私、学院に入ってから1年が経つ
明日からテスト勉強を本格的に始めます。 勉強に集中したいので、ここ1週間は2日おきに投稿します。 そのつもりでお願いします。
「はぁ...学校...学校ですかぁ...」
あーあ...行きたくないです
「ほらっ、ほらっ! おねーさま! 早く歩かないと遅刻しちゃいますわよ!?」
「...もう遅刻しても良いんじゃなーー「だーめーでーすー! そんなだから最近だらしないって言われるんですよ!?」
「そ、そんなこと言われてもですねぇ...」
朝っぱらから学校に対して嫌味たらったら言いまくるミラであった
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「ん~...! もう学校に着きましたか...」
欠伸をしながらミラは学校に着いたことを残念に思う
「そんなこと言わないお約束ですわ! ...私だって来たくありませんもの!」
じゃあ来なきゃいい! ...なんて言えないんですよね...
それにしても、学校に入学してすぐは楽しかったはずですが、今では学ぶこともありませんから来る意味が無いんですよね
...もうここに来て1年が経とうとしているんですね...
そりゃ変化は訪れる物だとは思いますが...いや、変わらない物が二つありましたね...
まず一つ、ミラは1年経っても容姿が一切変わらなかった。
二つ、フィーリアも容姿が変わらなかった。
フィーリアの場合は、エルフと吸血鬼の特性である長寿と、ミラの場合は、スキル「不老」の効果だと思われる。
そして、変わってしまった事も何かと多くあった。
例えば、人間の活動が活発となり、魔族を襲うようになった事だ。
それはセンターコンティの王が革命を起こされ、新たなる王が就任した。 その王は魔族を嫌う人間だというで、魔族を見つけ次第殺すという宣言をした。
その結果、人間という種族は魔族という種族を嫌い、見つけ次第殺すという対立関係を生んだ。
このため、魔界では13年前の戦争に参加した者、学校に入学した者を対象に戦闘訓練を教科に加えた。
殺されるのを防ぐために、まず基本的な体術を学ぶことになっていた。
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「うぅ...やっぱりこの体術は苦手です...」
ステータスの「攻撃」という項目をそこまで使わずに敵を無力化するために生み出された体術。 それが「柔道」だ。
これはハルトが伝えた護身術であり、やろうと思えば人も殺すことができる技があるという。
...「武神の加護」を使えば一瞬ですのに...スキル使用禁止だなんて...これが増えたから学校が嫌なんです!
「ちょっ、ちょっとミラさん? そんな険しい顔しないで下さいよ! 僕だってここまで魔界で広がるとは思っていなかったんですって!」
でもハルト君が柔道なんて伝えなければ良かったのです...他にも何かが無かったのでしょうか?
「他に...ねぇ...少林寺拳法とか? 剣道とかかな?」
「やっぱり他にもあるじゃないですか! ...それってどんなやつなんですか?」
「少林寺拳法は詳しく知らないけど、見てて凄い!って思うような技がいっぱいあって、修行がかなり厳しいんじゃなかったっけ?」
げっ...絶対に無理です...メンタルが弱い私には無理です...
「...で、剣道は竹刀という模擬刀っぽいのを使って、型を作り、防具をつけた相手の体のどこか一部分を狙うんだ。 ...この世界で言うと、剣術の安全版かな?」
...柔道よりは簡単そうですね...
「私にはそっちの方が合っていると思いますよ...」
「え? じゃあやってみる? 割と難しいよ?」
「え? 良いんですか?」
柔道は体中が痛くなるんですよね...受け身が苦手です...
「良いけど、最初は...何も無いからな...。 すまないけど、次の授業までに用意しておくよ。 こういうときに便利なスキルがあるんだ!」
「ほぉ...気になりますねぇ...どんなスキルですか?」
「「創造」っていうスキルだよ。 君の持っている「創造神の加護」の下位互換だね。 それでも超レアスキルなんだけどね!」
そもそもあの神様達の加護に下位互換なんてあったんですね...
初めて知りましたが、加護がいっぱいある私ってどれだけ規格外かやっとわかりましたよ...
「じゃあ今度お願いしますね。 楽しみにしていますよ」
「う、うわっ! ミラさんが笑っただと!? 駄目だ...僕の変な扉が開く...!」
えっ? ちょっと!? なんか苦しみ始めましたがどうしたんですか!?
「ミラさん...不味いよ...僕がロリコンに...いや、やっぱり何でもない...」
ロリコン? 何ですかそれ? ハルト君の世界の言葉はよくわかりませんね
「いっ、いやいやいやいや! 気にすることじゃぁないんだよぉ~? なぁ~んにも気にすることはないよ~!?」
う、うわ! とんでもなく怖い顔をしています...。 これ以上詮索してはいけない気がしますね...
「ふ、ふぅ...。 分かってくれたなら良いよ! 危ない危ない...危うく少女一人の笑顔で僕の息子が元気になるところだったよ...」
え? 息子が居るんですか?
「いや、いないよ!? これはその...そうだ、比喩だ!」
あっ、そうですか...これ以上は詮索しませんよーだ。
ミラはほっぺを膨らませてハルトをジト目で見つめていた
「教えてくれないならもう良いですよー。 ふんっ!」
「そ、そんなに怒らないで...って、くっ...不味い...怒られたのに僕の息子が...不味いよ。 僕マゾの道を歩むことになるかも...」
マゾ? 何ですかそれ...って、きっとまた教えてくれませんよね...もういいですよ...しょうがないです
「うーん。 マゾならほんの少し教えても良いかな?」
「えっ? 本当ですか? 珍しい事があるものですねぇ。 明日は雪ですかね?」
「そんなに珍しいことでもないでしょ...まぁ、一言で言うと、罵られて嬉しくなる人のことをいうんだ...。 危うくそれになりかけたよ。 君の容姿には...色々破壊力があるからね」
ハルトは、ほっぺと耳を真っ赤に染めながら言うのであった
それって私褒められているんですかね...
...まぁ、でも嫌では無さそうですし、今度一緒に遊びに行きましょうかね?
「ほ、本当!? すっごく嬉しいよ!」
「嬉しく思うなら、これからは勝手に心を読まないで下さい。 さすがに今のは恥ずかしいです...」
ミラはハルトと同じくほっぺと耳を真っ赤に染めながら言った
「あぁ! 勿論! ...ことままだと禁断の恋になるのかな...それなら僕は嬉しいかも」
それなら積極性を持ちなさい...
「え? あ、わかったよ。 了解!」
「はい! ストーップ! 心を読むなって言ったでしょう!?」
「い、いやごめん。 感覚がつかめにくいんだ...1年間常時起動しておいたからさ...ごめん」
まぁそれもそうですね...私の方こそ申し訳なかったです
「き、君が謝ることじゃないよ!」
「はい! もう少し心を読まない努力をしましょうねー!」
「...はい」
こうして、ハルトとの一日柔道授業が終わった




