113 避難所作成
みんなに指示を出してから、俺も早速作業に取り掛かる。
兵士さん達が休んでいる位置よりもかなり広めの位置に下書き線を引いていく。
目安は30人が生活できるくらいかな。
仮設だけど。
準備ができたら早速詠唱を開始する。
「■■■ □□□ ◇◇◇ ▲▲▲ ・・・」
規模が大きいからちょっとだけ長い。
俺の詠唱に従って胸のスフィアから光の文字が生まれ魔法を形作っていく。
「ラピッド・ストーンウォール!」
俺のアクティブコマンドに従って魔法が発動する。
中級魔法ストーンウォールの連射版だ。
線の上にズゴゴゴゴーっと音を立てながら無骨な石の壁が生み出されていく。
ツルリとした大理石みたいな壁をイメージしてやっているのだが、実際にはボコボコだ。
全然イメージ通りにならない。難しいよー。
周囲を石壁で囲って、出入り口を開ける。壁のいくつかの場所に登れるように低めの石壁を作ったら、仮設の避難所の完成だ。
避難所というか刑務所みたいに見えるけど。
出入り口には簡易的に柵でも置いておこう。
イチの方も竈が出来たみたいだ。
火も起こしてあり、煙も出ている。
これで人が居る事が伝わるだろう。
いい感じだ。
竈の近くにかばんから出した様に見えるようにストレージから水と食料を出す。
なんちゃってマジックバックだ。
食料へ保存のききそうなものとすぐに食べられる大量のサンドイッチだ。
その様子を離れた所から口をあんぐり開けて見ていた兵士さんにサンドイッチを持って近付く。
「はい。これどうぞ。他の皆さんもどうぞ。」
「あ、ありがとう・・・。き、君は一体何者だ?」
「ただの冒険者ですよ。あ、自己紹介してませんでしたね。Cランク冒険者のソーマです。よろしくお願いします。」
「い、いや、こちらこそ何から何まですまない!」
「いえいえ。それより、あっちとこちらと、あとこっちの方向に食べられそうなものがあるみたいなので回復したら探してみて下さい。他に人を見つけたらここに誘導しますので。陣地の方はどういう状態か分からないですし。」
「分かった。任せてくれ。」
「じゃあ俺達は先に進みますね。イチ、ゼン!行くよ!」
「はーい!」
俺達は兵士達をその場に残して先に進むことにした。
カレリーナ様はどこだー!
◇◆◇
「曹長。冒険者ってすごいっすね。」
「バカタレ。冒険者じゃなくてソーマくんがすごいだけだろ。こんな事を軽くできる冒険者がゴロゴロ居る訳ないぞ。」
「やっぱりそうっすよね?この壁すごい硬いっすよ。きれいだし。」
「ああ。こんなの見たことねぇよ。」
「あとこのサンドイッチまじ旨いっす!」
「だな。」
こんなに大量の食料と水を平気な顔で提供してくれたことに驚きと怪しさを感じなくも無いが、彼らの顔には打算も何も感じなかった。
疑うのは無粋と言うものだろう。
無駄な詮索は止めて、これからどうするかを考えよう。
まずは食料の確保だな。
彼の言っていた方向に行ってみるとするか。




