私、図書館でまた神様と話す
最近とんでもなく寒くなってきましたね......学校に行きたくないです......。
行かなくていいなら行かないんですが、進学したからには頑張らないと......あと、テストの成績は割と良かったです! これならスマホやパソコンを没収されずに投稿できるので良かったです。
「ただいま......はぁ」
それにしても先生の殺気が凄かったですね......あれ私よりも魔王らしくないですか?
「あ、お帰りなさいませ。 ミラ様......って、どうしたんですか!? 顔色が真っ青ですよ!?」
「あ、イリスさん? い、いえ。 お気になさらず......」
こういうことは報告するべきなのでしょうか?
初めてあんなに強い殺気を喰らった訳ですが、一瞬こちらを見てから周囲に殺気を放ったということは、私たちがいたことに気づいている可能性が高いということですよね?
それも単体でなく、周りに放出した殺気であのレベルですか......
......口封じで殺されてしまうことなんてあったらどうしましょう......
「ミラ様......肌が真っ白だから真っ青になると余計目立つんですよね......」
「......」
「え?」
「イリスさん......そんなに目立ちますか?」
「はい。 とっても」
......顔色が変わっているのは嫌ですね......どうにかして戻せませんかね? よし! この前見ちゃったハルト君の日記でも思い返してみましょうかね?
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ーー今日の一日
最近神様の口調矯正スキルが切れてきたな。 本当の俺が戻ってきた気がするが、この世界の人、魔族には今まで通りで接さないとめんどくさそうだな。 それに、何なんだあの魔王、俺は160cm行かないくらいの体だが、17歳なんだよ......性欲というものがなぁ、きついからマジでいきなり抱き着いてきたりするのやめてほしい。 いつ歯止めが利かなくなるかわからないから......。 13歳を襲うのはさすがにヤバい。 てか、魔王のくせにあのクッソ可愛い顔は何なんだマジで。 まぁ、同じ転生者と考えると年齢は......大丈夫か......。
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ハルト君......? いや、さすがに二回目は慣れてますけど......一回目の衝撃は凄かったですね。
うーん駄目だ......。 衝撃的なハルト君の一面を以てしても殺気がトラウマっぽくなって残ってしまっています......。
顔色を回復させようにも何も対処出来ないはきついですね......。
「どうしますか? ご飯よりも今日は寝たほうがいいんじゃないですか?」
「そうですね、そうします。 ......あれ? お姉ちゃんは?」
「メル様は二日酔いで死にかけていますよ。 もう! お酒が弱いくせして飲みまくるからこうなるんですよね! 今なら今までのお返しができる......これはやるしかないな。 ミラ様、私はメル様にちょっかいを出してきます。 おやすみなさい!」
「あ、はい。 おやすみなさい」
元気な人だなぁ。 ちょっと元気が出てきました! 少しはトラウマ改善出来ましたかね?
「そら、寝室まで行きますかね」
ーーえ? あっちょっ......
「ふぇ?」
ーーこっちこっち
なんだか廊下のほうから声が聞こえますね。 ここの中は比較的安全だと聞いていますし、危険はないと思います。 せっかくですし行ってみましょう。
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あ、図書館の扉が開いている? ここは魔力を使わないと入れない仕様でしたが......
とにかく入ってみましょう。
ーーこっちこっち
「......なんか鬱陶しくなってきました。 帰りましょうか?」
ーーえ!? 酷くない!? お願い! 一回来て!
「あーもう! わかりましたよ! 行きますよ!」
ーーありがとう!
そら、さっさっと行きましょう
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あー、どこにいるんでしょう。 さっきの声の主は?
「あっ、来てくれたんだね! ありがとう! 一つ伝えたいことがあってね!」
なんだ? この少女......って、私も十分少女ですね!
「まず、あなたは誰なのですか?」
「私は一番弱い神様ってところかな? 一応「歌声の加護」っていうやつを持っているよ!」
あ! いいじゃないですかその加護! 欲しいです! 普通に近づいてきた気がします!
「あ、ただじゃあげないよ? 私の願いを聞いたらあげてもいいかな?」
「あ、じゃあ面倒なんでいいです」
なんでこんな面倒くさい感じがするのでしょうか? この子とは一生仲良くなれる気がしませんね
「ごめん! やっぱりあげるから! でもお願いは聞いてよぉ! お願い!」
うっわ足にしがみついてきましたよ......
「わかりましたから、言ってみてください」
「あ、ありがとう! あのね、あのね、お願いはあなたと友達になりたいの! ......だめかな?」
なんだ、そんなことでしたら
「こちらこそ、神様と仲良くなっていれば困ることは......普通じゃなくなることがありますが、君は比較的に普通の加護ですし、私も欲しい加護ですし、どちらからしても利益のほうが大きいのではないでしょうか?」
「そうだね! これからは友達だよ! 因みにいうと、私の加護は「戦場の補佐官」って言われるようなこともできるんだよ」
......ん?
「例えば、歌声で味方の士気を上げたり、ただ美声特化させて日常生活で使えるようにしたりもできるよ!」
「後者のほうしか使いませんね。 絶対に」
「まぁそれがいいと思うよ!」
ていうか、私からしていろいろな出来事があった直後にこんなことが起きると、何か企んでいるのではないのかと心配になりますね......
「あともう一つ。 加護はあまり使いすぎないほうがいいと言っておくよ! 私の加護以外も含めてね......」
「え? それってどういうこと?」
「じゃあヒントだけ! あと20回加護を使うと......どうなるんでしょー?」
「......普通に教えてくれればいいのに......」
「それはできないって決まっちゃっててね......私も教えたいんだけど、これを破ると女神が怖いの......」
「大変なんですね......」
「そうなの......」
二人は何故か笑いあっていた、この光景は神様たちが見ているとは知らず......
「邪神さん? あんな神様いましたっけ?」
「えー? 僕は知らないよー?」
「なんなんでしょう?」
「そうねぇ......」
「今度調べてみるか。 その時は手伝ってください?」
「......面倒くさいけど、まぁいいよ。 女神様」




