表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
120/200

118 クロの素性

カレリーナ様たちはブラッドタイガーに対して最後まで戦って、殿を務めていたそうだ。

そのため多くの兵とは異なり、西方向に逃げていた。

町がある方向は陣地から見て南東で、生き残りはそちらに向かったはずという事だ。

仮設した避難所もその方向にある。

襲撃された陣地を避けて、避難所の方へ向かう。



「この体躯。まさか当たり馬鹿じゃないか?」

「なんです?その当たり屋みたいな名前は。」


ナルシッサさんが妙なことを言ってきた。


「トリスタの町では結構有名な話なんだが、武器に向かって突撃を繰り返すワイルドディアーが出るって話題になっていたのだ。」

「あ、俺も聞いたことあるよ。立派な体躯で真っ黒な毛並みで巨大な角を携えてるって話だったかな?」

「そう、それだ。これだけ立派な体躯のワイルドディアーはそうは居まい。」

「ブルルルルー。」

「でも、角が無いわよ。巨大な角を携えているのではなくて?」

「角はこの前斬ってしまったんです。スッパリと。そしたら何だか気に入られたみたいで、付いてきたんですよ。」

「あ、あの角を斬っただと!?」

「た、隊長!?どうしたんですか?急に!」

「あやつの角はかなり強化されていたのだ。生半可な剣では斬ることなど不可能だ。名剣を使ったとしても相応の技術がなければ斬れない。私の剣も折れた。」

「隊長、挑んでたの!?」

「うむ。してやられたがな。」

「ソーマ様は素晴らしい剣士様なのですね。ふふふ。」


カレリーナ様からの呼び名がソーマ様になっていて、なんだかやりにくい。

しかもすぐ隣を歩いていて近い。

外なのにいい匂いがする気がする。

やばい。


「あ、いや、剣の腕では無くて、魔法道具のお陰なんです。昨日の戦闘では使いませんでしたけどね。魔力剣(マジックブレード)と言います。試作品ですけど。」

「試作、ということはソーマ様が作られたのですか?お強いだけでなくて、発明家でもいらっしゃるのですか?素晴らしいですね。」


すごく持ち上げられている。

別に圧がかかっているという感じもなく、道具を寄越せと言う話にもならない。

えーっと、何?これ?


「一人でやっている訳ではないので大したことは無いですよ。」

「ご謙遜されるだなんて、謙虚で素敵です。」


こ、これはまさか惚れられたか!?いやいやいやいや!自惚れるな!こんな童貞根暗陰気ぼっちヲタクが天使に惚れられるなんてある訳ない!そうだ!

・・・あれ?俺は根暗で陰気でぼっちか?確かに童貞であることはくつがえようもない事実だが、ヲタクも事実だが!

あ、死ぬ前の俺か。

なんだか悲しくなってきた。



「その魔力剣(マジックブレード)とやらを見せてもらえないだろうか。」


ヴァルチャー隊長が話しを戻してくれた。感謝。


「いいですよ。あ、でも、取り扱いが危険なので、次の休憩の時にしましょう。歩きながらだと危険なので。」

「うむ。その通りだな。そうしよう。」

「また隊長の悪い癖だよ。ほどほどにしてくださいよ。ただでさえお世話になりっぱなしなんすから。」

「うむ。」

「まったくもー。」

「ソーマ様にご迷惑をおかけしてはいけませんよ。わかりましたね?」

「うむ。」


隊長なのに責められまくりだ。

しょんぼりしてしまった。

別にこれくらいは構わないんだけどな。





「そろそろ中間地点ぐらいかな。」

「そうですね。」


深い森を抜けて、丈の長い草が生い茂る草原を進んでいた。

暫く進んだ所でルークさんから声がかかった。

朝早くから移動を開始したかいもあって、昼過ぎくらいには中間地点に到達した。

この調子なら日が暮れる前には辿り着けそうだ。


「ヴァルチャー隊長。この辺りで休憩しましょうか。」

「そうだな。あそこの木の辺りで休憩としよう。」

「おう!」


口々から喜びの声が上がった。

みんな疲労困憊なのだ。

思い思いに休息を取る。

昼食も取らずに歩き続けていたため、昼食も同時に取る。

昼食は今朝出発前に女性陣が作ったサンドイッチだ。

コッペパンの様な形の硬めのパンに野菜とベーコンと調味料を挟んだ簡単なものだが、美味しく頂いた。

マヨネーズは他の人達にも好評で、作り方も教えてあげた。

生ものなので消費期限には要注意である。

カレリーナ様も一緒に参加しているのには驚いた。

てっきりそういった所謂雑事は使用人とかに任せていて出来ないのかと思っていた。

ちょっとたどたどしかったのはご愛嬌、と言ったところか。

ちょっと驚いたのは、兵士の中にも女性がそこそこいたことだ。

帯同している兵士の内、3分の1が女性だった。

レベルや魔法がある世界ならではだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ