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奇跡も奇術もあるんだよ

な、なんだって!それは…


「王子…それは現実的ではないですな、持っていた武器があれば俺達3人で問題なく狩れるがな…」


とピクピクして倒れていたマゾーカさんが立ち上がりながら言う。


マーリーとラプツェルも無言で頷いていた。


たしかに俺も素手でキングトロールを狩れと言われたら無理だろう…いや、素手じゃ無くても今のアイテムボックスの装備ではソロでは無理だ。



「ですが、皆さんの装備はキングトロールが飲み込んだままでしょう?他にも六匹のS級モンスターがいるんですよ?装備なしでは脱出は…」


と王子が反論する。


晩餐会の当日、縛り上げられた後に、わざわざ皆の目の前で武器を飲み込んだらしい、キングトロールかモトラッドの意向か分からないが趣味の悪いやつらだ…


うーん、と皆が下を向き考えこんでいる。


ここは俺の出番だな!


「フフフフフフ、ハハハハハ」


「な、何がおかしいんですか?ケンシンさん!」

と王子が驚いて言う


「いえね。簡単な事で悩んでらっしゃるので、おかしくてねえ…装備がないなら、出せば良いじゃですか?」


椅子に座ったまま人指し指を立てて言うオレ


「そうしたいのは山々ですが、この屋敷には武器や防具はありませんよ」


と返す王子


「ナイフや包丁ならありますが、人間相手なら兎も角、この階層には最低でもB級モンスター以上しかいません…ナイフや包丁なんて武器にはなりませんよ」


とタメ息をつきながら言うアトラさん


元々はダンジョンだった物の内部をプリズンに改築して使っているらしく、この最下層には強力なモンスターしかいない


「では、逆に言えば武器さえ出せば何とかなる…と仰る訳ですか?」


と言い俺はマゾーカさん達の方を見てフフフと微笑む


「はあ?そうだけど、そんな事あるわけないだろ!それよりカメラを出せよカメラを」


とカメラを調整しながら文句を言うマーリー


「まさか!?」


と驚きと期待に満ちた表情をする王子


「そんな事があるわけない?まさか?」


チッチッチと言いながら指を立てて振るオレ


「フフフ、ハハハハアッ!教えてあげますよ!なぜ私がイリュージョニストと呼ばれているのかを…」


と言いながら立ち上がり、シルクハットとマントをバサバサッパシャとやるオレ…条件反射なのかマーリーもカメラを撮る


シルクハットの上の部分を持ち鈴を振る様にして


「奇跡も奇術もあるんだよっと」と言って


俺はテーブルの上に武器を取り出した。


取り出した武器はアイテムボックスに入っていた物


木製の杖


ブロンズランス


クロスボウガン(と矢のセット)


以上


それを見て、王子がガッカリとする


「ケンシンさん…その、武器を出してくれるのはありがたいんですが…」


と申し訳なさそうに言う王子


まあ、そうだよね。そう思うだろう…普通はね!


「ちょ、ちょっと待て…こいつは!」


と叫ぶマゾーカさん

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