ウィンウィン
扉が開くとワーと言う観衆の声が鳴り響く。
そこは大きな広場になっていた…観客席もあり、お客さんは満員。
東京にあるドーム球場ぐらいの大きさだろうか?あの球場に初めて入った時は思ったほど広くないなと思ったものだが…屋根が無いからか、それよりは広く感じる。
まず目につくのは、黄金に輝くファラオの象だ!
お台場の国民的ロボットの様な大きさだ…人型だし形もちょっと似ているな。
その横には高いステージの様な舞台が用意されていて、メグリ王子が木の杭に縛り付けられている!
その前には知らない赤毛でロン毛のメイクをしたビジュアル系バンドのボーカルの様な男と革ジャンを着てギターを持っているサングラスをした金髪オールバックの男が、あと王座に座って冠を被ったアトラさんがいた。
王子は縛り付けられてグッタリしている。白い貫頭衣を着ているので、一見するとキリストの様にも見える?金髪ポニテなので、どちらかと言えば天使かな?
「王子!」とりあえず呼び掛けてみた
グッタリとして目をつむっていたが俺に気づくと
「ケンシンさん!」と目を開き笑顔になる。
良かった。まだ大丈夫みたいだ。
「直ぐに脱出させます!」
「はい」と笑顔で答える王子
「おやおやあ、何で人間が?キンググリフォンが上がってくる予定だったんですがねぇー」
とマイクを持って観客にアピールするビジュアル系バンドのボーカル
「皆サーん、どうしますかあ?」
とシャウトするボーカル、すると
「ブーブー」「コロセー」と言うブーイングが鳴り響く
「だそうですよー!オーディエンスのファンの言葉に答えないといけない!さあ、お前達にデスペナルティを与えるデス」
ベンベンベベベン♪ベンベンベベベン♪
全然、上手くないラップを披露するボーカル、それに合わせてギターを弾くサングラス野郎!
ワーワー、抱いてー、ウホー、モトラッド様ー!と甲高い?男の声が会場中に鳴り響く。
「アトラさん!」
一応、王様なんだよね?何とかならないかな?
「無駄です、モトラッドが持っている王具の力で民衆は洗脳されています」
あの一言でよく察してくれたなあ…だが無理らしい
それはそうとして、モトラッド?アイツが息子さんか?
「ハッハー父上!彼らは私の美声に酔いしれてるだけですよぉ~!そうですダヨナア?」
「イエス」親指を立てて肯定する金髪ギター
「貴方と言う人は…利用されているのが分からないのですか!」
「ハッハー父上、確かに私は利用されてます!ですが、同時に利用しているのですヨォ!!」
と金髪ギターの方を見ると親指を立てて
「イエス」と返す金髪ギター
モトラッドは金髪ギターと肩を組み
「俺達、ハイマツとトーチは同盟を組んだ!ウィンウィンの関係ですダアッ」
ウィン、ウィンー!とオーディエンスに呼び掛けると観客からウィンウィンーと返ってくる。
ベンベンベベベン♪ベンベンベベベン♪
ギターのやつ、あれしか引けないのかな?
「フッ…その貴様らの企みも終わりだ!ケンシンさん達が私とアトラ王を助けに来てくれたんだからな!」
とメグリ王子が煽る!
「あーん?たったの三人でですか?」
「三人と言ってもマスターハンターとイリュージョニストだ。一騎当千の強者達だぞ!」
メグリ王子、イリュージョニストは違うと思うの
「フンッ!イリュージョニストとか言うのは知らないですがね、確かにマスターハンターは面倒ですダヨナア!」
そう言うと黄金のファラオ像に向かって恭しく御辞儀をして
「ファラオ様お願い致します」
《ウム》
とファラオ像から空洞が響く様な声がする
直後にピカーンとファラオ像の目が光った!




