勝手にしやがれ
この入り口の門には10名程の兵士が詰めている様だった。今の時間は全員表に出ている様だ。
こちらからは、見えたり見えなかったりだが、なぜ分かるのか?
初期設定でマップついてますからね、敵の位置も赤い光でポイントされているから手に取る様に分かる。
門と言っても砦の門と言う意味ではなく、入り口付近にある見張り台の門と言ったところか…
「で?どうするのだ?潜入すると言うのなら、あいつらに見つからずに入るしかないぞ」
「フフフ…その必要はありません!全員倒します!」
「なにぃ?!それでは何で俺を止めた?」
超龍に胸ぐらを掴まれてしまった。腕をポンポンと叩き落ち着かせる、ドウドウ
「ただ倒すだけではダメなんですよ!相手に気づかれずに一瞬で倒さないと」
「なに?そんな事で良いのか?では、俺の炎獄黒龍掌で一撃で門ごと破壊してやる!」
と言って「ハアア」掌に赤と黒の気を溜め始める超龍、何その第三の目が開きそうな技は!
「ちょっとちょっとダメですって、門ごと壊したら他の奴らに気づかれるでしょ!」
と言って必死で止める俺
「ちっ…面倒くさい!勝手にしやがれ!」
と言って腕を組んで背中を向ける超龍…すねちゃったね。
「はいはい、では勝手にしますよ」
と言うと俺はトランプを大量に取り出す。俺の回りを空中に浮かせて!
職業補正で取り出せるトランプだが普通に取り出す事も可能だが、この様に空中に浮かせて取り出す事も可能なのだ!
「ほお…」と言うと中々の技だなと感心しながら見ている超龍
トランプには一枚一枚白っぽいオーラの様な物が纏われていて、それが大量に空中に浮いている様は中々に壮観だ。
では、絶対王者の時間
俺は時間を止めて、トランプを飛ばすそのトランプのが全て当たったのを確認してから時を動かす!
バタバタバタッバタ、と兵士達が倒れる音がする。
「それでは、行きましょう!」
「う、うむ…」
超龍は何か悔しそうな表情だ、活躍したかったのかも知れない。
「心配しなくても、この先、超龍さんには大活躍してもらう予定です」
当たり前だ!行くぞ!と言って前を駆けていく超龍、潜入だって事を既に忘れてないか?
???視点
「おやおや、ネズミとトカゲが紛れこんだ様ですね
さっきの二人組と言い、ここの警備はどうなっているんですか?」
黒髪黒目の美少年らしき見た目の男が言う
「それを言われるとな…まあ、その分報酬は弾むぞ
」
全身が赤いフルアーマーに包まれた巨体の男が座ったまま返す。
「フフフ、マスターハンターの報酬は安くないですよ」
と言うと、壁につけていた背をはなしフルアーマーの男に背中を向けて出ていこうとする。
その時だった!
フルアーマーの男から触手の様な物が出て、マスターハンターを名乗る男に当たりそうになった!
直前、水で出来た楯が触手を防ぐ
「ほう、先ほどのハンターは中々に水の聖霊術が達者だったようだな」
黒髪の美少年は先ほどまでつけていなかったお面の様な物をつけていた、そしてお面を外すと
「ええ…それと、僕を補食しようとするの止めてもらえますか?」
「フフハ、仕方なかろう、それだけのスキルを持っているのだからな」
「これは貴方のスキル、いや種族特性の劣化版ですよ、本当に欲しいのですか?」
「例え、そうだとしても持ってないスキルは欲しい物だワシは天魔王の配下、七つの大罪の強欲なのだからな」
黒髪の男がそうでしたねと言うと、室内には二人の笑い声が木霊する。