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倍返しだ

それから、アトラさんが幾つか質問した後、兵士は医務室へと運ばれて行った。


「これは、困った事になりました…ただでさえ兵士の数が少ないのに、砦の奪還にも人数を割かなければならないとは…」


とアトラさんが言うと、会議室内の空気は一気に重苦しくなってしまった。


「トーチ帝国は山から攻めてくるつもりなんでしょうか?」


とメグリ王子がアトラさんに質問する。


「そうですね…ナルティーを落とした程の戦力が一万しかいないと言うのは少ないとは思っていました…先ほどの兵士の話によると砦を攻めてきた数は五千を超えていたそうです…しかも、そのほとんどがモンスターだった」


恐らく山から我が軍の背後をつく作戦…もしくは、こちらのBBB作戦を見破っていたのかも知れません…と付け加え、赤い駒を取り出し地図の山頂部分

に置いた。


確かに、インキュバスは俺達の戦いを見ていたからな…火計を警戒するのも当然か


「やられたら、やり返す倍返しだ!」

と俺は進言する


「倍返しですか…しかし相手は砦に立て込もっています…こちらには砦に割く戦力が足りません!」


くっ…と言って机を叩き悔しがるアトラさん。


そうだ、守りに入った敵を攻めるには三倍の兵力で

攻めなければならない、と言われている。


こちらの全兵力を傾けても難しいだろうな。


「ならば!」と叫んだ後


俺は右手の人差し指を立てる、すると全員が注目した。


俺はその指を親指にかけてデコピンの要領で地図の山頂に置かれた赤い駒を弾き飛ばす、駒はそのまま勢いよく床の上に転がりカランコロンと音を鳴らした。


「フッ…それでは私が1人で落として来ましょう」


1人、無茶だ、いや、あのファラオを倒した男だぞ


そんな声が聞こえてくる。


「そうですかやってくれますか!」


アトラさんは俺の手を握りブンブンと上下に振る


さっきの「くっ」は何だったんだろう?また、はめられたのかなあ…


「ケンシンさん、いくら貴方でも無茶です!」


メグリ王子が心配そうな表情で言ってくる…これは演技じゃないね。


「フッ大丈夫ですよ!私はモンスターの王を倒した男なんですよ?」


「それは、そうですが結構危ない戦いもありましたよね?」


まあ、確かにキングトロールやキングバトルモンキーには手こずったね。


「ハハハ、これは痛い所をつかれたな…ですが、それは装備が整っていなかったからです!今の装備なら何の問題もありません」


そう、この双剣 双頭の(ドッペルアドラー)とグリフォンコート改があるし、スキルも強化されているのだ!今ならキングトロールやキングバトルモンキーも瞬殺で倒せるはず。


「しかし、そうは言っても…」


その時だった


またもやバーンと扉が開き、1人の男が入ってきた


「心配しなくとも、こやつを1人で行かせはせん」


「お、お前は!」

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