私、学校に入学する
どうしてこうなってしまったのですか...
2歳年下の他の魔族の方達に「魔王様!」と呼ばれているのです。...私が。
それは遡ること2日前
「ここ、魔界では10歳となると学校に通う義務があります。ミラちゃんは...12歳ですから、学校に通うのですが、2歳年下の子達と勉強を学ぶことになります。」
とメルさんにいきなり言われたのです。学校に通うのは楽しみですが、試験があり、筆記試験は無いのです。...が、実技試験があり...私は魔力も無く、身体能力も全く無いのです。
「私、実技なんてできませんよ...!」
そうだ、魔力が無い魔族なんて底辺なのですから...学校なんて行けた物ではありません。 メルさんにはそう伝えたのですが...。
すると、メルさんの口から驚くべき事が出てきました。
「大丈夫ですよ!だってミラちゃんは魔王様の子供なんだから!...まぁ私もだけど」
ポク、ポク、ポク、チーン
...いやいやいやいやっ!私が魔王様の子供!?へ、変な冗談は...
そもそも魔力の無い魔族が魔王様の子供だなんて...
「あっ、ミラちゃん。私なんて魔力無いのに...とか思ってるでしょ?...実は、ミラちゃんの魔力はパ...お父さんが封印してしまったの。何故かというと、ミラちゃんが生まれた瞬間に、パ...お父さんが「邪神が生まれた...」って叫んでたの魔王が怖がる量の魔力を持っていたのよ!」
え?そんなに私強いの?...でもここに帰ってきたんだし、封印って解いてくれないのかな?
「メ、メルさん。お父さんに封印って解いてもらえないのですか?」
あ、あれ?メルさんの顔が暗くなってしまった...な、何か悪いこと言ってしまったかな...?
「...お父さんはミラちゃんが生まれてすぐに人間との戦争に行って帰ってきてないの...そして、お母さんも病気で亡くなってしまっていて...」
そ、そうだったんだ...私ってばなんて事を...
「こんなこと聞いてしまって、ご、ごめんなさい...」
「い、いや!ミラちゃんのせいじゃないからね!気にしなくて良いよ!」
それはそうと、何故私は人間の貴族の家にいたのかな...?
「私って何故人間の貴族に捕まっていたのですか?」
「ミラちゃんは...城に人間が攻めてきて...赤子の状態のミラちゃんを連れて行ってしまったの。何故「魔族は敵」と考えている人間がミラちゃんを殺さずに連れて行ってしまったのかはわからないけど...」
そうだったんだ...。 まとめると、お父さんは私が生まれてすぐに私の魔力に封印かけて亡くなってしまって、お母さんは病気で亡くなってしまいました。そして、何故か人間に捕まって12年間過ごしていた...ということですかね。
...少しお父さんを殺した人間共が憎たらしく感じてきました...。
「...っ! ミラちゃん! 何!? そのっ、その魔力は...っ!」
「えっ?私魔力出てましたか?」
も、もしかして私、怒ると封印を破って魔力が使えるとかかな?
「...んっ!はぁっ、はぁっ。 やっと魔力が収まった...。パ...お父さんにミラちゃんの魔力が邪神並と言われてた理由が分かった気がするわね...」
私、そんなに強いの?...あまり怒らないようにしなくては...
「とっ、とにかく!その力が使えれば学校の実技試験なんて簡単ですよ!ミラちゃんは天才です!」
あっ、そうだった。実技試験の話でしたね。
脱線した話の内容が濃すぎて忘れてました...。
「ふふっ」
「あーっ!ミラちゃんが笑った!...可愛いですぅぅぅ...」
ぎゃああああああっ!抱きついてきたぁぁぁ!
って良い香りがするのはいつも通り...じゃなくて、メルさんが抱きついてきても全く嬉しく無...い...。こともありませんでした。ちょっぴり嬉しいです。
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こうして実技試験では、的のことを「お父さんを殺した人間」と考えていたら、何もしていないのに的が腐り、トップの成績で合格できてしまったのです。試験のときにはイリスさんが付いてきていましたが、顔が真っ青になっていて驚きました。
イリスさん曰く「あの魔力...的にしか発していないのでしょうが、何処を探してもあんな高濃度の魔力を出せる魔族なんて居ませんよ...」
あれ?私って魔力封印されていた筈ですが、怒るだけでリミッター解除できるのですか...って
「うっ、ああぁぁぁぅ...頭が、かち割れる...」
頭が死ぬほど痛いです...!このままだと、気絶...
横でイリスさんが叫んでいましたが、そのまま気を失ってしまいました。
リミッターは1日に2回以上解除すると気絶するほどの頭の痛みに襲われることが分かりました。
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こんなことがあり、2歳年下の子達に「魔王様!」などと呼ばれているのです私ですが、身長が低く、周りから見ると、同い年にしか見えませんね...。悲しいです。
私は「魔王様!」なんて呼ばれたくないのに...ミラって呼んで欲しいです...。
すると、そんな事で頭を抱えている時、横から
「はっ、こんな魔力を1ミリも感じない女の子が魔王様だって?この私、フィーリア=シンルの魔力の方が何百倍と強いですわ!」
と言ってくるブロンドヘアーの私と似た...私よりも少しだけ身長が高い少女がいました。 なんというか、とてもメルさんに似ていますが...
「いやいや、1ミリも感じないなら何百倍にしたところで0は0でしょう?座学もできないのですか?それに女の子って...少し身長が高いだけなのに...。 ...なんて言えないです。」
「ちょっ、ちょっと!聞こえているわよ!魔力を持っていないくせに...この屈辱、いつか晴らして...って、貴方の名前は...ミラ=シンルですって!?」
いや、ちょっと。名前で驚かないでくださいよ。...ん?今フィーリア=シンルって?シンルって事は...うっ、うわっ、いきなり抱きついてこないでっ!
「おねーさま!会いたかったですわっ!」
やっぱり身内だったぁぁぁぁぁぁぁぁ!私の身内は何でこうすぐに抱きついて来るのぉぉぉぉぉぉぉっ!?
また貧血で倒れてしまった
姉妹多くない!?てか、男居なくない!?なんて気にしてたらこのお話には付いて来れませんね...(笑)
それと、評価してくださった方々。本当にありがとうございます!これからも頑張っていきますので、応援よろしくお願いします!