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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
108/200

106 カレリーナ様宅へGO

次の日、宿で朝食をとっている時。


「そういえば昨日買い物してる時に聞いたんやけど、今日くらいから兵隊さん達がなんや遠征するって言っとったで?」

「遠征?」

「はい。何でも町の修復に使う資材の調達に行くみたいです。」


噂では、

長年の戦争で外壁や水路の一部などが手付かずのまま十数年放置されていて、ボロボロになっている箇所がいくつもあるそうだ。

唯でさえ老朽化が激しいため、早急に修復しなければならないが、あまり予算はないらしい。

この町は交通の要所であるにも関わらず、あまり税金が高くない。

戦争からの復興に隣国からの支援に頼っていたせいで、関税などを上げられない、と言うのが主な理由らしい。

最近は大きな戦争がなく、町の危機意識が低下してきているため、防備だけでも整えよう、と言うのが趣旨のようだ。

そのための資材を調達するために北の山に入るらしいが、北の山には竜が住んでいる影響か、魔物の活動が非常に活発で特に山の麓に広がる森は様々な魔物がひしめいている。

冒険者ギルドの壁にいたワイバーンや亀も北の森からやってきたらしい。あのクラスの魔物が蔓延る場所に踏み込むには相応の準備が必要だろう。

魔物の巣に飛び込むようなものだから、失敗は死を意味する。

が、危険を冒すだけの価値、この場合は資材があるってことだろう。

勝手に入って採ってもいいんだろうか?


「いいらしいで。危険過ぎて誰も管理してないみたいやし。ずーっと前には鉱山があったらしいんやけど、魔物が溢れて潰れたって話も聞いたなぁ。」

「そうなのか。今度行ってみるか。」

「そやねー。」

「はい!」


話に一区切りついたのを見計らって、ゼンが切りだした。


「き、今日はどうするんですか?」

「そうだなぁ。サーシャは一先ずは体を休めること。」

「はいです。」

「にゃあ。」

「ん?シロは残る?」

「にゃ。」

「わかった。」

「お、おれも!」

「じゃあ、ゼンとシロはサーシャについててあげてね。イチとドーラは俺と行こうか。」

「はい!」

「どこへや?」

「領主の屋敷。」

「ああ、お礼貰いに行くんやな。」

「あ、そうそう。」

「なんやー?今の間はー。」

「はははは。」


乾いた笑いで誤魔化した。

はははは。





「え?いない?」

「はい。そうでございます。しばらくお戻りにはなりません。」


俺たちは今、カレリーナ様のお屋敷、つまりトリアスト邸を訪れていた。

目的のカレリーナ様はおらず、屋敷の渋い執事さんに話を伺っていた。


「どちらに?」

「調査遠征のことはご存知でしょうか?」


ああ朝聞いたやつかな?


「北の山に向かうという遠征のことなら少し。」

「結構。お嬢様もその調査に同行されております。ソーマ殿のことは伺っておりますが、お嬢様からはお礼は直接したいから、日を改めて欲しいと伺っております。」

「そうでしたか。じゃあ、今日のところはこれでお暇します。せせらぎ亭に宿泊してるので、戻られたら連絡して下さい。」

「確かに。承りました。」





「と言う事で、今日の予定が無くなりました。」

「そうですね。」

「じゃあ3人でプラプラしよーやー。3人でデートやー。」

「デート・・・。」

「それはデートか?まあいいけど。じゃあどこ行く?」

「はいはい!西の方のお店行きたい!」

「西かぁ。イチはそれでいい?」

「はい。」

「じゃあ西地区に行こうか。」

「わーい!」


適当に行き先を決めて、お店を見て回る。目に付いたお店でランチを取って、またお店を回る。

それだけで一日が過ぎていったが、そんな日があってもいいな、と思った。



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