形勢逆転
そう思ったのが不味かったのか
油断したつもりは無かったのだが
カッと言う音がすると同時に光で俺は何も見えなくなった、その直後にみぞおちの辺りを蹴られたのだろうか?
一瞬、息が出来なくなると、そのまま後方へと吹き飛ばされる。
視力が戻って相手の方を見る、やはり後ろ回し蹴りを決められたのだろう、俺に背中を向けて後ろに片足を上げたままのポーズのキングバトルモンキーが見えた
《ハッハッハ…馬鹿めが油断したな?》
「カッ、バ、かな…今の、は閃光…波?」
油断?いや、さっきの技は閃光波だ。
《フッフ…その通りだ!どうやら俺の種族と戦った事があるようだな?》
キングバトルモンキーの口から発せられる怪光線、直接的なダメージはないが、目眩ましの効果がある技のはず…
しかし、閃光波は相手の背後に立っていれば食らう事はない攻撃だったはずだ!
キングバトルモンキーは確実に前を向いていた、俺から見ると逆方向を、そんな状態で閃光波を俺に向かって撃てるはずがない!
「なぜだ?なぜ?股間のコブを突かれて平気なんだ?なぜ?なぜ閃光波を背後に撃てる?あと何で後ろに尻尾が無いんだ?」
《質問が多いな…なぜ?なぜお前に答えてやらんといかんのだ?》
くっ…奴の言うとおりだ!
戦ってる最中に敵に素直に情報を教える訳がない、よしんば教えてくれたとしても、そんなものは全く信用出来ない…寧ろ敵を騙す為につく嘘だと思った方が良い。
《ハッハッハ、少しだけ教えてやろう、尻尾は邪魔だったから切った。他に関しては俺様は特別だからだあっ!》
とどめだ、と言いながら俺に向かって突っ込んでくるキングバトルモンキー!
不味い!さっきの攻撃のダメージで足にきている!直ぐには体が動かない、俺は軽いパニックになってしまった。
「くそがあ!くるな、くるなあぁあ!」
体は動かないがマジックハンドでなら攻撃出来る、俺は無我夢中でマジックハンドの能力を使いキングバトルモンキーの全身を殴りまくった!
《ハッハッハァ何をしてるか分からんが無駄無駄ァ》
当然だ、マジックハンドの攻撃力は素手の時の攻撃力でしかない。人間やC級位までのモンスターになら効果はあるだろうが、S級モンスターのキングバトルモンキーには殆どダメージを与えられない。
しかし、パニックになった俺にはマジックハンドで殴りまくるしか思い付かなかった、必死で殴りまくった。
「くそくそくそくそくそくそくそっ!」
基本的には股間が弱点なので、その辺りを中心に殴っていたが、全く怯む様子がなかった。
俺はやけになり無表情のイケメン顔を殴りつけた!
「すました顔しやがって、くそが!」
この世界では自分はイケメン主人公だと思っていたが、完全にやられ役のセリフである…
カンと言う音が鳴り響き、キングバトルモンキーが慌てて顔をガードして立ち止まった。
効いてる?
俺は奴の顔を中心にマジックハンドで殴りまくった!
《くそっ!見えない!くそくそくそがっ!》
一気に形勢は逆転した!キングバトルモンキーは両手で顔を覆いうずくまる。
チャンス…俺はマジックハンドで顔を殴りながら転げ回って距離をとり、息を整えて何とか立ち上がる事が出来た。
しかし、なぜ?なぜキングバトルモンキーは顔を殴られて焦った?アイツの顔は耐久性が高く武器で攻撃してもダメージが通りづらかったはずだ…
ピキーン
その時、オレの探偵の直感スキルが発動した!
くぐもった声、無表情の顔、後ろの尻尾がない、股間を攻撃しても効かない、顔を攻撃した時の音と焦りよう
そうか…そうだったのか!
「分かったぜ、お前の特別の理由がな!」




