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知らない天井

いつの間にか眠っていたらしい、目が覚めると白い天井があった。


「知らない天井だ…」思わず呟いてしまう


「古いけど鉄板ね!私も嫌いじゃないけど、ここは貴方の知ってる天井よ」


誰かに話し掛けられる、この声は!


「はぁい、こんにちは!いや、こんばんは…かしらね」


女神様が笑顔で俺に話し掛ける。

と言う事は、ここはホワイトルームか


「どうしてここに?俺はまた死んでしまったんですか?」


ふふっと笑うと女神様は答えた


「違うわよ。貴方が困っているみたいだったから、ちょっと魂だけ呼んだのよ」


「え?ああ…そうですね困ってます」


「あの少年の件ね?」


「ええ、見てたんですか?」


「もちろん!貴方の事はずっと見てるわよ。だって、その為に転生させたのよ」


「そうですか、そんな話しでしたかね…」


「あら?元気がないわね?怒られるかと思ったのだけど?」


「ああ、そうですね…たしかに火計とか色々と言いたい事はありますけど」


女神様は身を乗り出して俺の手をとり上下に揺らす


「あれ凄かったでしょう?貴方が中々使ってくれないから今か今かとスイッチを握りしめて待っていたのよ!遂にキターと思って…」


「あの、すみません、手を…」


「ああ、そうだったわね。貴方は女性が苦手だったわね…ごめんなさい」


慌てて手を引っ込めて謝る女神様


「あの、願いの件なんですけど」


「ダメよ」


「え?」


「あの子の母親を生き返らせて欲しいって言うんでしょ?」


何で俺が言いたい事が分かったんだろう…心でも読んでるのかな?


「ふっ…心は読んでないわよ。そのぐらい貴方を見ていれば誰でも分かるわよ。ベッドで身悶えてた貴方を見てればね」


言いかた~と思ったが、そんな事は今は良い


「じゃあ、なんで?」


「簡単な事よ、それは人の世の摂理に反するわ」


エエー貴方がそれ言いますか?と思った。


「でも、俺が殺した人間は生き返らせるって言ってたじゃないですか?あれは嘘だったんですか?」


キッと俺を睨み付ける女神様、普段なら目を反らす俺だが今回は睨み返した。


「私は嘘なんか言わないし言えない…少なくとも神として約束や契約をした事はね」


「じゃあ、尚更!」


「ふう…」


女神様は困った顔をして、少し考える様な素振りをして話しだした。


「あのねえ…貴方には転生する前にプログラミングしてあって、貴方が殺してしまった人間は魂も体も即、天界の保管庫に送りこんで現世に影響を与えないように細心の注意を払ってるの。だからそれほど影響は出ない」


そう言って俺の顔を見る女神様、しかし俺は納得が行かず彼女を睨みつけたままになっていた。



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