私、お風呂に入れられる
...ここは何処ですか? 確か私はメルさんに...あれ?記憶が曖昧です...。
「あっ、ミラちゃんが起きました! 女神みたいな顔をしているから、いつまでも見ていられましたよ!」
いきなり何なんですか!?...ってそうだった。確か、魔王城に連れて来られちゃったんですよね...。
「あっ、あの...私ってこれからどうなるのですか...?」
ふとした疑問です。これから殺されてしまう事は...無いと願いましょう。
「とりあえず、ここの皆さんに挨拶ですね!
...オイ、てめぇら! 私の可愛いミラちゃんが起きたってのに...挨拶もしねぇとは...そんなに死にてぇのかぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」
ぎゃああああああっ!メルさんが豹変したぁぁぁぁぁぁぁぁ?!てか、私のって何ですかぁぁぁぁぁぁぁぁ?!
「ひっ...はっ、ハイ!私はメル様の護衛隊長を任されております、イリス=ラインと申します!」
あっ、甲冑を取ったら黒髪の美人様が...メルさんって女の人が好きなのでしょうか...?
よりいっそうミラの不安を増させる事となった
「あ、えと...よろしくお願いします?」
あれ、イリスさんの顔がほんわかしてきました...。不味いです...可愛いと思ってしまいました...。
「とにかく!イリスは私と同じくらい強いから、ミラちゃんは何がなんでも私達が守りますよ-!」
「...心強いです」
「あっ、そうでした。ミラちゃんお風呂に入りましょう!ダイヤモンドの原石を磨くのも私の使命なのですから!」
お風呂...最後に入ったのはいつだったでしょうか...体は拭いていましたが...
「...はい、わかりました」
「よぉーし!レッツゴー!こっちよ! ...ぐへへ...」
待って待って、今「ぐへへ」って聞こえたっ!
私何されるの!?
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「...ふぁぁ」
気の抜けた声がしてしまいました...。
「いやぁ...まさかここまで原石が綺麗になるとは...私の体を捧げても良いかな...」
メルさん...変なこと考えないでください...。それにしてもお風呂って気持ちいいです...。すっごく広いですし
「あっ、そういえばミラちゃんって鏡を見たことないって?」
「...ん。見たことありません」
あんな奴隷のような扱いを受けてきた私ですしね...
...あれ、メルさんがどっかに走って行っちゃった...
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「はぁっ、はぁっ...鏡を持ってきましたよっ...」
いやいやいやいや、何で高さ10mありそうな鏡を持ってくるのですか!? 確かに馬鹿力はありそうですが...あれっ...だっ、誰?
鏡を覗くと、驚くほど整った体と顔の少女が...
「ミラちゃんはこんなに可愛いんですよっ! 世の男はイチコロです!」
いや、誰なのですか!? ...銀髪のロングヘアーに、とても綺麗な翡翠眼、耳はエルフみたいじゃないですか!?
驚いて口を開けると、吸血鬼のように犬歯がとても長いことに気がついた。
「ん゛!?」
「ミラちゃん可愛い...無防備なミラちゃんが、わっ、私の目の前に...!」
やめて-!そんな獲物を見るような目で私を見ないでくださいっ!
...というか、私ってエルフ?それとも吸血鬼?
「あぁ、そうそう。私もですが、ミラちゃんはエルフと吸血鬼のハーフですよ。」
...ハーフですか。...ハーフって、え?
私はまた貧血で倒れてしまった
良いなぁ鏡。そこの場所代わってくれよって言いたいですね...。
...おっと、私の性癖が少しだけバレてしまいそうですね!これ以上は辞めておきましょう(笑)