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軍議 後編

引き続きアトラ視点


そう、このフロンティアの歴史を紐解けば、島国ノンケイ王国に生まれた四人の美王子が女神からの天啓を受け、フロンティア大陸に入植した事が始まりです。


その四人の王子はそれぞれに国を興し、セントラル、ハイマツ、ナルティー、トーチの王になった。


つまりは元々は同じ王家なのです。


「へ?いきなり、その様な事を言われましても…兄の消息も不明ですし」


そう、メグリ王子はセントラル王国の第二王位継承者ですからね…無理もありません。


「大丈夫です。お兄様は無事、紅竜王を打ち倒し、この城へと向かっているとの報せが先ほど届きました」


「本当ですか?」


「ええ、間違いありません」


私は笑顔で答えます。


因みに嘘です…ですが、あの第一王子のスキルと王具を考えると死ぬ事はないでしょう。時間は掛かるかも知れませんが必ず倒すはずです。


「良かった!」


涙ぐんで胸に手を当ててホッとしています、可愛いですねぇ家臣達も見とれています。


しかし、その後考え込むと


「ですが、私だけで決める事は…」


それは、そうでしょうね。


「それなら大丈夫ですよ!グリコ王には許可を得ています」


これは本当です…先ほどアーティファクトのホットラインを使って通信会談をして、二つ返事で簡単に許可を得ました。


セントラル国の王は若い王妃(男)に夢中になっていて、その王妃との間に生まれた王子を跡継ぎにしたいと考えているとの噂は本当なのかも知れません。


「そうですか…やはり父上は…」


諦めた様な渇いた笑顔を浮かべています、目のハイライトが消えてますね。しかし、ここは心を鬼にして畳み掛けます!


「そうです!後日、正式な手続きを踏みますが自国の王の命令は絶対です。貴方がハイマツ国の王位を継ぐ事は決定事項なのです」


そう、王子とは言え王の命令は絶対なのです、逆らえません。


「しかし、私は自信がありません…兄の様な強さもありませんし、迂闊にも敵に捕まって人質になってしまうような間抜けな王子なのですから…」


「ふう…それは私も同じですよ。では、こうしましょう!私達を助けてくれたケンシンさんに公爵の位を授け、貴方の補佐役になってもらいます」


本来なら重臣から大反対にあって軍義が紛糾するでしょうが、王威を使いながら言ってるので大丈夫です。


「本当ですか?」


ぱあっと笑顔になりました。分かりやすい性格ですね…王としてはどうかと思いますが、それは私がフォローすれば良いでしょう。


「ええ、もちろん。ケンシンさんさえ良ければ、手始めに今回の戦の指揮を軍師を任せましょう!」


「それは心強い、それなら引き受けます!」


「では、いまケンシンさんに確認してみて下さい」


そう、いま天井を見上げて現実逃避してますからね…ある意味チャンスかも知れません。


「ケンシンさん、どう思いますか?」


「え?ああ、まあ良いと思いますよ!」


「ありがとうございます!では、ケンシンさんが此度の戦の指揮をとると言うことで決定します」


と王威を使いながら満場一致にして決定させました。

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