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女神様はオタクでした

らしい…と言うのは事故にあった時に気を失っていた様で、何も覚えていなかったからだ。


『まあ、そう言う訳でね…貴方は死んだの』


ホワイトルームで女神はそう言った


「はあ、そうですか…あの、事故に巻き込まれた人とかは居なかったんですか?」


そう、それだけが心配だった。色々あって疲れていたとは言え、見ず知らずの人を巻き込んでしまったのなら申し訳なさすぎる。


相手の人が居るのなら、すぐにでも謝らないと…


『いえ、大丈夫よ。貴方の住んでた田舎の更にその山のなかの峠道だもの、人間なんて居なかったわよ』


うん、言い方は色々と引っ掛かるけど良かったよ。


まあ、俺のすんでた所は四国の田舎だったのは事実だしね…そう東京から地元に飛ばされたのだ。


『それで貴方は何故ここに呼ばれたか分かる?』


うーん、もしかしてだけど…そんな事あるんだろうか?ラノベ脳だと思われるかもしれないが…


「あのお、怒らないで聞いて欲しいんですが…私が生前に、よく読んでいた小説では死んだ人間を呼び出した神様は、異世界に転生させてくれ…」


と言いかけた所で


『そう!ビンゴよ!おめでとうございます!

貴方は異世界に転生するチャンスを手に入れたのよ』


と言われた


「ええ?本当にござるか?」


喜びのあまり?思わず言葉使いが変わってしまった


『ええ…本当よ。そんなに、へりくだらなくも大丈夫よ。貴方は選ばれたのよ!』


メガネをクイッとして、微笑みながら言う女神様


「ありがとうございます。でも、なぜ私が?」


『それはね…貴方の魂の有り様が私好みだったからよ』


「魂の有り様ですか?」


どういう意味だろう?


『ええ。今の貴方の姿は生前の姿と違うと言うのは何となく解るわね?』


「ええ」


そう、俺はこのホワイトルームに呼ばれてから

生きていた頃の姿とは変わっていた…


ぼんやりとしか見えないし、顔はわからないが…火の玉とかではなく、ちゃんと人間の姿をしている事だけは分かるんだが…


『論より証拠ね』


パチンと女神様が指を鳴らすと俺の目の前に鏡が現れた。


鏡を見ると


そこには俺が生前によくやっていたゲーム


ゲーム・フロンティアで使っていたアバターの

ケンシンにそっくりな姿が写っていた。


色白、長身、黒い長髪、顔はデフォルトのままだったが、ああいうゲームのデフォルトの顔と言うのは、現実世界で言う所のイケメンである…


切れ長の和風イケメンと言ったところか、

ケンシンと言う名前は戦国武将の上杉謙信から思い付いた。

同じ名字だし、強さや生きざまに憧れていたからだ…生涯独身だったと言うのも親近感を感じるしね。


『分かったでしょう…私がやっていたゲームの三国志の火計を使う、某美形武将にそっくりなのよ!』


なるほど…俺もそのゲームはやったことあるので分かる。


ただ、この見た目は、その某美形武将に似せた訳ではなく、自分のコンプレックスである、癖毛と背が低目であると言うのを


ゲームの世界の俺はこんな風にサラサラストレートヘアをたっぷり伸ばしてかき上げたいんやー


とか、たまには行列の時に後ろから背伸びをせずに見てたいんやー


と言う変身願望を満たす為にやっただけだ。


因みに同じゲームなら、白い扇子を持っている人や一騎で大軍の中に突っ込んで赤ん坊を助ける人の方が好きだ。


「でも、どうして、こんな姿に?」


疑問に思って思わず呟いた


『それは、あれね。貴方は死ぬ前にそのゲーム・フロンティアをやりまくってたでしょ?』


そう、あの一件以来、暫くは自宅謹慎だったので

やることもなく、現実が嫌になっていた俺は

飯風呂トイレ以外は、ほぼずっとログインしまくっていた。


現実とゲームの区別がつかなくなるほどゲームの世界にはまっていたからか…

自分の認識としては上杉勝也じゃなくて、ケンシンになっていたかも知れない。


『それでね。たまたま、この世界に遊びに来ていた私が貴方を見かけて、こちらの神様にお願いして魂を譲り受けたのよ!』


「そうなんですか…」


『ええ!そうなの!本当は某美形武将の魂が良かったんだけど…ずいぶん前で、もう転生してるし。

英雄の魂は流石にちょっとって言われてね。でも、貴方は英雄でも何でも無いから大丈夫だったの!』


まあ、たしかに、そりゃそうだ。そんな有名人と比べられても困るが


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