あばよランデブー
「フンッ」
と言ってグリフォンの右ほほを殴り付ける熊王。
吹き飛ばされるグリフォン、だが何とか空中で踏みとどまる。その際に衝撃で左目に刺さっていた剣が落ちる。
「グゲゲッ…」と狼狽える様に呻くグリフォン
勝ち目がないと思ったのだろう、空中へと舞い上がる。
10メートル以上舞い上がった所で、周りを見渡し、ある一点を見つめるグリフォン
「しまった!」と俺が叫ぶと同時にこちらを見て
「クケケケ」と笑うグリフォン…そう、奴が見ていたのは、一人取り残された格好になっていたギルモだった。
本人はまだ気付いてない。不思議そうな顔でこちらを見ているギルモ。
ギルモの方へ向きを変えて飛んで行こうとするグリフォン!
「すまん…くそ、間に合うか?」
俺に向けて聞いてくる熊王、クイックを使って間に合うかと言う事だろう。
「心配するな大丈夫だ!」
熊王に向けて一言言うと、俺は落ちていた双剣を拾って叫ぶ。
「モード、操剣」
そう叫ぶと剣の柄の下に丸い輪の装飾が出てくる、カチッと音が鳴る。丸い輪に指を入れ掴む!
その剣を下に構え力を溜めて、思いっきりグリフォンに投げつける!剣が飛んで行き、その柄の下から鎖が出てくる。
ガラガラガラッと短い音がなる。
剣は真っ直ぐ力強く飛んで行き、翼の根元に刺さった。
「グギャッ」と短く叫ぶが双剣は普通の片手剣と同じか少し小さい位のサイズだ。グリフォンにとっては大したダメージではないのだろう。そのままギルモの方に向かって飛んで行く。
「おい!」心配そうに俺に声を掛ける熊王
「フッ…大丈夫だ、アンカー!」
俺が叫び双剣の装飾部分を回すとグリフォンに刺さった双剣の剣先が二つに割れて船の碇の様な形に変わる!
「グゲゲッ」翼に碇状の剣が食らいつきグリフォンの動きが一瞬とまる。
「おお!鎖がまみたいじゃな!」と熊王
それに対して俺は
「ちょっとグリフォンと散歩してくるぞっ」
と言い放った。
へ?と言う顔をする熊王と青い髪のハンター
「チェイン」
俺が叫び、さっきと逆方向に装飾部分を回すとチェーンが巻き戻っていき、操剣ごと俺の体が空中へ浮きグリフォンの方へと引き寄せられて行く。
あばよ!とっつぁん~と言いたくなったが堪えた。
誰かに聞かれるかも知れないからだ!
カラカラカラカラと音が鳴り、最後に剣に鎖が収納される時にバチンと音が鳴り強い衝撃で、そのまま上に飛ばされる俺。
グリフォンの少し上へと飛ぶとグリフォンの背中に着地して抱きつく。暴れまわるグリフォン、食らいつく俺。
「そんなに邪険にするなよ、ランデブーを楽しもうぜ」
テンションが上がってノリで言ってしまったよ。誰も聞いてないから良いかと思った。
「グゲ~」と更に暴れまわるグリフォン
俺はグリフォンの首を強引に掴み、弱点である登頂部に双剣の一本を真っ直ぐに突き刺す。
「終わりだ」
と俺が言うと同時に「クケ…」と声にならない声を出し脱力するグリフォン。急降下して行く。
俺は素早く頭と翼に刺さった双剣を回収し、地面に激突する直前にグリフォンから飛び降りる。
「トウッ」
特に意味は無いが、回転して捻りを加えて水鳥の様に華麗に着地した。その後ドゴッと音が鳴りグリフォンが落ちた事を音で確認すると振り返らずに双剣を鞘にしまい。
「フッ」と意味もなくクールに笑ってしまったよ。




