初夢《イリュージョンアイ》
意識を失い、まどろみの中に落ちる
「起きて、起きて下さいケンシンさん」
「ん、んん?」
どうやらベッドで眠っていた様だな、メグリ王子に起こされる。何故か赤と白のセーラー服姿だ…
「何でセーラー服?と言うか、メグリ王子は何で女装してるんですか?」
メグリ王子は、はえ?と言う表情をした後
「ケンシンさん、寝坊てるんですか?貴方の趣味でしょう?」
何を言ってるんだろう、俺は女装趣味とかはないはずだ。
「いや、俺は女装趣味とかないから」
「フフフ…面白い人、そうじゃなくて貴方が私に着せたんでしょ?」
え?そうなのか…まあ、確かに凄く似合ってるし悪くはない、悪くは無い所か、見た目は超絶美少女だが…男なんだぞ!
よく分からないが謝っておくか
「王子、それは申し訳ありませんでした。もう脱いでも大丈夫ですよ」
と言うと王子は顔を赤らめて、もじもじとしながら両手を顔に当てて
「朝からですかあぁ…ケンシンさん大胆ですね」
と言いながらスカートに手をかけ脱ごうとする、メグリ王子
「ちょっと待った!ストップ、ストップです!キャンセルキャンセルでお願いします、脱がなくて良いです」
しかし、王子はスカートに手をかけたまま、え~どうしようかなあ?等と言っている…何か性格変わってない?
カンカンカンと音が鳴り、ガチャリと寝室の扉が開くと、今度は鍋とお玉を打ちならしながら、エプロン姿のギルモが入ってきた。
「もう、二人ともおそ…って!何やってるの!?」
「ち、違うんだギルモ」
ヤバい、子供の情操教育上良くない!俺は慌てて弁明した。
「もう、僕をのけ者にしてぇ」
「へ?」
お尻を突き出してプリプリと怒るギルモ…と言うか、お尻が丸見えなんだけど、まさかの裸エプロンですか?
「な、何て格好をしてるんだ!」
「ええ?ケンシンの趣味だよ?」
「と、ともかく男の子が着る服じゃない、着替えてきなさい」
そうだ、ジェンダーレスは大事かも知れないが、俺が無理矢理着せたなら問題がある!とりあえずは元の服に着替えてもらおう。
「「大丈夫だよ!僕たち男の娘だから!!」」
な、何だって!まあ、それなら良いかな?
ガチャリ、また扉が開くと
「ケンシン、僕も男の娘だ」
と言ってマーリーが入ってくる、何故か巫女さんのコスプレだ
ガチャリ
「ケンシン、俺も男の娘だった」
と言ってラプツェルが入ってくる、何故かナースのコスプレをして…いや、綺麗だとは思うが男の娘ではないだろ!?
ガチャリ
「ケンシンさん私も男の娘だったようです」
アトラさんがメイド服を着て入ってくる、さすがにちょっと無理があるような…
「ケンシンさん失礼ですよ!」
あっ、アトラさんの読心術忘れていた
「すみません」素早く謝っておく、こういうのは早い対処が肝心だ!前世のネットなら、すぐ炎上につながる。
ガチャリ
「ケンシーン!俺も男の娘だったぞお!」
と言いながら、マゾーカさんが、赤いスカートに白いブラウス、黄色い帽子にランドセルを背負って入ってきた…筋肉ムキムキの口髭生やしたオッサンがだ!
「あんた、良い年して何をやってるんだ!」
「はう…良いねえ、もっと、もっとだ!」
早く罵ってくれと、うるさい。
僕が、私が、俺が、と言いながら全員が俺に迫ってくる…
「やめろー!うおー!」と叫んだ瞬間
「ハッ?!」気がつくとスタジアムに戻っていた…俺以外の人間は全て正気を失っているのか、一人で転げ巻くったり、叫んだりしていた。
「おや?気がつきましたか?ですが、もう遅い」
声がした方を見ると、メグリ王子を担いだインキュバスがいた。
「そうか、お前の幻覚によって正気を失っていたって訳か…その隙に王子を奪い脱出しようとしていたと」
「その通りです!」
と言うとインキュバスは翼を広げ空へと飛び立つ
「待て!」と叫ぶと、俺はクイックを使って追いかける!