昇龍
「う、うるさい!喰らえ!」
恥ずかしさと怒りのあまり、身に纏っていた四匹の龍の形をしたエネルギー波を熊王に向かって飛ばす。四匹の龍は争う様に熊王へと向かっていった。
熊王は構えもせず、両腕をダラーんと垂れて顔を前にしている、まさかのノーガード戦法ですか!
しかし、龍達が目前に迫った時…熊王の左目の眼帯の奥が赤く光る、ニヤリと笑うと…
《超技 無形取り連撃!クマ、クマ、クマ、クマァ!》
と叫ぶと、ダラーんと下げた手を連続して振り上げて舞うように龍達を次々と打ち上げていく!
そう、まるで川で鮭を手で打ち上げる熊の様に!
「ば、馬鹿な!」
驚愕する超龍…自分の必殺技が、こんなシュールな形で破られたらショックを受けるのも無理はない。
「く、くそお!こうなったら私も変身だ」
と言うと左手を前に出す、左手にある某ソシャゲで使う様な赤い紋章が光る(龍の形をしてるので正確には違う)
「ハアアー登竜紋!」
と叫ぶと超龍の頭部以外の全身が光る…ま、まさかドラゴンに変身するのか?
と思ったら、光が収まって姿を表したのは黒髪黒鎧姿のイケメン武将のままであった…
「あ、あれ…あっそうか!角が無いから変身出来ないんだ!」
しまったー!と頭を抱えて叫んでいる超龍、そんな隙を歴戦の兵で有る熊王が見逃す訳もなく
《超技 クマアッパーカット!》
「ま、まデブラァゥッ!」
待てと言う間もなく熊王のアッパーカットにより、宙高く舞い上がる超龍、いや昇龍かな?
その後、垂直に吹き飛ばされて落ちて倒れた超龍はピクピクと動いていたがガクッと首を垂れた。
《うん?多分死んではおらんと思うけどワシの勝ちで良いか?》
と熊の姿のままで超龍を指差しファラオに言う熊王
《ああ、それで構わん…と言うより、そんな馬鹿な奴は要らん》
女神様も一瞬躊躇していたが、うん、黙ってればクールなイケメン武将だし、強い事は強いし
と自分に言い訳しながら、熊王に連れていく様に指示を出していた。
《それじゃあ失礼するわね》
「ええっ!?手伝ってくれないんですか?」
《何いってんの?運営が直接プレイヤーに干渉したらダメでしょ!》
「いや、だって、さっき時間稼ぎして超龍を倒し…」
《違うわよ!あくまでも運営スタッフ同士でモンスターを賭けて遊んでただけよ!勘違いしないで》
まさかのツンデレですか…
《まあ、そんな事より両方共頑張ってね!》
《ふん!》
と、ちょっと拗ねる様に言うファラオ、ちょっと悔しそうだ。
最後に女神様は俺に向かってウインクすると
(ケンシン武器と防具は装備しないと意味ないのよ)
と念話で言って超龍を抱えた熊王と一緒に空へと消えていった。
別に熊王は置いていっても良くない?




