違う違う、そうじゃない
ファラオは俺から手を放し、黄金の鎧の小手で銃弾を弾き返す。弾き返した鎧には傷一つついていない、恐らくは鎧も超剛金製なのだろう。
「ふん、まだ息があったか…マスターハンターと言うのは中々にしぶとい生き物なのだな」
そちらを見ると、土気色の顔をしたマーリーがフラフラとした足取りで立っている。
「僕の、仲間に…手を…出すな!」
と言って再び銃を撃った、しかし無情にも銃弾はファラオに弾かれる。
「ゴボッ」咳をして血を吐きながらも懸命に銃を構えようとするマーリー
「やめるんだ!お前達は…」
関係ない、と言おうとしてハッとした…ここで関係ないって言ってしまったら?
違う違う、そうじゃない!ここで言うセリフは
「やめるんだ!お前達は大切な仲間だ!ファラオやめるんだ」
と言い直して、俺はファラオに殴りかかった、死なばもろともよ!
俺の拳はスカッと空振りした、ファラオが一瞬でマーリーの前に移動していたからだ。
「死ねい!」と言いながらファラオが拳を振り上げる、マーリーは動けずに立ちつくしている。
間に合わない、しかし諦めずに「やめろー!」と叫びながらクイックを使い走りだす、と同時に俺は白い部屋へと移動していた。
「え?」
なんでホワイトルームに?俺は死んだのか?
ガチャと扉が開く音がする
《そう言えば、言い忘れてた事があったから呼んだのよ》
声のする方に振り返ると女神様がいた。
「今はそれどころじゃないんだ!早く戻してくれ」
そう、早く戻らないとマーリーが殺されてしまう。
《それなら大丈夫よ。一時停止ボタン押してるから》
「一時停止ボタン?」
《そうよ、箱庭ゲーム…いえ、貴方がいる異世界の機能なの。早送りしたり、一瞬で何百年何千年と早送りしたりとかも出来るわよ》
なるほど、女神様にとってはゲームと変わらないと言っていたが本当にゲームだったんだな…いや、神からすればなんだろうが…それよりも
「それなら巻き戻しボタン押して戻してくれ!」
さっきの選択肢に戻ってファラオの提案を受け入れる、そうすればマーリー達だけでも助かるはずだ…もちろんメグリ王子は隙を見て奪還するつもりだ!
《それは出来ないわ》
「どうして?」
《巻き戻しボタンがないのよ…リセットボタンなら有るけどね》
「クソゲーかよ!仕方ない、じゃあ、そのままで良いから戻してくれ」
《クソゲー?ちょっと聞き捨てならないわね!巻き戻しとかはゲーム制作ソフトのシステムの問題で私が作った訳じゃないんだからね!》
ヤバい、ちょっと怒らせちゃったか…
「すみません、ちょっとイライラしてて…ただ本当に時間が無いんですよ早く戻らないと!」
《分かったわ許してあげる。それと、直ぐに戻してあげるわ私の説明を聞いた後でならね》
「説明?何のですか?」
男だらけの世界とか、そう言う事なら今さらなんですけど?
《そうね、条件を満たしたから転職する事が出来る様になったわよ!》




