

初心者向けの迷宮だ。

それが故に余り討伐がされない時期があり、こうした集団討伐の依頼が出ることがある。

素材もしょっぱいから、ギルドが色を付けてくれてやる気を出させているようだ。

要は楽勝な迷宮と言うことだが、討伐がされず、迷宮内にゴブリンが増えていると言うことはイレギュラーが起き易いということでもあるので、索敵には注意を払っておかなければならないだろう。

これまたフラグかな?

シロがんばれ!


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