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俺、英雄になる?  作者: 黒猫
トリスタ編
105/200

103 暗殺者

サーシャを回復させて、ある程度の身なりを整えてから、寝ているサーシャをゼンが背負って奴隷商の店を後にする。


「ゼン。ゆっくり歩けよ。サーシャは病み上がりなんだから。」

「わ、分かってるよ!」

「あと、声も小さめでな。」

「にゃー。」

「う、うん。」


ゼンを弄りつつ、裏町を進む。

さっさと表に出てしまおう。



「やめなさい!」



と思ったが、勇ましい天使の声が聞こえてきた。

ちょっと行ってみよう。

いや、絶対に行く!





そこには俺の天使が小さな子供と男達の間に立ち塞がっていた。

なんとも勇ましく神々しい。

正に女神だ。


「にゃ。」

「ああ。わかってるよ。ここを頼むな。ゼンはここにいろ。」

「にゃ。」

「う、うん。」


シロにゼンとカレリーナ様の護衛を任せた俺は建物の影に潜んでいた男たちを影から様子をうかがう。

カレリーナ様と相対している者達の他にも物影に潜んでいたやつらがいた。

数は10と上に1。上にいるのが主犯かな?とも思ったが上よりも下にいる10人に紛れている奴の方が危険性が高そうに思う。

サクッと片付けてしまおう。


闘気で速度を強化して気配を殺したまま一気に近づいて、一番危険そうな奴に一撃を加える。

首の後ろ辺りをトンっと叩くやつだ。上手くいくか分からなかったからちょっと強く叩いてしまったが大丈夫だろうか?


バサッ


一人目が倒れきる前にあと二人ほど同じ様に叩いた。後を追う様にその二人も倒れる。

今度は上手くいった気がする!たぶん。


「な!?」


三人が倒れたことでバレたが、驚愕でまだ次の動作に移れていなさそうなので、さらにサクッと三人を叩く。

慣れてきたぞ!


「くっ」


殺せ?あ、違うか。男だし。

男のくっころはお呼びでないよな。

そんなどうでもいい事を横で考えながらも体では男たちを叩く。

10人を倒すと同時に上へ飛び、上の一人も倒して引きずり降ろしておく。


「よし。片付いたかな?ん?あれは?」


俺が一息ついて注意が逸れたのを見計らって最初に倒した男が背後からナイフを突き立てて来た。

うーん。やっぱり最初のは強すぎたかなぁ。


シールドを張ってナイフを防ぐとあたかも空中でナイフが止められたように見えて不思議だ。

男も驚いたようで一瞬だが動きを止めてしまったがすぐに飛び退いた。

判断が早く、やはり一人だけレベルが違う。


「あがっ!」


ばたり


飛び退いた位置でまたしても倒れる男であった。ちゃんちゃん。


で終わらないところがすごい。

俺が張っていた罠魔法ボルトラップ(そのまんまだが)にかかってダメージを受けたが気絶することなく踏み留まった。

ボルトラップは設置型の罠で踏み込んだ相手に電気ショックを与える魔法だ。この前作った。

威力は弱めだが、人間を十分気絶させられるだけの衝撃は与えられる。

はずなんだけど、動きを止めるだけでそこ迄には至らない。

やっぱりレベルが高いと耐久力も上がるのかな?もしくは職業柄か?

この男の職業は暗殺者だそうだ。

罪科も盛りだくさん。

マジックアイテムは持ってない。

何処かに隠しているのかな?


仕方無いので実力行使だ。

え?既に実力を行使してるって?

細かい事は気にしないのが漢ってものだよ。


決めると同時に動く。暗殺者の男がボルトラップによって動きが止まっている隙に一気に畳み掛ける。

ボッコボコやぞ。



「やり過ぎた、か?」


対人戦自体の経験不足なので、学校で習った事と前世の記憶を頼りに適当にやった結果、腕肩膝の関節が外れてる上、身中?とかボッコボコにしてしまった。

でも一応は死んでないよ。

その一線はまだ超えてない。

躊躇してしまうのも仕方無い。

いつか超えないといけない時が来るんだろうか・・・。


「あっとそうだそうだ。」


男に襲われる前に見かけた物に近づいていく。


「これって石碑か?というかあの文字だ。」


そこにあったのは館で見つけた文字と同じものが刻まれた石だった。

そこにはこう書かれていた。



『上は嘘。下は真実。』


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