ティーブレイク
メグリ王子視点
浴室での一件が終わり、私はカメラがカメラが~とのたうち回るマーリーを放置して、自室へと戻った。
部屋の前に立つと、音もなく扉が開く
「遅かったですね王子」
「アトラ…さん」
「それで?どうでした?」
「はい、脱出の依頼を受けてくれる事になりました」
「それは良かった。では、紅茶でも入れましょう」
笑顔で紅茶を入れてくれるアトラさん、熱すぎず温くなく丁度良い温度だ…私が帰ってくるタイミングを見計らっていたのだろうか?
「ありがとうございます」
紅茶を受け取りお礼を言う、だが、どうしても聞いておきたい
「マーリーを見張りにつけていたのですね?」
「ハハハ、バレちゃいましたか…」
笑顔で誤魔化そうとするアトラさん
「私では説得出来ないと思われましたか?」
やはり、私が未熟だから…
「いえ、そういう訳では無いのですが…色々と怪しい男でしたのでね」
確かに、彼は見るからに怪しい格好をしていた。シルクハットにマント、そして不思議な術を使う得体の知れない男…でも…
「私には彼は純粋な人の様に思えました。悪い人間には見えなかった」
「確かに、そういう意味では、そうだったんでしょうね…ですが、あまりにも得体が知れない」
たしかに…
「マスターハンターであるマーリーやラプツェルと互角以上に戦い、怪しげな術を使う…彼は危険だ」
念話を聞いた限りだがマーリーは戦ったと言えるのだろうか?
マーリーにとっては大事な物を奪い合ったから、ある意味そうかも知れないけれど…
「そうかも知れません…ですが」
「ええ、彼を利用しない手はない。私達には時間がありません」
沈痛な表情で言うアトラさん。
「はい」
そう言った私はどんな顔をしてるのだろう
「では、マゾーカが戻り次第、計画を練り直しましょう、イリュージョニストさんも交えてね 」
いつもの笑顔に戻り努めて明るく話すアトラさん。
それを見て、あの人の言葉を思い出した
「はい」
私も精一杯、表情を明るくして笑顔で返す。
それだけが私に出来る報酬だから




