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時を止めて抱きしめて

100話にあたる「開放されるもの」を一部書き直しました。申し訳ありません。

くそ、間に合わない…


と思ったが、よく考えたら瞬間移動あったわ!


「な?!」


インキュバスは突然、目の前に俺が現れてビックリしたのだろう。


ついでに試してやる!


「計略 絶対王者の時間ファラオタイム


ステータスを確認してないが、火計は勝手にセットされていた、と言う事は計略は勝手にセットされているから使えるだろうと言う判断だ。効果は分からないが多分クイック系統だろう。


計略を使った瞬間、空間が真っ白になった…ペン入れする前の漫画の下書きの様な世界と言えば良いだろうか?


どういう理屈か知らないが、空中にいるのに落下しないな…だが普通に動ける変な感じだ。


しかし、時を止める計略とはな…よく勝てたな俺…まあ、最終的にはファラオが自爆したんだけど


おっと、そんな事よりも


俺は素早く、インキュバスからメグリ王子を引き剥がすと一旦肩に担いだ。


インキュバスを見ると驚愕したままの表情に成っている。


こいつを、このままにしておく訳にはいかんな…念のため超クイックを使って殴る!


その時だった頭の中に一瞬、動きが、技名が浮かんだ。


俺の拳が、風を砂嵐を起こしている、その砂嵐を拳に纏わせたままインキュバスの土手っ腹にぶちこむ!


「天技・時空砂嵐拳ゼロ・ストーム


と同時に時は動きだし


真っ白に近い世界が色彩を帯びる、インキュバスの胴体に穴が空いて向こう側の空から雲が見える。


「ガバッ…一体何が!?」


驚いた顔で大きな穴の空いた自分の体を見る…なんじゃこりゃと言った表情だ。


「フッ…お前はもう死んでいる」


俺は王子をお姫様抱っこして、目を閉じたまま微笑んで言った。


「な、なんだとお…なんてね♪」


とインキュバスが笑いながら言うと、奴の体が一瞬で黒い球体へと変化し、また元の姿に戻る。


すると、無傷になったセクシーな革ジャン、短パン姿の元通りのインキュバスがいた。


「ハッハッハア!驚きました?私は半分は精神体に近い存在でしてねぇ…とは言え、さっきの攻撃で物理的な部分はダメージを受けてしまいましたがねぇ」


そういう訳で逃げます!と言いながら翼をはためかせ一瞬にして遠ざかるインキュバス。


「待て!」


俺は追いかけたかったが無理だった…


だって絶賛落下中だからだ!


何故か瞬間移動も使えない、恐らく絶対王者の時間ファラオタイムのクールタイムが影響してるのかな?


そのまま地面へと着地する、その衝撃で幻想眼イリュージョンアイの影響で気を失っていたメグリ王子が目を覚ます。


「あれ?何で?」


状況が飲み込めてない王子…無理もない、さっきまで木の杭に縛られていたのに目を覚ましたら俺にお姫様抱っこされていたんだからな。


「すみません王子、なるべくは衝撃を和らげたのですが…起こしてしまいましたね」


と言って笑顔で謝り状況を説明する。


「そうでしたか…それより、その…」


と言って恥ずかしそうに顔を赤らめる王子


「そうでしたね!失礼しました、すぐに下ろします!」


そりゃあそうだよね!こんなスタジアムのど真ん中で、男にお姫様抱っこされれば恥ずかしいよな!


しかし、王子を下ろそうとすると


「待って!待って下さい…」


「え?」


「その、もう少し、このままで…」


「え?どういう意味ですか?」


「その…そう!疲れているので、もう少しだけ、このまま…抱きしめていて下さい」


と顔を赤らめて言うと、俺の胸に顔を埋めた王子


恥ずかしかったけど、疲れてるって事かな?


「わかりました、そのまま少し休んでいて下さい」


と言って俺は王子をお姫様抱っこしたまま、しばらく立ち尽くしていた。


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