刹那
右手を背中の大剣の柄にかけたまま構える。
まずは様子見だ…
《フム、来ないのか?では…》
なんてな!「いきなりタイム!」
周りがスローモーションになる。そして…
「クイック!」
周りがセピア色に見えてスローモーションの世界の中で俺だけは普通に動ける。熊王は驚いている。
《なあああああんんんんんだだだだだとととととおおおおお》
と俺からするとスローモーションで喋っているので聞き取りづらいが、《なんだとお》と言ってる様だ。
だが、この時には既に俺は抜刀し熊王の左肩当たりに剣先が当たっている。そして、そのまま振り抜く。
ズズズズズビビビュュュツツツと血飛沫もスローモーションで見える。
やべ、やりすぎたか?
しかしクイックで大剣を振り抜いているので止まらない。最悪、殺してしまっても俺が殺した人間は生き返るから大丈夫だろう…
あっ!熊王は人間になるのかな?
そんな事を考えていると攻撃が終わり熊王が左肩から右の脇腹までを切り裂かれ倒れていく。
俺はタイムを解除した。周りの景色がセピア色からカラーに変わり、急に世界が動きだす。
ドスンッと熊王が血飛沫を上げながら仰向けに倒れる。
俺は二の太刀要らずのせいで硬直して動けない。が直ぐに硬直が解ける。大体一秒弱だろうか?
現実世界では命取りに成りかねないな、一対一で確実に倒せる時でなければ使わない方が良いだろう。
俺は熊王に声をかける。
「おい、大丈夫か?」
《グボッゴボッゴホッカッ…ペッ…う、うむ大丈夫…だ》
仰向けに倒れ血を吐きながら言う熊王。
けっこう血を吐いてるし本当に大丈夫なんだろうか?
《ウーム、や、バッ…り、この体では動きが鈍いな…かわしきれ…なんだ、か》
フラフラした足で、まだ少し血を吐きながらおもむろに立ち上がる。
確かに俺は右肩からバッサリ切り捨てるぐらいのつもりで切った。
だが、大剣は剣先しか当たらず熊王の分厚い体の肉を完全に切り裂く事は出来なかった。
「それだけ喋れるなら大丈夫そうだな?」
《ああ、もう…大丈夫だ》
「それで?試験は合格でかまわないか?」
《ああ、そうだな。だが、》
エーだがっ?てなになに?
《お前の力は見せてもらったが、俺の力をまだ見せてない。悪いが、もう一度さっきの攻撃を俺にしてくれないか?》
「いや、その体では無理だろ?」
《いや、大丈夫だ…変人!》
熊王がそう叫ぶと、その体が光り
3メートルほどあった身長は縮み俺と変わらない位に、分厚い脂肪は引き締まり筋肉質の体へと変わった。その時に傷も消えていった。
顔も熊の顔から、人間の顔へと変わっていく。
「人化か…なるほど、確かにモンスターの王だな」
そう、モンスターの王は変身する。大体は第一形態から第三形態まで変化するのだ。
そして大体のモンスターの王は人型か、それに近い形にもなる。
「待たせたな、では、もう一度頼む」
言葉もくぐもった感じではなく、普通の人間と変わらない。
外見は何と言えばいいかな…身長は俺よりも少し高い185センチ位、髪型はどうしてかは分からんがミディアムロングの少し癖がかかった様な髪だ。
少し髭も生えている、色はどちらも黒だが、髪にはシルバーのメッシュが入っている。
年齢は30前後の眼帯をしたワイルド風イケメンと言ったところかな?
顔以外がグレーの毛で覆われている事を覗けば




