プリンスの王子様2
登場人物紹介
AAAA:腐女子。2ちゃんねらー。考えていることがいちいちゲスい。
BBBB:クソビッチ。リア充体質。
小鳥遊 貴也:AAAAにやらしい妄想をされているが気付く由もない。バカ正直。
猫見 美月:未登場。AAAAより1学年上。猫耳のかぶりもの、マスクを常にしている。マスクキチ。
佐渡島 詠夢:未登場。顔文字付きの会話が多い。アホの子。
白井田 天詩:未登場。AAAAの担任の先生。眼鏡枠。ゴッドスペルが着信音。
青黄梅 バーミリオン:未登場。異国人枠。信号機と話す。電波系。
*
タカナシ君と別れ、薔薇百合学園が目の前にある国道で、目立った頭髪の人物がいた。欅通りの国道だ。緑を纏った欅が、真紅の長い髪と黒い毛が混じった頭髪をさらに引き立たせる。横から見ると瞳は青い。
「今日も、お疲れネ。まさるクン」
彼は上を見上げ、そう言った。わたしは彼が誰に言っているのかと思い、視線を辿る。そこにあるのは錆びた信号機。鳥でもとまっていたのだろうか。わたしも暫く同じところを見つめる。
「君も、信号機と話せるのかネ?」
彼がわたしの方に顔を向けた。あり得ないほど整った顔立ちに驚く。青い目の反対の目は黄色だ。
「僕ちんは信号機の生まれ変わりなのだヨ」
無表情のまま彼はそう言う。わたしは彼の言っている内容に頬が引き攣った。笑いたいのだ。けれど笑ってはいけないような気がしてならない。どうすればいいのだ。
→女は我慢!なんでも我慢するものさ
女は度胸!笑ってみるものさ
だめだ。耐えなければ。わたしは咳払いする振りをして誤魔化す。
「僕ちんの話を聞いてくれたのは、おまいが初めてネ」
1人称といい、話し方といい、真剣そのものといい、笑わない要素がなかった。いくらなんでもシュールすぎる。
「この信号機はまさるクンというのだヨ。薔薇百合学園からも近いから、一番友達ネ」
残念な美少年だ。このコメントに尽きる。