三国時代突入
その後、放心していたモトラッドから王具 奴身姐他愛を取り上げたアトラさんの指揮の元で兵士やモンスターにより事態は終息へと向かった。
モトラッドは捕らえられ地下に軟禁、スタジアムに集まっていた民衆には帰宅して有事に備える様に命令が出た。
マゾーカさん達マスターハンター3人は手当てを受ける為に移動 、メグリ王子は怪我はしていなかったが念の為に治療を受ける様に言われていたが、断っていた。
インキュバスの話が本当だとすれば、もうすぐトーチ帝国の軍勢がハイマツ国に迫っている…その対策もあるからノンビリとはしていられないと言う事だった。
アトラ王も、国の一大事であると言われては異論を挟む事も出来ず、何故か俺も含めてスタジアムの近くにあるハイマツ城の一室で軍義を行う事になった。
スタジアムの近くと言うか隣接だよな?何で今まで気づかなかったんだろう…やっぱり駅や港の近くに主要な公共施設が集まっているんだな、家賃にしたらいくらぐらいだろう?等と思いながら会議室か軍義室か知らないけどで天井をボーと見ていた。
「ケンシンさん!どう思いますか?」
「へ?」
俺は前世では警備会社の社員だったのだ、こんな国の偉いさんが集まった場所での会議に呼ばれてもなあ、と思いながら天井を見て現実逃避していたのだが…隣に座っていたメグリ王子から急に話を振られてしまった。
「え?ああ、まあ良いと思いますよ!」
よく分からないが真剣な顔つきのメグリ王子に聞いていませんでしたとも言えず、適当に相槌をうっておく。まあ、メグリ王子の言うことなら可笑しな事にはならないだろう。
「ありがとうございます!では、ケンシンさんが此度の戦の指揮をとると言うことで決定します」
会議室のテーブルを囲む国の偉いさん達が立ち上がり、パチパチパチパチと皆が拍手をする。
「へ?」
今、何かイクサノシキをとるとか言ってなかった?
「メグリ王子、その井草の四季って何ですか薬草採取とか?」
異世界転生物のハンターと言えば薬草採取から始まるのが基本だよね?色々あって、まだハンターギルドの登録すら終わってないけど…
「ありがとうございます宜しくお願いしますよケンシンさん!」
アトラ王が俺の手を握り、ブンブンと振る。有無を言わさない、いや、うやむやにしようとしている…
「いやあ、良かった良かった!メグリ王子がハイマツ国の新王子になってくれて、その初陣の指揮を軍師のケンシンさんがとってくれる事になって、本当に良かった!」
「ちょ、ちょっと…」
「ケンシンさん、ありがとうございます!私もハイマツ国の王位継承者になるのは不安でしたが、貴方が軍師になって補佐してくれるので有れば安心です」
輝く笑顔で抱きついてくるメグリ王子、その後ろでフフフと黒い笑顔を浮かべているアトラさん…こりゃあ完全にはめられたな…