熊王ファーダ
《女神様から、お前のバディを仰せつかった。熊王のファーダだ》
熊王…そんなのいたっけ?
《女神様からは冷静な天才軍師の様な人よと言われていたのだが…》
それは見た目の話だな…俺は猪赤を騙すので精一杯だよ?
「まあ、大体は女神様の勘違いだ…それより、あんたは熊王と言ってたが、そんな王の名前は初めて聞いたぞ?」
そんな名前の王はいなかったはずだ、少なくとも熊の姿をしたモンスターの王は…
バディは確かにシステムとしてはあった。いろんな種類の可愛らしい獣人がいて、供回りとして戦ってくれたり、料理をしてくれたりしてサポートしてくれるのだ。
ゲームで言うとチュートリアル終わった後に登場だったかな?
でも、こんなにゴツいのはいなかったはずだ。
《正確には実装予定?だが中止になったとか言われて…いや、今はそんな事はどうでもいい。それより、そこのイノセキに止めをさしてやれ》
「あ、ああ、そうだな」
俺は大剣を装備してイノセキに近づく
さっき一頭殺したばかりだが、冷静な状態で獲物を仕留めるのは初めてだな…現実では
イノセキの鳴き声を聞かない様に意識を切り離し
さっきは面白がってすまない、そして、ありがとうと祈りながら逆さになっているイノセキの腹から胸にかけて
心臓へと一撃で素早く正確に大剣を突き下ろす。
せめて苦しませない事が情けになると信じて
《フム、これで落ち着いたな》
けっこう几帳面で細かい人?何だろうか?
《よし、それでは今からお前に決闘を申し込む》
へ?
「ちょっと待ってくれ、なぜそうなる?」
首をかしげて不思議そうな顔をする熊
《なぜ?これからバディとして行動するんだぞ》
そんな、当たり前だろ?みたいに言われても
「いや、それなら自己紹介を軽くして…」
遮る様に言う熊
《だからこそ…だ!拳を交えればお互いの事が分かるものだ》
この人?脳筋かよ…
「いや、ちょっと待ってくれ!」
《うむ、そうだな!素手では流石にお前に分が悪かろう。武器を装備するまで待ってやる》
なんだろう話が通じてないような、と言うか通じてないな…
「いや、そうじゃなくて…」
《安心しろ!相手を殺すのは禁止だ!さすがに俺もそのぐらいはわかる》
うん、わかってないよね?
これはやるしかないのか?話が進まないし、いきなり問答無用とか言って殴りかかられても困る。
殺すのは禁止って言ってるし…
「わかったよ。では、準備をするから待ってくれ」
《うむ》
腕を組んだまま偉そうに頷く熊王、王様だから仕方ないのかな?
実装中止になったとか言ってたな…と言うことは、モンスターの王として使うために用意していたモンスターと言うことかな?
かなり強いはずだ、実際のモンスターの王と同じぐらいの強さなら今の装備では絶対に勝てない…火計を使えば別かも知れないが、殺すの禁止だしな。
どうするかな…まず装備だけど、武器は一番得意な大剣を使う!初期装備のアイアンブレイドでいい。
仮にもモンスターの王を名乗っているんだ、この武器で一撃で殺してしまうと言うこともないと思う。
防具は、狩人の服だな。ギルモのお母さんが狩りに行く時に身につけていた服を借りた。
現在は体が夏を刺激しそうなインナーか、この狩人の服しかないからな~選択肢は、ほぼ無い。
因みに女性用のデザインではない。緑色の服で、子供の頭の上のリンゴに矢を射る人が着てる様なデザインだな。
ついでに言っとくと今は髪を後ろで軽く縛って束ねてる。走るのに邪魔かなと思ったからだ。
それでは戦闘前にステータスオープン!




