私、勇者と仲良くなる
遅くなり申し訳ございません。
...どうして勇者の隣に魔王がいるんでしょうかねぇ...
もちろん、彼女が「魔王」という職を持っているのを知っている人はフィーリアただ一人だけである。 そのフィーリアでさえ、ハルトが「勇者」という職を持ち、魔族と相反する思想を持つ敵だということは知らない。 よって、この場でまずい状況にあるということを知るのはミラただ一人で、一人心の中で悲痛の叫びをあげる少女の苦悩は、誰も知らない
「...ハルトは何故この学校に来たのですか?」
「え? ...ごめん。 教えられないんだ」
...でしょうねぇ! 知ってました! どこの世界に「魔王」と「勇者」が仲良く隣で授業を受ける馬鹿がいるんですか?!
「あの、後でお話しておきたいことがあるのですが...お時間空いてますか?」
「え?! ええと...空いているとは思うけど...何を話すんだい?」
「いろいろです」
...何照れてるんですか...別にそんな意味じゃないですし、それに私たちが魔族と知って照れているなら、相当バカなんですかね?
「おねーさま...大胆ですわぁ...」
「う、うるさいです! そういう意味じゃないですから!」
...ハルトさん...、そんなに残念がらないでください...
こうして、今日の授業が一通り終わった。 そして放課後...
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「で、話っていったい何だい?」
「単刀直入に言いますと、あなたは「人間」ですよね?」
...ここまで切り出して言うとは思ってはいませんでしょう。 さて、未来に私を殺す人間の答えはどうでしょうかね
「...何を根拠に行っているんだい?」
...あら? 実は慎重なのですね...感心しました
「なんとなくですかね?」
「それじゃあ教えることはできないかな?」
...そう切り出してきましたか...だったら
「まあ教えてもいいですが...私としてはあなたと今のところは敵対したくはないのですよ。 特にその職を持った人間とは...」
「...っ! ...君はどれだけ知っているんだい? 僕のこと...?」
「ただでは教えませんよ? ただ、ハルト君の姿というか、いろいろと懐かしい感じがしましてね。 そんなはずないんですがね...」
ハルトは今の言葉で、ミラに対する接し方が変わった
「君は...ミラと言ったかい? ...僕も教える気にはなりましたが、必ず口外しないことを条件としてください。 先ほど言ってようにミラさんだって敵対したくはないのでしょう?」
...割と交渉が上手くいきそうですが...少し警戒しておくことには越したことはないでしょう。 ...ですが、約束を守らないのは私の善意が黙っていないので、交渉は交渉ですので、ここはきっちりしましょう
「わかりました。 約束は守りましょう。」
「あれ? 結構魔族の人は融通が利かないから対立しているって聞いていたものだから、契約魔法でも使おうと思っていたけど...。 そうだったね、ミラさんは他の魔族とは違うことが分かったし、僕の知っていることはすべて教えよう」
結構すんなり受け入れてくれましたが...どういうことでしょうか?
「まぁ、一つは、僕は人間で正解だ。 なぜわかったかは後で教えてもらいますよ? では、次はミラさんの僕について知っていることを一つ教えて。」
なるほど、そう来ましたか。 これなら私だけが情報得て逃げてしまうこともないですね。 フィーリアちゃんとは大違いで、ハルト君は頭がいいですね...
「私が知っていることは、ハルト君が勇者だっていうことかな? もう少し詳しく言いますと、転生してきて、召喚された勇者だと知っています。 鑑定スキルがあるのでわかりました」
「やっぱり「勇者」だって知っていたか...本来ならここでミラさんを切らきゃいけなくなっちゃうけど...ミラさんは僕が信頼していますのでいいでしょう。
...では、僕の知っていること二つ目は、ミラさんは、僕と同じ転生してきた元異世界の住人であること。 僕は神様のミスであっちの世界では死んじゃったから記憶が残っているけど、ミラさんは病気とかであっちの世界で亡くなってから転生してきたのだと思うよ。
確か、一度死んでしまった人は精神が不安定になるから記憶を消してから次の世界に送り出すのが普通らしいよ。 でもたまに僕みたいに奇跡的に精神が壊れていない魂が出てくるんだって。 そうしたら勝手に勇者としてこの世界に召喚されたってところかな?」
...なんですか? ミスって人を殺しちゃう神様って...確かに前に聞いた声の神様は腑抜けた感じだったけど...もしかして神様系統の方々はおかしな人ばっかりなのかもしれませんね...
私は絶対に「ミスって殺しちゃった! てへっ!」とか神様に言われたくないですね...
「...よくハルト君は神様に対して怒ったりしていませんね」
「まぁ、過ぎたことだしね。 僕が魂だけで目を覚ました時には、体入って火葬されてお墓に入っていたからね...もうどうすることもできないと思った時には絶望だってしたさ。 神様にも怒りを覚えたよ」
「...でも過ぎたことは気にしない...ということですか?」
「まぁそうだね。 と言っても、ステータスがとっても高いようにしてくれたからね...あぁ、そうだった! 実はステータスは常時千分の一に抑えているんだ。 これでも魔王以外になら勝てる自信があるけど...あいにく鑑定スキルを持っていないから、そのミラさんを鑑定できないんだよね...」
...実は私よりも強くないですか? 勇者の名は伊達じゃないですね...まぁ私を鑑定できないなら比較もできないと思いますけど...? あれ? 今なんて言ってました?
「...今なんて言いました?」
「簡単に言うと、僕もミラさんの正体を知っているんだよね!」
どうしてばれた?! 私はそんなこと言っていないはずですが...
「あれ? ミラさんは僕の名前を聞いた瞬間に何か感じるものがなかった?」
...そういえば、初めてフィーリアちゃんからハルト君の名前を聞いたときに、体がぞわぞわしましたが...
「それに何の関係があるのですか...?」
「勇者と魔王。 実は、勇者と魔王は互いに引き合っているんだ。 だから、どちらかに関する情報を手に入れると本能が活性化されて、無意識に体が反応するということ」
何ですか...その無駄に察知しあえるような無駄機能は...
「そうそう、互いに戦っている時が一番本能が目覚めるらしいよ? どうだい? 戦ってみる気はないかい?」
「いやいやいやいや! 敵対したくないって言いましたよね?! 意地でも戦いませんよ?! 私逃げますからね!?」
いやいや、本当に勇者ほど怖い存在はいませんよ...15年早く殺されちゃうかもしれませんし...
...そうでした、これは聞いておかないと...
「ハルト君...ハルト君は私を殺そうとしますか...?」
「うーん...君が願ったら息の根を止めに行ってあげるよ。 それまでは友達だ!」
なに? この魔王に対して超フレンドリーな勇者は...と言いつつも、私が願ったら殺しに来るって...もしかして、理由はわかりませんが、私が殺してほしいと願う未来が訪れて、ハルト君に15年後に殺されるのではないでしょうか?
というか、息の根を止めに行くっていう表現が思ったよりも怖いです...
「じゃあそれも約束に入れてくれませんか?」
「もちろんだ。 これはどっちにも利益はあるだろうし、ミラさんと仲良くなりたいしね! センターコンティにいた時とは別次元の可愛さを持っているし...ね?」
「いや、それが理由なの!? 友達解約かな...」
「う、嘘だよ! 怒らないでくれよ...」
二人は笑顔になり、二人の笑顔は、先ほどまでの緊張感を忘れさせるほどに一気に場を和ませた
最後、二人は笑顔で握手を交わし、「勇者」と「魔王」の交流が終わった。 初めてミラにできた身内以外の友達が「勇者」の職業を持つことは、ミラとハルト以外の人は誰も知らない。
勇者視点の物語も同時に投稿しましょうかね...と、思いましたが、来週の水曜日からテストなので諦めます。 よって来週は月、火、金、土曜日に投稿します。 水曜と木曜は勉強のでき次第で投稿できたら投稿したいと思いますが、内容は薄くなると思うので、来週の土曜日のは長めにするので勘弁してください...




