ティーカップ山の戦い
くっ!半分の半分はエネルギー体か何かって事か?そういやインキュバスも人間な皮を被って変装していたな…
どうしよう…今は絶対王者の時間のクールタイムでスキルも使えない!
その時だった
「おい!お前ら何をふざけあっているんだ?」
ラッキー、超龍が戻ってきた!
「これがふざけあってる様に見えますか?」
木の枝でぐるぐる巻きになっているんだよ?
「ん?違うのか?人間は縛ったり叩いたりして興奮すると聞いたが?」
「それは、一部の人間だけですよ!」
マゾーカさんとかね!
超龍が目を凝らしてノーフェイスの方を見つめる
「ん?よく見るとさっきの奴と顔が違うな…シワシワじゃないか?」
「ハハハ、これはお面なんだよ!ケンシンと二人でふざけてるだけだから、それより早く砦を落とした方が良いんじゃねえか?」
ノーフェイスはお面をカインのに付け替えると超龍に対して、砦へ行く様にすすめる。
「は?もう終わったぞ?」
「「なっ?!」」
俺とノーフェイスが声を揃えて驚く!
「そんな馬鹿な…だって中には七つの大罪が1人いたんだぞ?」
「七つの大罪?ああ、そんな事言ってる赤いデカイのがいたな…生意気にも俺を食おうとしてのでな、龍圧殺で鼻くそ大にして食べてやったわ!その時に何か変なスキルがいっぱい増えて気持ち悪かったな」
「そんな…最強のレッドスライムと呼ばれた強欲が一瞬で…」
カイン、いやノーフェイスは青い顔をして呟く。
「まあ、しょせんスライムだからな!最強の龍人である俺の敵ではないわ!」
山間には、ナーハッハと超龍の笑い声が響き渡っていた…
「そ、そうかあ…こりゃあ俺の出る幕は無かったな!じゃあ悪いけど、俺、用事思いだしたから、じゃあな!」
と言ってノーフェイスは走って逃げていった…
助かったのか?
「風霊術 ウィンドカッター!」
クールタイムが解けてスキルが使える様になった俺は風の刃を体の周りに起こすウィンドカッターを使い自力で脱出する。
「変な仲間がいるんだな?」
「いや、だから仲間じゃないですよ!」
その後、少し時間を掛けて超龍に説明して納得させた。
くそ、騙された!と怒って追い掛けようとしていたが俺が拘束を解いた時には既にマップからは完全に消えていたので無駄だと説得し直した。
砦は超龍によってボロボロになっており、モンスターの死体が散乱していた…天魔王と言うだけあって、モンスターはデーモン系のモンスターが多かった。
これだけ派手にやったのに何で俺は気付かなかったんだろう?と思ったのだが、超龍が言うには俺達の周りには何らかの結界(馬鹿だからよく分からなかったらしい)が張られていたそうだ…恐らくノーフェイスが超龍に気づかれないようにする為に能力か何かで張ったんだろう。
本来は砦の上から火計を放つつもりだったが、超龍によって壊されていた為に火計を射つ高台を探したが見つからなかった…
仕方ないので超龍を、おだてて説得し(何回目だよ!)
抱き抱えて飛んでもらい火計を三発放った!ちなみに剣は山の入り口の見張りから何本か黙ってもらっていた物を使った。
俺の火計を合図に混乱、損耗したトーチ軍に向かいハイマツ軍が突撃しトーチ軍は全滅に近いダメージを負い逃亡した。
これにて後に三国時代の始まりと呼ばれる、ティーカップ山の戦いは終わった。
トーチ軍の兵士達、ティーカップ砦の兵士達、そして二人のA級ハンターの犠牲を残して…